ボルト規格m16基本寸法から強度まで完全解説

ボルト規格m16基本寸法から強度まで完全解説

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ボルト規格m16基本仕様解説

M16ボルト規格の基本要素
🔧
基本寸法

ねじ呼び径16mm、ピッチ2.0mm(並目)・1.5mm(細目)

⚙️
強度区分

鋼:4.8、8.8、10.9、12.9 / ステンレス:A2-50、A4-50

📏
対辺寸法

六角ボルト:24mm、高力ボルト:27mm、六角穴付き:14mm

ボルト規格m16基本寸法詳細

M16ボルトは建設現場で最も使用頻度が高いボルトサイズの一つで、JIS B 1180に基づく標準的な六角ボルトです。基本寸法は以下のように規定されています。
基本寸法表 📏

  • ねじ呼び径(d):16mm
  • 並目ねじピッチ:2.0mm
  • 細目ねじピッチ:1.5mm
  • 軸径(ds):16mm(許容差:0〜-0.35mm)
  • 頭部高さ(k):10mm(許容差:±0.35mm)

対辺寸法による分類 🔧

  • 標準六角ボルト:24mm(最も一般的)
  • 小型六角ボルト:22mm(狭い場所での施工用)
  • 高力ボルト:27mm(構造用鋼材の接合用)
  • 六角穴付きボルト:14mm(アクセスが困難な場所用)

対辺寸法は使用する工具の選択に直接影響するため、現場での作業効率を左右する重要な要素です。

ボルト規格m16材質強度区分

M16ボルトの材質と強度区分は、使用環境と要求される性能に応じて選択されます。
鋼製ボルトの強度区分

  • 4.8:引張強さ400N/mm²、降伏点320N/mm²
  • 8.8:引張強さ800N/mm²、降伏点640N/mm²(最も一般的)
  • 10.9:引張強さ1000N/mm²、降伏点900N/mm²
  • 12.9:引張強さ1200N/mm²、降伏点1080N/mm²(高強度用途)

ステンレス鋼ボルトの強度区分 🛡️

  • A2-50:オーステナイト系、引張強さ500N/mm²
  • A4-50:オーステナイト系、引張強さ500N/mm²
  • A2-70:オーステナイト系、引張強さ700N/mm²(高強度)
  • A4-70:オーステナイト系、引張強さ700N/mm²(高耐食性)

強度区分は「最大引張強さの1/100」と「降伏点または耐力の1/100」を表す数字で構成されており、数値が大きいほど高強度です。

ボルト規格m16建設現場使用例

M16ボルトは建設現場において多様な用途で使用されており、その選択基準は構造物の安全性に直結します。
主要使用箇所 🏗️

  • 鉄骨構造の梁・柱接合部
  • 重量設備の基礎アンカー固定
  • 外壁パネルの取付け金具
  • 階段・手すりの構造部材接合
  • 足場の重要接合部

材質選択の判断基準 🎯

  • 屋内一般用途:普通鋼(強度区分8.8)
  • 屋外・湿潤環境:ステンレス鋼(A2-70)
  • 高荷重用途:高強度鋼(強度区分10.9以上)
  • 海岸地域:耐食性ステンレス鋼(A4-70)

建設現場では、M16ボルトの選択を誤ると構造物の安全性に重大な影響を与える可能性があるため、設計図書に基づく適切な材質・強度区分の選択が不可欠です。

ボルト規格m16ねじピッチ選定基準

M16ボルトには並目ねじ(2.0mm)と細目ねじ(1.5mm)の2種類のピッチが規定されており、用途に応じた適切な選択が重要です。
並目ねじ(P=2.0mm)の特性 ⚙️

  • 標準的な用途に最適
  • 加工性・互換性が良好
  • 一般的な建設用途で最も多用
  • 豊富な品揃えで入手しやすい

細目ねじ(P=1.5mm)の特性 🔧

  • より細かいピッチによる高い把持力
  • 薄肉部材への締結に適している
  • 振動に対する緩み止め効果が高い
  • 精密機械部品の固定に使用

ピッチ選択の実践的指針 📋
細目ねじは並目ねじと比較して約20%高い軸力を得られるため、振動が多い環境や薄肉材への締結では細目ねじを選択することが推奨されます。ただし、特別な指定がない限り、建設現場では互換性と入手性を重視して並目ねじを使用するのが一般的です。
また、細目ねじは加工時の切削抵抗が大きく、タップ加工時の工具寿命が短くなる傾向があるため、現場加工では注意が必要です。

 

ボルト規格m16許容差品質管理

M16ボルトの寸法許容差は、JIS規格において部品等級により厳格に規定されており、品質管理の重要な指標となります。
寸法許容差の部品等級 📐

  • A級(第1選択):最も厳しい許容差、高精度用途
  • B級(第2選択):標準的な許容差、一般建設用途
  • C級(第3選択):比較的緩い許容差、大量生産品

主要寸法の許容差(A級基準) 🎯

項目 基準寸法 上限許容差 下限許容差
軸径(ds) 16mm 0mm -0.35mm
頭部高さ(k) 10mm +0.35mm -0.35mm
対辺距離(S) 24mm 0mm -0.8mm

品質管理での注意点 ⚠️
製造工程における寸法のばらつきは、締結性能に直接影響するため、受け入れ検査では特に軸径と対辺距離の測定が重要です。また、ねじ部の山形状や表面粗さも締結トルクの安定性に影響するため、定期的な品質確認が必要です。
現場では、同一ロットのボルトでも個体差があるため、重要な構造部位では事前のトルク試験による確認が推奨されます。

 

建築現場において安全かつ効率的な施工を行うためには、M16ボルトの規格を正しく理解し、用途に応じた適切な選択を行うことが極めて重要です。特に構造用途では、設計荷重と環境条件を総合的に考慮した材質・強度区分の選定が、建物の長期的な安全性を左右します。