m20ナット寸法一覧と六角ナット規格

m20ナット寸法一覧と六角ナット規格

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m20ナット寸法一覧

m20ナット基本寸法
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対辺寸法

30mm(JIS規格基準値)

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厚み寸法

16mm(基準値)

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ねじピッチ

2.5mm(並目ねじ)

m20ナットのJIS規格寸法詳細

m20ナットの寸法は、JIS B 1181「六角ナット」規格により厳格に定められています。建設現場で使用されるm20ナットの基本寸法は以下の通りです。

 

基本寸法一覧表

項目 寸法 許容差
対辺寸法(s) 30mm 0 -1.0mm
厚み(m) 16mm 0 -0.84mm
ねじピッチ(P) 2.5mm -
最小厚み(m1) 12mm -
外接円直径(e) 34.6mm

m20ナットは並目ねじ(ピッチ2.5mm)が標準仕様となっており、細目ねじ(M20×1.5)も存在しますが、建設現場では並目ねじが一般的に使用されています。

 

JIS規格では、ナットの仕上げ程度は「中」に分類され、製造時の寸法精度や表面粗さが規定されています。特に対辺寸法30mmは、使用する工具のサイズ選定に直結する重要な数値です。

 

m20ナット対辺寸法と工具選定

m20ナットの対辺寸法30mmは、施工時の工具選定において最も重要な要素です。建設現場では以下の工具が一般的に使用されます。

 

使用工具一覧

  • スパナ:30mm
  • ボックスレンチ:30mm
  • ソケットレンチ:30mm
  • インパクトレンチ用ソケット:30mm

対辺寸法の許容差は0~-1.0mmと規定されており、実際の製品では29.0mm~30.0mmの範囲内に収まります。この許容差により、工具との嵌合に若干の余裕が生まれ、作業性が向上します。

 

ただし、長期間使用された工具や精度の低い工具では、ナットの角部が損傷する可能性があります。特に高強度ボルト接合部では、ナットの変形が接合性能に直接影響するため、適切な工具の選定と管理が不可欠です。

 

厚み寸法16mmは、ナットの強度確保と工具のアクセス性のバランスを考慮して設定されています。最小厚み12mmは、ねじ山の有効長さを確保するための最低限の値です。

 

m20ナット材質と強度等級

m20ナットの材質選定は、使用環境と要求される強度に応じて決定されます。建設現場では主に以下の材質が使用されています。

 

主要材質と用途

  • 普通鋼(SS400相当):一般構造用
  • 高強度鋼(S45C等):高力ボルト接合用
  • ステンレス鋼(SUS304/316):耐食性要求部位
  • 溶融亜鉛めっき品:屋外使用

強度等級は、ボルトとの組み合わせで決定されます。m20高力ボルト(F10T)を使用する場合、ナットも同等の強度等級(10T)が要求されます。この組み合わせにより、設計で想定された接合性能が確保されます。

 

材質証明書や検査証明書の確認は、建設現場における品質管理の重要な要素です。特に重要構造物では、ロット管理と材質証明書の保管が義務付けられています。

 

また、海岸部や化学プラント等の腐食環境では、ステンレス製や特殊コーティング品の使用が推奨されます。これらの特殊品は寸法が標準品と同一でも、材質による強度特性の違いを理解した上で使用する必要があります。

 

m20ナット施工時のトルク管理基準

m20ナットの施工において、適切なトルク管理は接合性能の確保に直結する重要な要素です。JISやJASS等の規格に基づいた管理基準を遵守する必要があります。

 

標準トルク値(参考値)

  • 普通ボルト接合:180~220N·m
  • 高力ボルト接合:360~400N·m
  • 締付け確認トルク:設計値の80~90%

トルク管理では、初期締付け、本締付け、締付け確認の3段階で実施します。初期締付けでは設計トルクの30~50%程度で全数を締付け、本締付けで設計値まで上げ、最後に確認トルクで全数検査を行います。

 

施工時の環境条件もトルク値に影響を与えます。気温が低い場合は材料の収縮により、高い場合は膨張により、実際の軸力が設計値から乖離する可能性があります。このため、現場での試験締付けによる校正が重要です。

 

トルクレンチの校正は、使用前に必ず実施し、校正証明書の有効期限を確認します。デジタル式トルクレンチの場合、バッテリー残量や表示部の汚れも測定精度に影響するため、日常点検が欠かせません。

 

m20ナット品質検査と現場管理のポイント

建設現場におけるm20ナットの品質管理では、材料受入検査から施工完了まで一貫した管理体制が求められます。品質管理の要点を段階別に整理します。

 

受入検査項目

  • 寸法検査(対辺、厚み、ねじピッチ)
  • 材質証明書の確認
  • 表面処理状態の目視確認
  • 数量確認と保管方法の適正化

現場保管では、湿気や塩害を避けるため、屋内保管が基本です。やむを得ず屋外保管する場合は、防水シートで完全に覆い、地面から離して保管します。また、異なる材質や強度等級の混在を防ぐため、明確な区分管理が必要です。

 

施工中の管理では、ナットの回転不良や異音の有無を確認します。ねじ山の損傷や異物の付着は、設計軸力の導入を阻害する要因となります。特に再使用品については、ねじ山の摩耗状況を入念にチェックし、規定値を超える摩耗が認められた場合は使用を中止します。

 

完成検査では、目視による締付け状況の確認に加え、打音検査やマーキング検査を実施します。長期間経過後の点検では、腐食の進行状況や緩みの有無を定期的に確認し、必要に応じて増し締めや交換を行います。

 

品質記録の保管は、構造物の維持管理において重要な資料となります。使用材料の履歴、施工記録、検査結果を体系的に整理し、将来の改修工事や点検作業に活用できる形で保存することが求められています。