
VP管用DV継手は、JIS K6739に準拠した排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手として規格化されています。主要な呼び径は30mm、40mm、50mm、65mm、75mm、100mm、125mm、150mmまで対応しており、各サイズに対応した詳細な寸法表が設定されています。
VP管用DV継手の受口共通寸法(主要サイズ)
呼び径 | D | d | d1 | d2 | t | 許容差 |
---|---|---|---|---|---|---|
40 | 48.5 | 47.5 | 22 | 54 | 2.2 | ±0.3 |
50 | 60.5 | 59.5 | 25 | 67 | 2.2 | ±0.3 |
65 | 76.6 | 75.4 | 35 | 83 | 2.5 | ±0.3 |
75 | 89.6 | 88.3 | 40 | 97 | 3.0 | ±0.3 |
100 | 114.8 | 113.2 | 50 | 124 | 3.5 | ±0.4 |
これらの寸法は、接続の確実性と施工効率を両立するために厳密に管理されています。特に、d1とd2は直角2方向以上の内径測定値の平均値として規定されており、品質管理において重要な指標となります。
45°エルボ継手の場合、Z1とZ2の寸法は呼び径により変化し、30mmで12mm、40mmで14mm、50mmで18mmといった具合に段階的に増加します。L1とL2の標準寸法も同様に、呼び径30mmで30mm、40mmで36mm、50mmで43mmと設定されています。
VU管用のDV継手は、屋外排水設備用として特別に設計されており、VP管用とは異なる寸法体系を持ちます。主な特徴として、より厚い肉厚と耐候性に優れた材質が採用されており、屋外環境での長期使用に対応しています。
VU管用DV継手の主要寸法(抜粋)
これらの寸法における許容差は±2mmと設定されており、製造時の品質管理基準として厳格に運用されています。また、流れ方向を示す矢印を外側に浮き出しにする仕様も規定されており、施工時の方向確認を容易にしています。
VU管用継手の特徴的な仕様として、91°10'の流れ角度が採用されており、これにより排水の流れを効率化し、詰まりのリスクを軽減する効果があります。この角度は許容差±30'で管理されており、精密な角度制御が求められます。
Y型分岐継手は、排水系統の分岐部分で使用される重要な継手類であり、90°Y継手、45°Y継手、90°大曲りY継手などの種類があります。それぞれ異なる用途と設置条件に対応するため、寸法規格も細かく分類されています。
90°Y継手(VP管用)の主要寸法
45°Y継手は、より緩やかな分岐を必要とする場合に使用され、90°Y継手と比較してL寸法が大きく設定されています。これは45°という角度による流路の延長を考慮した設計となっています。
径違いY継手も豊富に用意されており、例えば75×50mmタイプでは、主管75mmから支管50mmへの分岐が可能です。これらの径違い継手は、配管システムの合理化と施工効率の向上に大きく貢献しています。
90°大曲りY継手は、特に大口径の配管において流体抵抗を最小限に抑える設計となっており、呼び径125mmや150mmサイズでも安定した流れを確保できます。
エルボ継手は配管の方向転換に使用される基本的な継手であり、90°エルボと45°エルボが主要なタイプです。特に排水配管では、流れの阻害を最小限に抑えるため、内径寸法と曲率半径が重要な設計要素となります。
45°エルボ継手(VP管用)の詳細寸法
呼び径 | 品番 | Z1 | Z2 | L1 | L2 | 該当規格 |
---|---|---|---|---|---|---|
30 | D4L30 | 12 | 12 | 30 | 30 | JIS K6739 |
40 | D4L40 | 14 | 14 | 36 | 36 | JIS K6739 |
50 | D4L50 | 18 | 18 | 43 | 43 | JIS K6739 |
65 | D4L65 | 22 | 22 | 57 | 57 | JIS K6739 |
75 | D4L75 | 25 | 25 | 65 | 65 | JIS K6739 |
これらの寸法における注意点として、Zの許容差は±2mmと規定されており、Lは標準寸法を示しています。施工時には、この許容差内での調整が可能ですが、基本的には標準寸法での使用が推奨されます。
90°エルボ継手と比較して、45°エルボは全体的にコンパクトな寸法となっており、限られたスペースでの配管において有効です。また、流体の流れも90°エルボより滑らかになるため、排水効率の向上も期待できます。
エルボ継手の選定においては、設置場所の制約と排水量を考慮することが重要です。特に大口径の配管では、エルボ継手部分での流速変化による圧力損失を最小限に抑える設計が求められます。
DV継手の実務選定では、単純な寸法適合だけでなく、配管システム全体の性能を考慮した総合的な判断が必要です21。特に不動産開発において、将来の維持管理性と初期コストのバランスを取ることが重要な課題となります。
継手選定の主要チェックポイント
流体力学的な観点から、Y継手の分岐角度は排水効率に大きく影響します。90°Y継手は分岐流の分離が明確である一方、合流部での渦流発生リスクがあります。45°Y継手はより自然な流れを作り出しますが、設置に必要なスペースが大きくなります。
径違い継手の使用においては、縮小方向での流速増加と拡大方向での流速減少による圧力変動を考慮する必要があります。特に高層建築物では、これらの圧力変動が排水システム全体の性能に影響を与える可能性があります。
大曲りY継手は、従来のY継手と比較して流体抵抗が約30%減少するという技術データがあり、大流量の排水処理において威力を発揮します。しかし、設置コストが高くなるため、費用対効果の検討が重要です。
継手の材質選定においても、使用環境に応じた適切な選択が必要です。特に化学的な影響を受ける可能性がある環境では、材質の耐薬品性を十分に検討することが求められます。