型枠サポート寸法一覧|パイプサポート規格重量完全ガイド

型枠サポート寸法一覧|パイプサポート規格重量完全ガイド

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型枠サポート寸法一覧

型枠サポート基本情報
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寸法規格

JIS規格に基づく5種類の分類と調整可能範囲

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重量・荷重

サポート別重量と許容支持力の詳細データ

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選定基準

現場条件に応じた最適なサポート選択方法

型枠パイプサポート基本寸法規格

型枠工事において最も一般的に使用されるパイプサポートは、尺単位で分類されており、それぞれ調整可能な範囲が設定されています。

 

標準パイプサポート寸法一覧

種類 調節範囲(mm) 重量(kg) 色分け 受板形状
1尺 318〜445 4.2 角型
1.5尺 400〜599 4.6 角型
2尺 605〜992 5.8 角型
3尺 896〜1,511 7.6 ピンク 角型
4尺 1,192〜2,071 9.5 角型
5尺 1,520〜2,590 10.2 花型
6尺 1,720〜3,040 11.9 花型
7尺 2,120〜3,440 13.8 花型
9尺 2,620〜3,940 14.5 ピンク 花型

パイプサポートの構造は内管と外管の二重構造になっており、現場の高さに応じて容易に調整可能です。受板部分には識別のためのマーキングが施されており、現場での判別が容易になっています。

 

表面処理には溶融亜鉛メッキ加工が施されており、耐久性と防錆性能を確保しています。この処理により、屋外での長期使用においても品質を維持できます。

 

JIS A8651-1995規格では、パイプサポートを最大使用長によって5種類に分類しています。

  • 1種: 3,850mm以上4,000mm未満
  • 2種: 3,350mm以上3,500mm以下
  • 3種: 2,950mm以上3,100mm以下
  • 4種: 2,550mm以上2,700mm以下
  • 5種: 2,200mm以下

型枠サポート重量許容荷重一覧

パイプサポートの許容荷重は使用長さと水平つなぎの有無によって大きく変わります。安全な施工のため、正確な許容荷重の把握は必須です。

 

使用長さ別許容荷重表

サポート使用長(m) 水平つなぎ無(kg) 水平つなぎ有(kg) 一端剛支持(kg)
2.4 2,000 2,000 2,000
2.5 1,900 2,000 1,950
2.6 1,800 2,000 1,900
2.7 1,700 2,000 1,850
2.8 1,600 2,000 1,800
2.9 1,500 2,000 1,750
3.0 1,400 2,000 1,700
3.1 1,300 2,000 1,650
3.2 1,200 2,000 1,600
3.3 1,100 2,000 1,550
3.4 1,000 2,000 1,500

重要なポイントとして、2.4m未満の使用長では許容量2,000kgが限度となります。また、3.4m以上の使用長では特別な措置が必要で、高さ2m以内ごとに水平つなぎを直角2方向に設け、水平つなぎの変位防止措置を講じる必要があります。

 

一般的な仮設工業会認定品では、7尺サポートで5,000kgの座屈荷重を有しており、JIS規格の4,500kgよりも高い性能を誇ります。この差は認定基準の違いによるものですが、どちらも国の基準を満たしています。

 

フラワーサポート(パイプサポート)の許容支持力について、使用高さ2m以下では19.6kN(約2,000kg)、2〜2.5mでは17.6kN、2.5〜3mでは13.7kN、3m超では9.8kNとなります。ただし、水平つなぎを設置することで支持力の向上が期待できます。

 

型枠強力サポート種類別寸法

重量物を支える必要がある現場では、通常のパイプサポートでは対応できない場合があります。そのような現場で使用されるのが鉄製強力サポートです。

 

鉄製強力サポート規格

型式 調整長さ(mm) 重量(kg) 内管長さ(mm) 外管長さ(mm) 許容耐力(t)
18型 1,219〜2,124 38.0 1,209 1,059 15
32型 1,865〜3,270 50.0 1,809 1,630 15
40型 2,665〜4,070 59.0 2,609 1,630 13
50型 3,665〜5,070 70.0 3,609 1,630 11

鉄製強力サポートは主に解体工事で重機をスラブに載せる際の補強用途で使用されます。一般的なパイプサポートと比較して、大幅に高い荷重に対応可能ですが、その分重量も大きくなります。

 

アルミサポートという選択肢もあり、鉄製の約2/3の重量でありながら必要な強度を確保しています。現場の条件や作業効率を考慮して、材質の選択も重要な要素となります。

 

補助サポートとして、4S(1,200mm・5.1kg)、5S(1,500mm・6.0kg)なども用意されており、特殊な現場条件に対応できます。

 

型枠サポート調整長さ使用方法

パイプサポートの調整機構は、内管と外管の伸縮により実現されています。調整方法は比較的簡単で、サポートピンを刺してメネジを締めることで完了します。

 

調整時の注意点

  • 偏心荷重を避けるため、サポートの受板重心を同一にする
  • パイプにへこみや曲がりがないか事前確認
  • 火入れ修理を行うと強度が低下するため避ける
  • 木製サポートとの併用時は荷重分散に注意

調整範囲が広いサポートを選ぶことで、現場での汎用性が高まります。例えば3尺サポートは896〜1,511mmの調整範囲を持ち、一般住宅の天井高に対応できる汎用性があります。

 

長尺サポートが必要な場合は、中間つなぎや専用金具を使用して継ぎ足すことが可能です。ただし、労働安全衛生規則第242条により、継ぎ足しは2本までと制限されており、4本以上のボルトまたは専用金具での接続が義務付けられています。

 

つなぎ材(48.6φ)で補強する際は、必ずクランプを使用する必要があります。水平つなぎは高さ2m以内ごとに設置し、2方向での補強が基本となります。

 

型枠サポート選定ポイント安全基準

現場での適切なサポート選定は、安全性と作業効率の両面から重要です。近年、海外製造品で日本の認定基準を満たさない製品によるトラブルが報告されているため、購入・リース時の確認が重要です。

 

認定マークの確認ポイント

  • 仮設工業会認定合格マークの有無
  • JIS規格適合表示
  • 製造業者名と製造年月の明記
  • 溶融亜鉛メッキ処理の実施確認

荷重計算においては、想定される最大荷重に対して十分な安全率を確保する必要があります。コンクリート打設時の動的荷重や、作業員の移動による衝撃荷重も考慮に入れた計算が必要です。

 

色分けによる識別システムも重要な安全要素です。各サイズが異なる色で識別されているため、現場での誤使用を防ぐことができます。特に夜間作業や視界の悪い条件下では、この色分けが事故防止に大きく貢献します。

 

設置間隔についても適切な計画が必要で、スラブの厚さや配筋状況に応じて最適な配置を決定します。一般的には90〜120cm間隔での設置が標準的ですが、荷重条件により調整が必要です。

 

定期点検も重要で、使用前にはパイプの変形、ネジ部の摩耗、受板の損傷等を確認し、不良品は即座に使用停止とする管理体制が求められます。適切な保管方法により、サポートの寿命を延ばし、安全性を維持することが可能です。

 

型枠サポートの適切な選定と使用により、安全で効率的な施工を実現できます。規格の理解と現場条件に応じた選択が、品質の高い建築工事の基盤となります。