
足場踏板の幅は作業効率と安全性を左右する重要な要素です。現在の建設現場では、主に4つの幅規格が使用されています。
400mm幅(ヨンマル)
最も普及している標準サイズで、作業性とコストのバランスに優れています。重量は5.3kg(600mm長)から13.8kg(1800mm長)まで幅広く展開されています。
500mm幅(ゴーマル)
労働安全衛生規則の改正により注目度が高まっている規格です。床面の隙間規定強化に対応するため、今後の需要拡大が予想されます。
250mm幅
スペースが限られた現場や補助的な用途で活用される規格です。センター踏板としても使用され、きめ細かな足場構成が可能です。
150mm幅
特殊用途向けの最小幅規格で、300の倍数で対応できない狭隘な現場で使用されます。
足場踏板の長さは300mmピッチが基本となっており、これには明確な技術的根拠があります。労働安全衛生規則でスパンの最大長さが1.85mと定められているため、基本スパンは1800mmに設定されています。
標準長さラインナップ
300mmピッチの技術的背景
この寸法体系により、現場の様々な間隔に柔軟に対応できます。例えば、建物の構造上1800mmスパンが取れない場合でも、1500mmや1200mmの組み合わせで効率的な足場構成が可能です。
重量と長さの関係
踏板の重量は長さに比例して増加します。400mm幅の場合。
この重量データを把握することで、作業効率と安全性を両立した足場計画が立てられます。
労働安全衛生規則第526条に関する詳細な安全基準については、厚生労働省の公式資料を参照してください。
踏板の重量は材質と構造によって大きく異なり、現場での取り扱いやコストに直接影響します。
鋼製踏板の特徴
最も一般的な材質で、耐久性と経済性のバランスに優れています。エキスパンドメタル(穴あき鋼板)加工により、滑り止め効果と軽量化を実現しています。
アルミ製踏板の特徴
軽量性を重視した高性能仕様で、頻繁な組み替えが必要な現場で威力を発揮します。
パンチングタイプとエキスパンドタイプ
表面加工によって性能特性が異なります。
パンチングタイプ。
エキスパンドタイプ。
センター踏板の特殊仕様
支柱間の中央部に設置する専用踏板で、通常の踏板とは異なる構造を持ちます。
日本の足場業界では、メーターサイズとインチサイズの2つの規格体系が併存しており、それぞれ異なる特徴を持ちます。
メーターサイズの特徴
300mmを基本単位とする日本独自の規格体系です。数値の区切りが良く、現場での計算や発注が容易です。
インチサイズの特徴
1フィート(304.8mm)を基本とする国際規格です。アメリカ発祥のビティ足場が枠組足場の原型となった歴史的経緯があります。
相互互換性の重要な注意点
メーターサイズとインチサイズには相互性がないため、現場では統一した規格での足場構成が必要です。
混在使用時のリスク。
法的な表記規則
計量法により、日本では法定計量単位以外の使用が制限されています。そのため、実質的にインチサイズの寸法でもメートル表記が義務付けられています。
例:6フィート → 1829mm表記
現場選択の判断基準。
足場踏板の選定には、労働安全衛生規則による厳格な基準遵守が求められます。適切な選定により、作業者の安全確保と法令遵守を両立できます。
労働安全衛生規則第526条の要件
高さ1.5mを超える作業場所では階段設置が義務付けられており、踏板についても明確な基準が定められています。
作業床の要件。
2m以上の作業場所における追加要件
足場が高さ2m以上の場合、より厳格な基準が適用されます。
踏板選定の実践的チェックポイント
安全性確保のための選定基準。
品質管理の重要項目。
特殊現場での配慮事項
現場条件によって追加の安全配慮が必要です。
沿岸部・高湿度環境。
狭小現場。
重量制限のある現場。
労働安全衛生に関する最新の法令情報は、中央労働災害防止協会の公式サイトで確認できます。
中央労働災害防止協会|足場安全に関する最新ガイドライン
適切な踏板選定により、安全で効率的な足場作業環境を実現し、労働災害の未然防止につながります。現場の特性を十分に把握し、法令要件を満たした踏板選択を心がけることが、建設業界全体の安全性向上に貢献します。