

コンクリート目地用シーリング材は「どこに使うか(外装/内装、打継ぎ、伸縮)」と「仕上げ(塗装の有無)」で最適解が変わります。とくに現場で登場頻度が高いのは、変成シリコーン系(MS)とポリウレタン系(PU)で、前者は耐候性と塗装適性のバランス、後者は密着性の高さで選ばれやすい系統です。
変成シリコーン系は、ALCやコンクリート二次製品の伸縮・打継ぎ目地など一般外装の「動く目地」に適用される例が示されており、柔軟性・追従性を重視する場面で採用しやすい材料です。sho-han+1
一方で、材料の相性(被着体・既存材)と施工条件(温度・湿度・養生)で挙動が変わるため、「いつも同じ材料」よりも、仕様・規格(JIS)とメーカーの適用表で詰めるのが安全です。sharpchem+1
実務での判断を早くするため、まずは次の整理が役立ちます。材料名の印象より、「必要性能」から逆算します。
現場で「目地用シーリング材」と呼ばれていても、品質の説明はJIS A 5758の枠組みで整理すると一気に伝わりやすくなります。JIS A 5758は、金属・コンクリート・ガラスなどの接合部目地に充填し、硬化後に水密性・気密性を確保するための建築用シーリング材を対象にしています。
JIS A 5758では、まず用途でタイプG(グレイジング)とタイプF(グレイジング以外)に分かれ、さらにクラスは目地幅に対する拡大率・縮小率(例:±25%)で区分されます。
参考)https://www.sharpchem.co.jp/caulking/Illustrate-the-type-of-coking-agent.html
また、主成分の区分として、変成シリコーン系(MS)、ポリウレタン系(PU)などの記号が定義されています。sho-han+1
「製品の呼び方(表示)」が分かると、カタログの読み間違いが減ります。例えば、JISの例として「タイプF、クラス25、低モジュラスLM、耐久性区分9030、主成分MS、2成分形」の呼び方が示されており、表記は F-25LM-9030(MS-2) のように並びます。
この並びを理解すると、職人間の会話が「MSの25LMでいく」から「耐久性区分まで含めて、仕様に落とす」へ一段上がります。sho-han+1
さらに、設計側の資料として、目地設計ではワーキングジョイント等の分類や、目地幅の設計目安、材料種別ごとの設計伸縮率などが整理されており、材料選定と目地寸法がセットであることが明確です。
参考)シーリング材の種類 – シーリング基礎知識
「材料は良いのに切れる/剥がれる」現場では、材料単体ではなく、クラスと目地寸法、2面接着の成立までを同時に点検すると、原因が見えやすくなります。sharpchem+1
コンクリート目地用シーリング材で差が出るのは、材料のグレード以上に、下地処理とプライマー管理です。施工手順の基本として、被着体が十分乾燥しているかを確認し、油分・汚れ・ゴミを除去して接着不良を防ぐことが重要だと、メーカーの施工手順でも明確に示されています。
下地の吸い込みが強い(多孔質)コンクリートでは、とくにプライマーの役割が大きく、接着の安定化や気泡抑制に関わるという説明が見られます。
参考)コンクリートの水漏れをコーキングで完璧解決!原因診断から補修…
「打った直後はきれいに見えたのに、数か月で端部から剥離」というケースは、表面の粉(レイタンス)、目地内部の湿り、清掃不足、プライマーの塗りムラ・オープンタイム逸脱など、施工側の要因が重なっていることが多いです。jpn.sika+1
実務での施工の流れは、言葉にすると単純ですが、各工程に「落とし穴」があります。
参考:下地の清掃・乾燥の重要性(施工手順の「下地の清掃と乾燥」)
https://jpn.sika.com/ja/construction/sealing-procedure.html
コンクリート目地用シーリング材の“長持ち”は、2面接着が成立しているかで決まると言っても過言ではありません。2面接着は、目地底に接着させないことでシーリング材が伸び縮みしやすくなり、目地の動きに追従しやすい断面を作る考え方で、バックアップ材(ボンドブレーカー)を用いる説明がされています。
逆に、3面接着になるとムーブメント時に応力が逃げにくく、端部剥離や亀裂の誘因になりやすいため、現場では「目地底に付けない仕組み」を意識的に作ります。muraitoso+1
また、ボンドブレーカーとバックアップ材は厳密には使い分けがあり、深い目地ではバックアップ材、浅い目地ではボンドブレーカーを貼る、といった整理も紹介されています。
参考)【コーキング】2面接着と3面接着の違いとは?それぞれのメリッ…
実務でのポイントを短くまとめると、次の3つです。
設計・施工の資料としては、目地幅設計の章で「3面接着の防止」などの配慮事項が明記されており、設計側のチェック観点にもなります。
参考:目地幅設計・3面接着の防止(技術資料の「目地幅の設計」「その他」)
シーリング
検索上位で「材料の種類」や「施工手順」は多く語られますが、現場で意外と見落とされやすいのが、仕上げの断面が“薄い層”を作ってしまう問題です。薄い部分のシーリング材が固まらない「薄層未硬化現象」について、マスキングテープを目地から離して貼ることで端部が薄くなり、未硬化が起こり得るという解説があります。
さらに、ヘラ形状に合わせて中途半端な位置にマスキングを貼ることが薄層を作る要因になり得る、という指摘もあり、これは材料選定より“手順と道具”の問題として再現性が高い不具合です。
参考)薄すぎてシーリング材が固まらない!「薄層未硬化現象」とは?
また、薄層未硬化が起こりやすい材料として、2成分形の変成シリコン系などが挙げられており、材料特性と施工断面が噛み合うと不具合が表面化しやすい点は、仕様決めや施工教育に使える知見です。
ここは現場の管理ポイントに落とし込むと、再発防止が進みます。
同じ「未硬化」でも、攪拌不足や配合ミスのような材料側の問題と、薄層形成のような施工側の問題は、是正策がまったく違います。だからこそ、写真管理や立会い時は「プライマー缶」や「材料ロット」だけでなく、マスキング位置と断面(肉厚)もチェック項目に入れると、後戻りが減ります。hnt-net+1

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