

コンクリートの漏水は、表面の見えるひび割れだけでなく、内部の毛細管空隙を通る「水の連続経路」ができたときに起きやすくなります。躯体防水材(コンクリート混入型)の整理資料では、防水のメカニズムとして「空隙の充填による緻密化」「撥水性付与」「水酸化カルシウムと反応してゲル生成(空隙充填)」「不溶性化合物化による水密化」など、材料系統ごとに整理されています。こうした考え方は、液体防水混和剤が“塗膜の防水”ではなく“躯体内部の水密化”を狙う理由を説明するのに有効です。
液体系の具体例として、アスファルトエマルション系(例:ナルファルトC)は、資料上「コンクリート中の水分がエマルションのゲルとなって広がり、余剰水が蒸散しにくい/蒸散してもアスファルト樹脂が残り透水性が低下する」という説明があり、内部の水の挙動に着目している点が特徴です。
参考)製品情報|成瀬化学株式会社
一方、ケイ酸カルシウム・二酸化ケイ素系(例:太平洋NN-Pの整理)は「水酸化カルシウムと結合してケイ酸カルシウムのゲルが生成し、成長が続いて空隙を充填して緻密化する」とされ、化学反応で“詰めていく”発想です。taiheiyo-m+1
現場で誤解されやすいのは、「混和剤を入れたから雨漏りしない」という短絡です。混入型はあくまで“水が通りにくい躯体に近づける”手段で、打設不良(ジャンカ等)や打継ぎ不良を自動で消すものではない、と明記するメーカー資料もあります。
参考)https://naruphalt.com/products/concrete_konwa/images/naruphaltC.pdf
ここを腹落ちさせると、必要な対策が「材料だけ」ではなく「締固め・打継ぎ・養生・ディテール」に及ぶことが見えてきます。
混入型の躯体防水材は、用途が「屋根」「地下外壁」「水槽」などの水密性が求められる部位に整理されており、同じ“躯体防水”でも適用想定が製品ごとに異なります。例えば、一覧表ではアスファルトエマルション系(ナルファルトC)は「屋根・地下外壁・水槽・その他(基礎、床など)」とされ、投入方法は「現場」、ひび割れ自閉性は「なし」と整理されています。
同じ表で太平洋NN-Pは「地下外壁・水槽」、投入方法は「生コン工場」、ひび割れ自閉性は「あり」とされ、運用や期待効果の置き方が変わることが分かります。
実務上は「どこに効かせたいか」を先に決めるのが合理的です。例えば地下外壁で“外防水層の補完”として使うのか、屋根スラブで“雨掛かり時の吸水抑制”を狙うのかで、要求性能(透水係数、浸透深さ、長さ変化、強度比など)の見方が変わります。
また、水槽は「混入型だけで完結」なのか「別途防水層が必要」なのかが製品により整理されているため、ディテール段階での読み落としが致命傷になり得ます。
意外と盲点なのは、採用時の“法規・扱い”です。資料では「躯体防水材はJIS規格がなく、レディーミクストコンクリートに使用する場合、指定建築材料として扱えない」「採用を検討する際には、あらかじめ行政に確認する必要がある」と注意書きがあります。
つまり、現場が「材料の性能」だけで押し切るのではなく、設計・確認申請・監理の流れの中で根拠を揃える必要があります。
液体防水混和剤は「どこで、どう入れるか」が性能再現性に直結します。一覧表では、製品ごとに「生コン工場」「現場」など投入方法が区別され、同時に混入量も「kg/m3」「セメント量×○%」「セメント100kg当たり○L」など、管理単位が異なります。
ナルファルトCは、表の整理でコンクリート厚350mm未満は生コン1m3当たり10kg、350mm以上は6kgといった目安が示され、厚み条件で混入量を変える設計思想が見えます。
ただし、混入量は“増やせば効く”ではなく、ワーカビリティーや仕上げタイミングを変えてしまう場合があります。ナルファルトCのPDFでは「ブリーディングが少ないのでタンピング、木ゴテ押えは早めに行う」など、施工の手順側を調整する注意が書かれています。
さらに「ジャンカ、豆板、コールドジョイントの発生を無くす効果はありません」と明記されており、締固め不足や打継ぎ管理を材料のせいにできない点が重要です。
“混和剤=化学混和剤”として扱う場合は、規格の視点も役立ちます。JIS A 6204では、化学混和剤を「界面活性作用及び/又は水和調整作用によって、コンクリートの諸性質を改善するために用いる混和剤」と定義し、塩化物イオン量や全アルカリ量なども管理対象にしています。
参考)()
ただし、躯体防水材は「JISが無い」と整理されることもあるため、JIS適合の有無・同等性の説明方法は製品ごとに確認し、監理者と合意形成してから現場に落とし込むのが安全です。taiheiyo-m+1
現場が欲しいのは「本当に止水できるのか」を示す根拠であり、その出し方は大きく2系統あります。ひとつはメーカー・団体資料で整理される透水性(透水係数、浸透深さ)や長さ変化率、強度比などで、一覧表には条件(水圧、時間)付きでデータが並びます。
例えばナルファルトCは「透水係数:1.2×10-7cm/s(水圧10kgf/c㎡・168時間)」のように、試験条件を含めて記載されており、比較する際は“数値だけ”を切り取らないことが肝です。
もうひとつは、JISを軸にした品質管理の発想です。JIS A 6204はAE剤、高性能減水剤、AE減水剤などの“化学混和剤”を対象に、性能(減水率、ブリーディング、凝結時間差、圧縮強度比、凍結融解抵抗性など)に適合することを求め、塩化物イオン量の区分(I種〜III種)や全アルカリ量(0.30kg/m3以下)も規定します。
液体防水混和剤がこの枠に入るかは製品によりますが、少なくとも「塩化物・アルカリは鉄筋腐食やASR懸念と結びつく管理項目」という整理は、監理者に説明する際の共通言語になります。
現場での実装としては、次のような“確認の段取り”が事故を減らします。
・🧪 受入時:製品ロット、使用期限、推奨使用量、混入タイミング(練混ぜ水に混入か、現場添加か)を確認。taiheiyo-m+1
・🧱 打設前:試験練り(スランプ・空気量・ブリーディング傾向)を確認し、仕上げ開始タイミングのズレを共有。naruphalt+1
・📋 打設時:投入量の記録(m3当たりkg、セメント量比など)と、打設区画のトレーサビリティーを確保。
・🛠️ 打設後:水張り試験や散水など、部位に応じた確認方法を監理者と事前合意(“いつ”“どの水位”“どの時間”で合否かを先に決める)。
検索上位の説明は「水密性が上がる」「自己治癒がある」といった性能寄りになりがちですが、現場で効きやすいのは“施工現象の副作用”を先に潰すことです。液体防水混和剤は、ブリーディング(浮き水)の出方、コテ押えのタイミング、表層の密実性に影響し得るため、従来の段取りで進めると仕上げ不良が起きます。ナルファルトCの資料が「ブリーディングが少ないのでタンピング、木ゴテ押えは早めに行って下さい」と具体的に注意しているのは、その典型です。
また、漏水クレームの多くは「ひび割れ」よりも「打継ぎ」「セパ穴」「貫通部」「打込み不良(豆板・ジャンカ)」といった“弱点ディテール”から始まります。にもかかわらず、材料を入れた安心感で、バイブレーターのかけ方や打継ぎ処理が甘くなると本末転倒です(メーカー資料にも、ジャンカ等を無くす効果はないと明記があります)。
つまり、混和剤は“保険”ではなく“設計・施工が整って初めて効く増幅器”として扱うのが安全です。
意外な落とし穴として、同じ「液体」でも投入管理の単位が製品により違い、現場が日常管理している「m3」なのか「セメント量」なのかでミスが起きます。一覧表には「10kg/m3」「セメント量×5%」「100kg当たり0.45~0.6L」のように混在しているため、現場側で“換算表”を作ってから投入するのが実務的です。
この換算表を作るだけで、計量ミス・ダブル投入・未投入のリスクが一段下がり、監理者への説明も通りやすくなります。
有用:躯体防水材(コンクリート混入型)の種類、メカニズム、混入量、透水性、強度比、投入方法などの一覧
https://www.nikkenren.com/kenchiku/zairyo/pdf/19bosui-konnyu/table19.pdf
有用:JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)の定義、品質項目、塩化物イオン量区分、全アルカリ量、試験方法
https://kikakurui.com/a6/A6204-2011-01.html

Akona コンクリート接着添加剤 液体コンクリート強化剤&接着剤 アクリル 寒冷地での強度アップ コンクリート用混和剤 (ガロン, 1)