軽量ブロック寸法一覧と規格選定完全ガイド

軽量ブロック寸法一覧と規格選定完全ガイド

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軽量ブロック寸法一覧

軽量ブロック寸法一覧の要点
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基本寸法規格

10cm・12cm・15cm・19cmの厚み別寸法と重量データ

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A種・C種比較

軽量A種と重量C種の寸法・重量・価格の詳細比較

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施工選定基準

用途別最適寸法と現場での精度管理ポイント

軽量ブロックの基本寸法と重量規格

軽量ブロックの基本寸法は、JIS A 5406で規定されており、建築用コンクリートブロックとして幅390mm×高さ190mmが標準となっています。厚みについては、10cm、12cm、15cm、19cmの4種類が主流で、それぞれ用途や施工条件に応じて選択されます。

 

10cm厚軽量ブロック(A種)の詳細寸法:

  • 基本寸法:390×190×100mm
  • 重量:約6.8kg(基本タイプ)
  • 横筋タイプ:重量約7.3kg
  • コーナータイプ:重量約6.9kg

12cm厚軽量ブロック(A種)の詳細寸法:

  • 基本寸法:390×190×120mm
  • 重量:約7.3kg(基本タイプ)
  • 横筋タイプ:重量約7.8kg
  • コーナータイプ:重量約7.5kg

15cm厚軽量ブロック(A種)の詳細寸法:

  • 基本寸法:390×190×150mm
  • 重量:約8.7kg(基本タイプ)
  • 横筋タイプ:重量約8.9kg
  • コーナータイプ:重量約8.8kg

これらの軽量ブロックは、一般的に12~28kg/個の重量範囲に収まり、容易に持ち運びができるという特徴があります。空洞部の設計により軽量化を実現しており、例えば10cm厚のA種では穴径80×50mmの空洞が設けられています。

 

軽量ブロックの寸法精度は施工品質に直結するため、製造時の寸法管理が重要です。標準的な軽量ブロックでは、寸法許容差がJIS規格により厳格に管理されており、長さ・高さ・厚さそれぞれに対して±2mm以内の精度が求められています。

 

A種とC種の軽量ブロック寸法比較

軽量ブロックはA種(軽量)とC種(重量)の2つの主要分類があり、それぞれ密度と重量が大きく異なります。同じ寸法でも重量差は約1.5~2倍となるため、用途に応じた適切な選択が必要です。

 

10cm厚での比較表:

タイプ 寸法(mm) A種重量(kg) C種重量(kg) 価格差
基本 390×190×100 6.8 9.8 118円
横筋 390×190×100 7.3 10.3 -
コーナー 390×190×100 6.9 10.1 -
コーナー1/2 190×190×100 3.8 4.8 44円

12cm厚での比較表:

タイプ 寸法(mm) A種重量(kg) C種重量(kg) 価格差
基本 390×190×120 7.3 11.3 77円
横筋 390×190×120 7.8 12.1 -
コーナー 390×190×120 7.5 11.8 -

15cm厚での比較表:

タイプ 寸法(mm) A種重量(kg) C種重量(kg) 価格差
基本 390×190×150 8.7 14.4 121円
横筋 390×190×150 8.9 15.0 -
コーナー 390×190×150 8.8 14.6 -

C種の19cm厚については、A種の製造は行われておらず、重量ブロックのみの対応となります。19cm厚C種の基本寸法は390×190×190mmで、重量は約16.7kgと他の厚みと比較して大幅に重くなります。

 

A種とC種の寸法は同一でも、密度の違いにより圧縮強度や耐久性が異なります。A種は軽量性を重視した用途に、C種は強度を要求される構造体に適用されることが一般的です。施工性を考慮すると、A種は作業効率が良く、C種は構造的安定性に優れるという特徴があります。

 

軽量ブロック用途別寸法選択方法

軽量ブロックの寸法選択は、建築物の用途、構造的要求、施工条件、コストなどを総合的に考慮して決定する必要があります。適切な寸法選択により、施工効率の向上とコスト最適化を実現できます。

 

住宅建築での寸法選択基準:

  • 外壁用:12cm厚または15cm厚を推奨
  • 内壁間仕切り:10cm厚で十分な強度確保
  • 基礎回り:15cm厚以上での構造安定性重視
  • 塀・フェンス:10cm厚で軽量化とコスト削減

商業建築での寸法選択基準:

  • 外壁構造体:15cm厚または19cm厚での強度確保
  • 防火区画壁:12cm厚以上での防火性能要求
  • 倉庫・工場:19cm厚での荷重対応
  • エントランス部:15cm厚での意匠性と強度バランス

特殊用途での寸法選択:

  • 擁壁・土留め:19cm厚C種での高強度対応
  • 防音壁:15cm厚での遮音性能確保
  • 仮設構造物:10cm厚A種での軽量・低コスト
  • 景観構造物:12cm厚での施工性と耐久性バランス

軽量ブロックの厚み選択において、構造計算による検討が重要です。建築基準法に基づく構造設計では、地震力や風圧力に対する安全性確保のため、適切な厚みと配筋の組み合わせが求められます。

 

施工現場での作業性も寸法選択の重要な要素です。10cm厚A種(6.8kg)は1人での運搬・設置が容易ですが、19cm厚C種(16.7kg)では2人作業が必要となり、施工コストに影響します。また、クレーン等の重機使用の有無も事前に検討すべきポイントです。

 

コスト面では、厚みが増すにつれて材料費が上昇しますが、構造的安定性の向上により配筋量の削減や施工速度の向上が期待できる場合があります。総合的なライフサイクルコストでの評価が重要です。

 

軽量ブロック施工時の寸法精度管理

軽量ブロックの施工において、寸法精度の管理は構造品質と仕上がり精度に直結する重要な要素です11。適切な寸法管理により、後工程での調整作業を最小限に抑え、全体的な施工効率を向上させることができます。

 

基本寸法の検査ポイント:

  • 受入検査時の抜き取り寸法測定(全数の5%以上)
  • 長さ・高さ・厚さの3方向測定
  • 寸法許容差±2mm以内の確認
  • 空洞部寸法の確認(構造計算との整合性)
  • 重量測定による品質確認

施工時の寸法管理手順:

  • 基準線・基準高の正確な設定
  • 1段目設置時の水平・垂直精度確認
  • 目地厚10mmの均一確保
  • 各段での水平・垂直チェック
  • 開口部周囲での寸法調整方法

軽量ブロック積み上げ時の寸法管理において、目地厚の管理が特に重要です。標準目地厚10mmを基準として、ブロック高さ190mm+目地厚10mm=200mmモジュールでの施工が一般的です。この200mmモジュールを維持することで、建築全体の寸法整合性が確保されます。

 

精度管理の測定器具:

  • レーザーレベル:水平精度±1mm/10m
  • プラムボブ:垂直精度確認
  • スチールテープ:長さ測定精度±1mm/10m
  • 直角定規:角度精度確認
  • 目地ゲージ:目地厚統一管理

施工中の寸法ずれ対策として、5段積み毎の中間検査実施が推奨されます。早期発見により、大幅な修正作業を回避でき、施工コストの抑制につながります。

 

温度変化による寸法変動も考慮すべき要素です。軽量ブロックの線膨張係数は約10×10⁻⁶/℃であり、気温差30℃で長さ10mあたり約3mmの伸縮が発生します。大型構造物では伸縮目地の設置検討が必要です。

 

特殊軽量ブロックの寸法カスタマイズ対応

標準的な軽量ブロック寸法では対応困難な特殊用途において、カスタマイズ対応による寸法調整が可能です。受注生産により、現場要求に最適化された軽量ブロックの製作が実現できます。

 

カスタマイズ可能な寸法範囲:

  • 長さ:150mm~1600mmまで対応可能
  • 厚み:90mm~200mmまで調整可能
  • 高さ:標準190mm以外の特注対応
  • 空洞形状:用途に応じた開口部設計
  • 表面仕上げ:意匠性重視の表面処理

スライドブロック系特殊寸法例:
NSLB-90シリーズでは、長さ200mm~1000mmまでの多様なバリエーションが用意されており、重量も4.0kg~37.0kgまで幅広く対応しています。特に建設機械のスライド部分や精密な位置決めが必要な用途で活用されています。

 

受注生産での注意点:

  • 最小発注数量:通常100個以上
  • 納期:標準品より2~4週間延長
  • 価格:標準品の1.5~3倍程度
  • 構造計算:特注寸法での強度確認必須
  • 品質管理:専用の検査基準策定

カスタマイズ軽量ブロックの設計では、構造的安定性の確保が最優先となります。寸法変更により空洞率が変化するため、圧縮強度や曲げ強度への影響を事前に検証する必要があります。

 

意匠性重視のカスタマイズ例:

  • 花弁凹凸仕上げ:表面に装飾的な凹凸形成
  • 四方溝付き:配筋作業の効率化対応
  • カラーバリエーション:顔料混入による色調変更
  • 表面テクスチャー:石目調・木目調などの仕上げ

特殊軽量ブロックの設計において、施工性の確保も重要な検討項目です。重量が30kgを超える場合は機械施工の検討が必要となり、現場でのクレーン能力や作業スペースとの整合性確認が求められます。

 

維持管理の観点から、特殊寸法ブロックの将来的な補修・交換に備えた図面・仕様書の保管体制も整備しておくことが重要です。製造中止により同一仕様での補修が困難となるリスクを避けるため、予備材の確保も検討すべき事項となります。