hi継手差し込み寸法一覧と施工規格

hi継手差し込み寸法一覧と施工規格

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hi継手差し込み寸法一覧

HI継手差し込み寸法の基本構成
📏
受口部寸法

継手への管差し込み深さを決める重要な寸法

⚙️
JIS規格準拠

JIS K 6743に基づく標準化された寸法体系

🔧
施工標線

管端からの差し込み深さを示すマーキング基準

hi継手呼び径別差し込み標準寸法表

HI継手の差し込み寸法は呼び径によって厳密に規定されています。以下は日本水道協会検査合格品として認定されているHI継手の標準寸法一覧です。

 

呼び径 外径D(mm) 厚さt(mm) 受口長さH(mm)
13A 24 3.0 33
16A 29 3.5 43
20A 33 3.5 44
25A 40 4.0 51
30A 46 4.0 56
40A 57 4.5 69
50A 70 5.0 80
65A 87 6.1 84
75A 102 8.0 90
100A 130 10.0 115
150A 190 13.1 184

受口長さHの許容差は+5/-1mmとなっており、施工時にはこの範囲内で管の差し込みを行う必要があります。特に13A~40Aの小口径では、差し込み不足による漏水リスクを避けるため、標線位置を正確に管理することが重要です。

 

大口径では200A~300Aまで対応しており、200Aで受口長さ262mm、250Aで318mm、300Aで355mmとなっています。これらの大口径継手では重量も15.5kgに達するため、施工時の取り扱いにも十分な注意が必要です。

 

管理技術者向けの寸法確認ポイントとして、継手受口内径と管外径の隙間が適正範囲内(通常0.5~1.5mm)にあることを確認し、接着剤の浸透性を担保することが挙げられます。

 

hi継手施工時の差し込み深さ管理方法

HI継手の施工では、差し込み深さの正確な管理が漏水防止の鍵となります。管端から継手受口長さを測定し、マジックインキで標線を記入することが標準的な手順です。

 

🔍 標線記入の具体的手順

  • 管端面を直角に切断し、面取りを実施
  • 継手受口長さを基準とした差し込み位置をマーキング
  • 標線は管軸に対して垂直に、管周囲全体に記入
  • 差し込み時は標線が継手端面に到達するまで確実に挿入

標線位置は管端から継手受口長さの位置としていますが、必ずしも継手のストッパーまで入らなくても構いません。重要なのは規定された差し込み深さを確保することです。

 

小口径(13A~40A)では、受口標準長さが26mm~55mmと比較的短いため、1~2mmの差し込み不足でも接合強度に大きな影響を与える可能性があります。特に圧力配管では、定格圧力0.75MPa下での使用を前提としているため、規定寸法の遵守が必須です。

 

現場でよく発生するトラブルとして、管の切断面が斜めになっていることで標線位置がずれるケースがあります。この対策として、管切断時にはパイプカッターを使用し、切断面の直角度を確保することが推奨されます。

 

hi継手寸法規格とJIS基準適合性

HI継手の寸法規格は、JIS K 6743「水道用硬質ポリ塩化ビニル管継手」に準拠して製造されています。この規格では、継手の寸法精度、材質特性、圧力性能が詳細に規定されており、各メーカーの製品はこの基準をクリアする必要があります。

 

📋 JIS K 6743の主要規定項目

  • 寸法及び寸法許容差
  • 外観及び構造
  • 物理的性質(密度、ビカット軟化温度)
  • 機械的性質(引張強さ、破断時伸び)
  • 水密性及び圧力性能

HI継手は耐衝撃性継手として分類され、通常のTS継手と比較して衝撃強度が向上しています。これは寒冷地での施工や、振動が多い環境での使用において重要な特性です。

 

製品認証については、JIS製品認証番号(例:JW0407005)や日本水道協会検査合格品マークの表示により、規格適合性を確認できます。これらの認証マークは、建築確認申請や水道事業者への届出において必要な証明となります。

 

大口径継手(200A以上)では、FRP補強仕様も用意されており、使用圧力1.0MPaでの使用が可能です。通常仕様では0.75MPaまでの対応となるため、設計圧力に応じた製品選定が重要になります。

 

異径継手についても詳細な寸法規定があり、例えば20A×13Aの場合、大径側受口長さ33mm、小径側受口長さ30mmと、それぞれの呼び径に対応した寸法が設定されています。

 

hi継手差し込み寸法の測定と品質管理

施工品質の確保には、差し込み寸法の正確な測定と管理が不可欠です。測定には専用の深度ゲージやノギスを使用し、0.1mm単位での精度管理を行います。

 

🔧 測定用具と測定方法

  • デプスゲージ:受口深さの直接測定
  • ノギス:管外径と継手内径の確認
  • 直角定規:管端面の直角度確認
  • マーキングゲージ:標線位置の正確な設定

品質管理の観点から、施工前には必ず管と継手の適合性を確認する必要があります。特に異なるメーカーの製品を組み合わせる場合、微細な寸法差により接合不良が発生する可能性があります。

 

現場での確認項目として、継手受口内面の清掃状態、管端面の面取り状況、接着剤の塗布量なども重要な管理ポイントです。接着剤は継手受口長さの2/3程度まで塗布し、管の差し込み時に余剰分が押し出されることで、適切な接合が確認できます。

 

温度変化による寸法変動も考慮が必要で、PVC管は線膨張係数が大きいため、施工時の環境温度と使用時の温度差が大きい場合は、熱伸縮による応力を吸収する配管設計が求められます。

 

検査記録として、差し込み深さ測定値、使用継手の製品番号、施工者名、施工日時を記録し、竣工図書として保管することが推奨されます。

 

hi継手差し込み施工における現場トラブル対策

HI継手の差し込み施工では、様々な現場トラブルが発生する可能性があります。事前の対策と適切な対応により、これらのトラブルを未然に防ぐことができます。

 

⚠️ よくある施工トラブルと対策

  • 差し込み不足:標線管理の徹底と複数人での確認
  • 接着剤の硬化不良:適正な塗布量と養生時間の確保
  • 管の変形:適切な支持と温度管理
  • 継手の破損:慎重な取り扱いと専用工具の使用

特に冬季施工では、接着剤の硬化時間が延長されるため、通常の1.5~2倍の養生時間を確保する必要があります。また、継手材料のPVCは低温で脆くなるため、5℃以下での施工は避けることが推奨されます。

 

差し込み不足による漏水トラブルは、水圧テスト時に発見されることが多いですが、埋設配管の場合は修復に大きなコストがかかるため、施工時の入念な確認が重要です。

 

接着剤の選定も重要で、HI継手専用の接着剤を使用し、開封後の保存期間や使用環境温度の制限を遵守する必要があります。不適切な接着剤の使用は、継手の耐圧性能に直接影響するため、メーカー指定品の使用が必須です。

 

現場での緊急対応として、軽微な差し込み不足の場合は、再加熱による管の軟化と再差し込みが可能な場合がありますが、接着剤が硬化している場合は継手の交換が必要になります。このような事態を避けるため、接着後の初期硬化時間内(通常5~10分)での最終確認を徹底することが重要です。