強力サポート寸法一覧|型式別規格重量耐力

強力サポート寸法一覧|型式別規格重量耐力

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強力サポート寸法一覧

強力サポート型式別仕様概要
🔧
CH型強力サポート

高抗張力鋼管製で一般サポートの5~10倍の強度を実現

⚖️
アルミ製強力サポート

鉄製の約2/3の重量で作業効率を大幅向上

📏
調節長さと耐力

用途に応じた最適な寸法選択で安全性を確保

強力サポートCH型の寸法と重量仕様

CH型強力サポートは建築現場において最も信頼性の高い支保工として広く採用されています。各型式の詳細な寸法と重量データは以下の通りです。

 

CH型強力サポート仕様一覧表

型式 使用長(mm) 組立重量(kg) 最大破壊強度 許容強度
CH-18型 1,840~1,230 34.5 294kN(30ton) 147kN(15ton)
CH-24型 2,460~1,845 40.1 294kN(30ton) 147kN(15ton)
CH-32型 3,260~1,895 49.0 294kN(30ton) 147kN(15ton)
CH-40型 4,060~2,695 58.0 264kN(27ton) 127kN(13ton)
CH-50型 5,060~3,695 69.3 225kN(23ton) 98kN(10ton)

CH型の特徴として、型式が大きくなるにつれて使用長の範囲が広がり、重量も増加する傾向があります。特にCH-18型からCH-32型までは許容強度が15tonと統一されており、現場での使い分けが容易です。

 

興味深いことに、CH-40型以降では許容強度が段階的に減少する設計となっています。これは長尺になることで座屈の危険性が高まるため、安全率を考慮した設計思想によるものです。

 

断面性能の詳細データ

  • A-A断面:Ixy=71.8cm⁴、Zxy=17.5cm³
  • B-B断面:Ixy=187.2cm⁴、Zxy=32.8cm³
  • 外径:φ114.3mm、内径:φ82.6mm

この断面性能により、従来の軽荷重サポートでは対応できない高荷重条件下でも安定した支持力を発揮します。

 

強力サポートアルミ製の調節長さと耐力

アルミ合金製強力サポートは、従来の鉄製に比べて大幅な軽量化を実現しながら、必要十分な強度を確保した次世代型の支保工です。

 

スーパー・アルミサポート仕様詳細

型式 調節長さ(mm) 重量(kg) 内管長さ(mm) 外管長さ(mm)
26型 2,610~1,970 29.0 1,137 1,760
38型 3,820~2,580 36.0 2,353 1,760
50型 5,030~3,800 43.0 3,570 1,760

アルミ製の最大の利点は作業効率の向上です。例えば、26型では29kgと、同等の鉄製サポートと比較して約30%の軽量化を実現しています。これにより作業員の負担軽減と作業スピードの向上が期待できます。

 

耐力性能について

  • 中間部・水平つなぎあり:147kN(15t)
  • 中間部・水平つなぎなし:26型・38型 147kN(15t)、50型 98kN(10t)

注目すべきは、50型のみ水平つなぎなしの場合に許容耐力が98kNに制限されることです。これは長尺サポートの座屈防止を目的とした安全設計であり、現場では必ず水平つなぎの設置が推奨されます。

 

建入れサポートとの使い分け
PC材建入調整用サポートとして、より軽量なアルミニウム合金製の建入れサポートも存在します。

 

型式 有効使用長(mm) 重量(kg)
S型 1,120~1,790 6.7
M型 1,730~3,120 8.7
L型 2,390~3,780 10.1
LL型 3,590~4,780 12.3

これらは主にPC工事の積層工法で使用され、精密な建入れ調整が可能な特殊用途向けサポートです。

 

強力サポート型式別使用長の比較表

現場での適切な型式選定のために、使用長の範囲と重複部分を詳細に比較検討することが重要です。

 

使用長範囲の重複分析

CH-18型: 1,230mm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1,840mm

CH-24型: 1,845mm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2,460mm
CH-32型: 1,895mm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3,260mm
CH-40型: 2,695mm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4,060mm
CH-50型: 3,695mm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 5,060mm

この比較から、以下の最適選定パターンが見えてきます。
✅ 推奨選定パターン

  • 1,200~1,800mm: CH-18型(最軽量34.5kg)
  • 1,900~2,400mm: CH-24型(バランス型40.1kg)
  • 2,500~3,200mm: CH-32型(中荷重対応49.0kg)
  • 3,300~4,000mm: CH-40型(高所作業用58.0kg)
  • 4,100mm以上: CH-50型(最長対応69.3kg)

重複範囲での選定基準

  1. 1,845~1,895mm範囲: CH-18型とCH-24型が重複

    → 重量差5.6kgを考慮し、短期使用ならCH-18型を選択

  2. 2,695~3,260mm範囲: CH-32型とCH-40型が重複

    → 許容強度の違い(15ton vs 13ton)を考慮し、高荷重ならCH-32型を選択

パイプサポートとの使い分け
一般的なパイプサポートとの使用長比較も重要です。

 

パイプサポート 使用寸法(mm) 重量(kg) 強力サポート対応
9尺 2,600~3,940 15 CH-32型~CH-40型
7尺 2,100~3,350 13 CH-24型~CH-32型
6尺 1,800~3,040 12 CH-18型~CH-32型
5尺 1,500~2,590 11 CH-18型~CH-24型

パイプサポートは軽量で取り扱いが容易ですが、強力サポートは約5~10倍の強度を持つため、高荷重が予想される現場では強力サポートの選択が必須となります。

 

強力サポート重量軽量化の選定ポイント

現場での作業効率向上と安全性確保の両立を図るため、重量軽量化を考慮した選定ポイントを詳しく解説します。

 

重量による作業効率への影響
作業効率の観点から、1日の運搬本数と作業員負担を数値化すると以下のような差が生まれます。

例:高さ3mの支保工設置(100本設置の場合)

・CH-32型(49.0kg): 総重量4,900kg → 作業時間約8時間
・アルミ36型(36.0kg): 総重量3,600kg → 作業時間約6時間(25%短縮)

この2時間の短縮は、大規模現場では大幅なコスト削減につながります。

 

材質別の特性比較

材質 重量比 耐食性 初期コスト ランニングコスト
高抗張力鋼管 100% 中(メンテナンス要)
アルミ合金 67% 低(長寿命)

アルミ合金製は初期投資は高いものの、以下の隠れたメリットがあります。
🔧 メンテナンス性の向上

  • 錆の発生がほぼゼロ
  • 清掃作業時間の短縮(約50%削減)
  • 保管時の品質劣化が少ない

⚡ 作業安全性の向上

  • 軽量により転倒リスクの軽減
  • 組立・解体時の筋肉負担軽減
  • 高所作業での取り扱い安全性向上

環境配慮の選定基準
近年、建設業界でも環境負荷軽減が重視されており、以下の観点での選定も重要です。

  • リサイクル性: アルミニウムは99%リサイクル可能
  • CO₂削減: 軽量化による運搬燃料の削減効果
  • 長寿命設計: 鋼製15年 vs アルミ製25年の使用期間

コスト最適化の実例
大手建設会社の導入事例では、アルミ製強力サポート導入により以下の効果が報告されています。
✅ 作業効率25%向上
✅ 作業員疲労度30%軽減
✅ 機材運搬コスト15%削減
✅ メンテナンス費用40%削減
これらの総合効果により、初期投資の回収期間は約3年程度と試算されています。

 

強力サポート耐力と安全性の検証方法

強力サポートの安全性確保には、適切な耐力計算と現場での検証が不可欠です。設計時の理論値と実際の使用条件には差異があるため、実務的な検証手法を理解することが重要です。

 

軸荷重試験による性能確認
CH-40型の軸荷重試験結果では、垂直荷重と変形量の関係が明確に示されています。

 

荷重-変形特性(CH-40型実測データ)

・10ton時: 縮み2mm、x軸方向挽み1mm、y軸方向挽み1mm
・15ton時: 縮み4mm、x軸方向挽み2mm、y軸方向挽み2mm
・20ton時: 縮み6mm、x軸方向挽み3mm、y軸方向挽み3mm
・25ton時: 縮み8mm、x軸方向挽み4mm、y軸方向挽み4mm

この試験データから、許容荷重13ton(127kN)での変形量は約3mm程度と予測でき、実用範囲内での安定性が確認できます。

 

座屈長さ係数の考慮
長尺サポートでは座屈現象が安全性の最大のリスクとなります。建築基準法に基づく座屈長さ係数の適用が必要です。

支持条件 座屈長さ係数(K) 適用場面
両端固定 0.5 理想的固定条件
固定-ピン 0.7 一般的な現場条件
両端ピン 1.0 標準計算値
固定-自由 2.0 避けるべき条件

実際の現場では「固定-ピン」条件(K=0.7)での計算が現実的であり、許容荷重は理論値の約70%程度で設定することが安全です。

 

水平つなぎの効果検証
水平つなぎの有無による耐力差は予想以上に大きく、特に長尺サポートでは必須です。

50型アルミサポートの耐力比較

・水平つなぎあり: 147kN (100%)
・水平つなぎなし: 98kN (67%)
→ 33%の耐力低下

🔍 現場検証のチェックポイント

  1. 設置前確認
    • 地盤支持力の確認(最低150kN/m²以上)
    • ベースプレートの水平度(±2mm以内)
    • ジャッキベースの締付けトルク管理
  2. 設置中確認
    • 鉛直度の測定(±5mm/m以内)
    • 水平つなぎの設置間隔(2m以下推奨)
    • ジョイント部の締結確認
  3. 使用中監視
    • 定期的な変形量測定(週1回程度)
    • 異常音・振動の有無確認
    • ジャッキ部の緩み点検

安全率の設定基準
実務では以下の安全率を適用することが一般的です。

  • 一般用途: 安全率2.0(許容荷重 = 破壊荷重 ÷ 2.0)
  • 重要構造物: 安全率2.5(より慎重な設計)
  • 仮設構造物: 安全率1.5(短期使用の場合)

CH型強力サポートの場合、メーカー公表値は既に安全率2.0が考慮されているため、現場ではさらに1.2~1.5倍の余裕を見込むことが推奨されます。

 

荷重計算の実務例
3階建て住宅のスラブ支保工の場合。

設計条件

・スラブ厚: 150mm(自重3.6kN/m²)
・積載荷重: 1.5kN/m²
・支保工間隔: 1.8m × 1.8m
・総荷重: (3.6 + 1.5) × 1.8² = 16.6kN/本

 

選定結果: CH-18型(許容147kN)で十分対応可能
安全率: 147 ÷ 16.6 = 8.9倍(十分な余裕)

このように理論計算と実際の安全性確保を両立させることで、事故のない安全な施工が実現できます。

 

建設現場で使用する強力サポートは、正確な寸法データと適切な選定により、作業効率と安全性の両立を図ることができます。特に重量と耐力のバランスを考慮した選択により、長期的なコストパフォーマンスの向上も期待できるでしょう。