

枡内(ますない)とは、建築・土木の業界において排水設備に設置される四角柱や円柱状の構造物の内部空間を指します。枡は水を溜めたり、汚水や泥を沈殿させる機能を持ち、私たちの生活する住宅や道路など様々な箇所で使用されている無くてはならない存在です。
参考)https://xn--yyv.com/masu_page/
排水枡は家の各所(キッチンや浴室・トイレなど)から排出された汚水などが排水管を通って外に出される経路の途中に設けられており、点検や清掃のために設置されています。一般的には排水と排水の合流地点などに設置され、家の外周部にいくつか設置されているのが特徴です。
参考)https://ie-manabiba.jp/topics/8284/
排水枝の役割は「マンホール」とほぼ同じですが、この2つの違いは深さで、排水枡の場合は1m前後、マンホールはさらに深く10m以上のものもあります。かつてはコンクリート製の排水枡が主流でしたが、現在はより施工しやすく耐久性の強い塩ビ(塩化ビニル)という素材が使われています。
参考)https://meetsmore.com/services/sewer-pipe-cleaning/media/84996
排水枡は建物敷地に敷設された排水管の合流部や屈曲部に設置される構造物で、一般に円筒形で蓋が付いています。設置場所は排水管の繋ぎ目や曲がっている部分など、汚れやゴミが溜まりやすい場所に設けられており、ふたを開けるだけで簡単にメンテナンスが行えます。
参考)https://smtrc.jp/useful/glossary/detail?n=3958
住宅施設内の各排水を一時的に貯留したり不純物を沈殿させて水だけを流すために使用され、道路排水を一時的に溜めたり側溝内のゴミや泥を溜めて側溝が詰まることを防ぐ役割で使用されます。排水枡内の中には、キッチンから流れた食べカスや油分、そのほかホコリや泥などが蓄積されていくため、基本的に自宅の敷地内にある排水管は自分で管理しなくてはなりません。
コンクリート桝は正しくは構造材の呼称であり、「集水桝」「汚水桝」など用途に分けて名称が異なります。集水桝・汚水桝ともにコンクリート製が主流ですが、近年はレジコン(レジンコンクリート)桝で軽量化と耐薬品性を両立しているケースも増えてきています。
排水枡は用途によって主に以下の種類に分類されます。雨水枡は建物の敷地内における雨水排水システムの重要な構成要素で、雨水の効率的な排水と排水システムの維持管理に不可欠な役割を果たしています。雨水枡には浸透式と非浸透式があり、浸透式は地面から地中に雨水を染み込ませて処理するもの、非浸透式は下水につながる排水管に接続されるものです。
参考)https://www.homes.co.jp/words/a3/525003802/
汚水枡は排水枡の一種で、お風呂やキッチンなどの家庭内の排水管を接続する枡を指します。基本的に排水枡と言えば汚水枡のことを指すことが多く、排水枡は排水管と排水管を接続するために使用され、家から出ている排水管と道路に流す排水管の中間地点になります。
参考)https://www.suidou.org/tblog/23290/
トラップ枡は洗面所や洗濯機、キッチンなどの雑排水が集まる枡で、泥水や混合物などを沈殿させて上澄みの排水だけを流す働きがあります。公共枡は敷地内の排水が全て合流する枡のことで、合流した排水は道路の下に埋まっている下水道本管へと流れていきます。
参考)https://jsgt.jp/column/other/osuimasu/
地中にある排水設備のメンテナンスについては、原則的に公共枡がメンテナンス上の境界線であると考えて問題ありません。建物と下水道に繋がるマンホールの間にあり、一番道路側の枡が公共枡に該当し、蓋には「公共枡(ます)」と書かれて分かりやすいものもあります。
参考)https://oo-ya.jp/about/d103/
公共汚水枡の設置については、各自治体の道路状況等により私有地(宅地)内において各家庭の排水設備と公共下水道管との接点として設置され、取付管と共に公共下水道施設として町で維持管理を行うものとされています。汚水枡は1敷地当たり1個とし、設置場所は道路境界から民地側1.0m以内(道路境界から枡縁まで0.3m程度を標準)に設置するのが一般的です。
参考)https://www.town.kawai.nara.jp/section/reiki/reiki_honbun/k435RG00000646.html
公共枡の管理・メンテナンスは行政が行ってくれるため私たちが行う必要はありませんが、それより内側の枡や設備のメンテナンスをしっかり行い、入居者が快適に暮らせる環境を保つ必要があります。公共枡が敷地よりも高い位置にあると物理的に排水を放流することができず、やむを得ず汲み取り式になっていたりポンプを用いて排水していることがあります。
参考)https://f-mikata.jp/haisuikan-chosa/
排水枡の定期的なメンテナンスは、詰まりや臭いの原因を除去し、排水効率を保つために不可欠です。メンテナンスを怠ると、詰まりによる水の流れの悪化や、放置すると桝自体が陥没してしまうこともあります。
排水枡をつまらせないためには、定期的な点検・清掃メンテナンス、また場合によっては修理・交換が必要で、清掃による排水枡のメンテナンスは少なくとも1年に1回程度はおこなうのがオススメです。新築の場合には家を建ててから5年以内に1回は点検・清掃をしましょう。
不動産取引における重要な注意点として、敷地内に公設桝があったので本下水であると重要事項説明をして取引をしたところ、その建物は個別浄化槽使用中だったという事例があります。このような事態を避けるため、不動産従事者は排水設備の状況を正確に把握し、公共枡の位置や接続状況を確認することが重要です。
参考)https://magazine.zennichi.or.jp/research/510
側溝もよく見ると段差や勾配異常が見受けられる場合があり、側溝の下は転圧が不十分でコンクリート製側溝を置いただけという場合もあります。汚水枡や排水管が破損している場合は業者しか対応できないため、信頼できる業者に相談するようにしましょう。
参考)https://gaihekishinwa-suita.com/column/haisuimasu-2.html
一般にコンクリート製の排水枡の場合、耐久年数は15〜30年とされており、劣化が進むとひび割れが起こり土砂の堆積や植物根の侵入を招き詰まりの原因となります。ひび割れ箇所から排水が桝外部の土壌を侵食し、放置すると桝自体が陥没してしまうこともあるため、物件管理者は定期的な点検が必要です。
参考)https://www.odei.jp/lp02/column/825/
三井住友トラスト不動産「雨水枡とは|不動産用語集」
排水枡の基本的な定義と設置目的について詳しく解説されています。
大家の味方「排水設備のメンテナンス範囲は公共枡を堺に区別して考える」
公共枡を境界とした管理責任の区分について、実務的な観点から説明されています。
ミツモア「排水桝(ます)とは?基本的な構造から掃除メンテナンス方法」
排水枡の構造とメンテナンス方法について、初心者にもわかりやすく解説されています。