
建築現場で使用されるコンセントプレート2連の寸法は、メーカーや材質によって微細な差異があります。以下に主要な寸法規格をまとめました。
パナソニック コスモシリーズワイド21 2連用プレート寸法:
神保電器 J・WIDE SLIM SQUARE 2連用寸法:
コンセントプレート2連の寸法選定では、取付ボックスとの適合性が最も重要です。標準的な2連用ボックス(JIS規格)との組み合わせを前提とした設計となっているため、施工前の寸法確認は必須です。
また、厚さについては配線の収納スペースに直接影響するため、特に既存建物の改修工事では詳細な測定が求められます。一般的に8mm~10mm程度の厚さが標準的ですが、金属製プレートは若干厚くなる傾向があります。
パナソニックのフルカラーシリーズにおけるコンセントプレート2連の寸法仕様は、業界標準として多くの建築現場で採用されています。
ラウンドタイプ 2連用プレート寸法詳細:
スクエアタイプ 2連用プレート寸法詳細:
新金属プレート 2連用特殊寸法:
パナソニック製品の特徴として、プラマイ両用ねじの採用により、施工効率の向上が図られています。また、色調についてはマンセル値で厳密に管理されており、ホワイト(N9.5)、ベージュ(2.2Y7.6/1.6)の標準化が進んでいます。
取付時の注意点として、金属製プレートは熱膨張係数がABS樹脂と異なるため、温度変化の大きい環境では寸法変化を考慮した施工が必要です。特に外気に近い場所での設置では、0.1mm程度の余裕を持った施工を推奨します。
神保電器のJ・WIDE SLIM SQUAREシリーズは、スリムな設計が特徴的な2連用コンセントプレートです。
2ピースコンセントプレート2連用 基本仕様:
神保電器製品の特徴は、高さ寸法が116mmとパナソニック製(70mm)より大幅に長い点です。これは縦配列のコンセント配置に対応した設計で、特に狭小スペースでの施工に適しています。
寸法比較表(主要メーカー2連用プレート):
メーカー | 品番 | 幅(mm) | 高さ(mm) | 厚さ(mm) | 材質 |
---|---|---|---|---|---|
パナソニック | WTF7072W | 120 | 70 | 8.8 | ABS樹脂 |
パナソニック | WN9523 | 120 | 70 | 9.5 | アルミ合金 |
神保電器 | QWD-00 | 120 | 116 | 7.0 | ABS樹脂 |
施工上の注意点として、神保電器製品は専用の取付枠が必要であり、他メーカー製品との互換性がありません。そのため、設計段階での仕様統一が重要です。
また、高さ116mmの寸法は、一般的な2連用ボックス(高さ70mm)との組み合わせでは、上下に大きくはみ出すため、周辺の仕上げ材との取り合いについて事前検討が必要です。
コンセントプレート2連の施工において、寸法精度は電気工事の品質を左右する重要な要素です。現場での実践的なポイントを解説します11。
取付ボックスとの適合性確認手順:
寸法調整が必要な特殊ケース:
施工効率向上のため、事前の寸法確認シートの作成を推奨します。特に大規模建築では、各フロア・各室の個別確認により、後戻り工事を防止できます。
品質管理における寸法許容差基準:
これらの基準値は、建築工事標準仕様書JASS6(電気設備工事)に準拠した数値であり、工事監理における検査項目として重要です。
実際の施工では、温度や湿度の変化による寸法変化も考慮する必要があります。特に金属製プレートでは、線膨張係数(アルミニウム:23×10⁻⁶/℃)により、温度差20℃で約0.06mmの寸法変化が生じます。
コンセントプレート2連の材質による寸法特性の違いは、長期的な使用における安定性や施工性に大きく影響します。
ABS樹脂製プレートの寸法特性:
ABS樹脂は成形時の収縮により、わずかな寸法変化が生じますが、一般的な室内環境では安定した寸法を維持します。ただし、直射日光や高温環境では変形リスクがあるため注意が必要です。
アルミニウム合金製プレートの寸法特性:
金属製プレートは初期寸法精度が高く、経年変化も少ないのが特徴です。ただし、熱膨張による寸法変化は樹脂製より大きいため、温度変化の激しい環境では考慮が必要です。
ステンレス製プレートの寸法特性:
ステンレス製は最も寸法安定性に優れており、食品工場や医療施設など衛生性が重視される環境で採用されます。
材質別寸法許容差一覧:
材質 | 外形寸法許容差 | 穴径許容差 | 厚さ許容差 | 平面度 |
---|---|---|---|---|
ABS樹脂 | ±0.2mm | ±0.1mm | ±0.15mm | 0.3mm |
アルミ合金 | ±0.1mm | ±0.05mm | ±0.1mm | 0.1mm |
ステンレス | ±0.1mm | ±0.05mm | ±0.05mm | 0.05mm |
施工時の材質選定では、使用環境と要求品質に応じた適切な判断が重要です。一般住宅では樹脂製、商業施設では金属製、特殊環境ではステンレス製という使い分けが一般的です。
また、異なる材質のプレートを同一建物で使用する場合は、外観の統一性と施工の標準化を考慮し、事前に詳細な仕様検討を行うことを強く推奨します。