水道管水漏れ費用の相場と修理業者選びのポイント

水道管水漏れ修理の費用相場

水道管修理の基本料金体系

水道管の水漏れ修理費用は、基本的に「基本料金＋作業費＋部品代」の3つで構成されます。ミツモアの成約価格データによると、2024年の水道管修理の成約価格は7,500円～13,200円が中心的な相場となっています。基本作業費(点検・部品交換含む)は1万2千～1万5千円が一般的で、これに出張費や部材費が加算される仕組みです。
参考）https://meetsmore.com/services/water-leakage/media/85494
​
修理内容によって費用は大きく変動します。最も多いパッキンの劣化による水漏れの場合、パッキン交換のみで済めば8,000円～12,000円程度で修理できます。一方、蛇口やパイプの交換が必要になると15,000円～30,000円程度に上がります。建築業従事者として知っておくべきは、簡単なパッキン交換であれば5,000円前後で請け負う個人経営の水道業者も存在するという点です。
参考）https://suido-hikaku.com/column/water-leak-cost/
​
水道修理業者の料金内訳は透明性が重要です。技術料は通常6,000円(労務費1時間/人)×作業員数で算出され、諸経費は工事金額の15％程度が標準的です。費用は多めに見積もっておくことをお勧めします。パッキン交換で8,000円、アングル止水栓や給水管の交換が必要なら15,000円くらいを想定しておくと安心です。
参考）https://leon-maintenance.com/2021/12/22/how-much-does-it-cost-to-repair-a-water-leak-from-a-water-pipe/
​

水道管水漏れ箇所別の費用相場

水漏れ箇所によって修理費用は大きく異なります。配管のSトラップは8,400円～11,000円、給水管と排水管はそれぞれ10,000円～13,200円が相場です。トイレ関連では、給水管が5,500円～8,800円、止水栓が7,700円～10,000円、手洗管が5,500円～8,800円となっています。洗濯機周りでは給水側が8,400円～10,780円、排水側が8,200円～11,000円です。​
屋内の水道管修理は2万円前後が相場ですが、床下や壁の中など隠れた配管を修理する場合は3～5万円ほどの費用が必要になります。壁内配管の修理は2～5万円(調査費＋補修工事)、床下配管の修理は3～8万円(床板撤去・復旧費含む)が目安です。特に注意が必要なのが屋外配管の修理で、地面掘削が必要な場合は5～15万円と高額になる傾向があります。
参考）https://rehome-navi.com/articles/3464
​
緊急対応が必要な場合、深夜や休日対応時には通常料金の25％程度の割増料金が発生します。建築現場で水漏れトラブルが発生した際、時間帯によって費用が大きく変わることを念頭に置いておく必要があります。キッチンやトイレの水漏れ修理は1万～3万円、お風呂は1万～6万円が一般的な相場です。​

水道管破裂時の高額修理費用

水道管が破裂した場合の修理費用は、破損の程度によって2万円～15万円と幅広く変動します。パッキン交換のみで済む軽度な破損なら2万円程度ですが、状況によっては15万円を超えることもあります。クラシアンでは配管破裂や漏水のような修理・交換工事を作業料金42,350円(税込)から対応していますが、現場の状況確認と見積もりが必須です。
参考）https://www.qracian.co.jp/column/exterior/6702/
​
破裂修理で費用が高くなる要因として、広範囲の工事が必要な場合は資材費と人件費が増加する点が挙げられます。特に床下や壁内の配管は、床板撤去や壁の解体が必要になるため、復旧費用も含めて高額になりやすいです。屋外の水道管であっても、コンクリートの上や深く地面を掘る必要がある場所では、掘削料金が別途発生します。
参考）https://suido-hikaku.com
​
水道管破裂を放置すると、水漏れによる水道代の増加だけでなく、壁や床でのカビの発生や腐食、床下浸水など予期せぬ二次被害が発生する可能性があります。集合住宅での階下漏水であれば損害賠償まで発生しかねないため、すぐに修理を依頼することが重要です。建築業従事者としては、二次被害による追加費用を避けるためにも、初期段階での適切な対応が求められます。​

水道管修理費用を抑える方法

修理費用を安く抑えるコツとして、まず複数の業者から相見積もりを取ることが基本です。地域密着型の業者は大手よりも料金が安い傾向があり、特に個人経営の信用の高い水道業者を探すと良いでしょう。見積もりや出張費が無料かどうかは依頼前に必ず確認すべきポイントです。
参考）https://www.qracian.co.jp/column/waterworks/9717/
​
水漏れ箇所によっては自分で応急処置ができる場合もあります。止水栓を閉める、ナットを締める、補修テープを巻くなどの簡単な応急処置は、専門知識がなくても実施可能です。ただし、これらはあくまで一時的な対処法であり、根本的な解決には専門業者による修理が必要です。応急処置により被害の拡大を防ぐことで、結果的に修理費用を抑えられる可能性があります。
参考）https://mizutrouble.biz/column/water/6410.html
​
部品交換が必要な場合、蛇口の種類や機能によって料金が大きく異なるため、どの種類の蛇口に交換するかを慎重に検討することも費用削減につながります。また、水道局指定工事店に依頼することで、後述する水道料金の減免制度を利用できる可能性が高まります。特に水道管に問題がある場合は指定業者以外の対応は禁じられており、非指定業者に依頼すると減免制度が利用できなくなるリスクがあります。
参考）https://mk-clean.com/water/water-leak-where-to-ask/
​

建築業者向け水道管修理の実務知識

建築業従事者として押さえておくべき実務知識として、水道管の耐用年数があります。近年主流の材質であれば約40年程度が一般的ですが、材質によって異なります。亜鉛メッキ鋼管は15～20年(1978年4月以降使用禁止)、ステンレス鋼管は30～40年、硬質ポリ塩化ビニル管は20～25年、ポリエチレン管は30～40年です。現在よく使用されるポリエチレン管は、加工がしやすく耐震性・耐熱性に優れています。
参考）https://renovation-r.co.jp/knowledge/trivia/water-pipe-replacement-subsidy
​
水道管の劣化症状として、水漏れの発生、赤水や異臭の発生、配管の膨張・変形・ひび割れ、排水不良と詰まりなどがあります。特に見た目では判断できない内部の劣化は、建物の経年とともに静かに進行するため、定期的な点検が重要です。配管が長期間にわたり水圧や温度変化にさらされることで表面が膨らんだり変形する場合があり、放置すると破裂するリスクがあります。
参考）https://hitonasu.co.jp/information/%E6%B0%B4%E9%81%93%E7%AE%A1%E3%81%AE%E8%80%81%E6%9C%BD%E5%8C%96%E3%81%8C%E6%8B%9B%E3%81%8F%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E7%97%87%E7%8A%B6/
​
水道管修理の現場では、漏水調査から修理までワンストップで対応できる業者を選ぶことが効率的です。音調棒による漏水調査は無料で提供している業者もあります。建築現場での配管工事では、施工不良や配管工事の際のミスが後々の水漏れの原因となることがあるため、施工時の品質管理が極めて重要です。
参考）https://water-support-center.suidou-shuri.com/area/general-osusume/low-price-leakage-investigation-meyk/
​

水道管水漏れ時の業者選び

水道局指定工事店の重要性

水漏れ修理を依頼する際、水道局指定工事店に指定されていることは必須条件です。水道局や市役所の上下水道課のサイトにも「水道局指定工事店に依頼してください」と明記されています。蛇口のパッキン交換程度であればどの業者でも問題ありませんが、水道管に問題がある場合は指定業者以外の対応は禁じられています。​
水道局指定業者は国家資格保持者による管理・監督がされており、難しい水まわりトラブルにも対応できる一定の技術レベルが保証されています。非指定業者に依頼した場合、水道局に発覚するとやり直しの工事が義務付けられる可能性があります。さらに、水漏れで水道代が高額になった際の減免制度を利用できなくなるという重大なデメリットがあります。​
修理ができなくても出張費を取られる場合もあるため、事前の確認が重要です。本来は水道局指定業者でなければできない工事を非指定業者が行うと、水道を止められるなどのペナルティが科される可能性もあります。建築業従事者として、施主や現場で水道修理が必要になった際は、必ず水道局指定工事店かどうかを確認する習慣をつけるべきです。​

優良業者の見極めポイント

優良業者を見極めるポイントとして、まず事前見積もりと説明が丁寧であることが挙げられます。作業に関する明快・明朗な料金を事前提示してくれること、納得いくまで説明してくれることが非常に重要です。あいまいなまま作業を依頼すると、後で想定外の請求をされる可能性があります。見積もりや出張費が無料かどうかは依頼前に確認しましょう。​
誠実な対応力があり経験・実績が豊富であることも重要な判断基準です。問題を起こすと屋号を変えてしまう業者もいるため、会社の歴史や実績をチェックする必要があります。会社のホームページで対応実績や取引先情報を確認してください。電話対応や訪問時の挨拶などからも、その会社が誠実かどうかは感じ取れるでしょう。​
地域密着型の業者の中から選ぶことも有効な戦略です。駆けつけにかかる時間は業者選びのポイントの一つであり、地元の業者であれば緊急時の対応が迅速です。サービスが充実していることや実績豊富で口コミ高評価であることも確認すべき項目です。特に水漏れが水道管の場合は修理代が高額になるため、じっくり検討して適正価格で必要な箇所のみの修理をする業者を選びましょう。
参考）https://suido-hikaku.com/column/water-supply-repair
​

水道管水漏れ修理依頼時の注意点

水道修理を依頼する前に、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。まず、作業前に必ず現場の状況を確認してもらい、詳細な見積もりを取ることが重要です。水漏れの原因は現場を調査してみないと分からないため、相場の料金はあくまでも目安と考えるべきです。ご契約に至らなければ費用は発生しない業者を選ぶと安心です。​
料金体系の内訳を明確に説明してもらうことも大切です。基本料金、作業費、部品代、出張費などの各項目が明示されているか確認しましょう。特殊機材(トーラーや高圧洗浄機など)を使用する場合は追加料金が発生するため、事前に確認が必要です。また、使用するホースの長さが長くなるほど料金が加算される高圧洗浄の場合もあります。
参考）https://www.takusanediciones.com
​
悪質な業者を避けるためには、複数の情報源を活用した業者選びが重要です。ネット上の情報で水道局指定工事店に指定されているか、地域密着型の業者か、サービスが充実しているか、実績豊富で口コミ高評価かを確認できます。訪問時作業前見積と電話相談を無料で実施している業者を選ぶと、後々のトラブルを避けられます。
参考）https://my-best.com/5964
​

水道管水漏れ発見時の初動対応

水漏れを発見した際の初動対応は、被害の拡大を防ぐために極めて重要です。まず最初に行うべきは止水栓や元栓を閉めることです。理由は、見えない箇所に浸水する可能性があることや、修理作業時の妨げになること、そして水道料金の上昇を防ぐためです。止水栓は水道の蛇口やトイレのタンク等につながっている配水管の途中にあるハンドル式またはネジ式の栓です。​
元栓は多くの場合において水道メーター付近にあり、レバーハンドルを閉めるだけですが、閉めている限りはすべての水が止まることに注意しましょう。トイレや洗面所などで水漏れする場合は止水栓を閉めるのが有効ですが、天井裏や床下といった箇所からの水漏れは元栓を閉める必要があります。止水栓を閉めることは、その箇所だけ水を止められるのに対し、元栓を閉めることはすべての水を止めるという違いがあります。​
応急処置として、水漏れ補修テープや止水パテを使用する方法があります。水漏れ補修テープは水に濡らして巻き付けることで硬化し、一時的に水漏れを止める効果があります。止水パテは粘土のように練ってから水漏れ箇所に押し当てて使用します。作業前に水漏れ箇所とその周辺をよく拭き、乾燥させてから使用することが重要です。
参考）https://hifumi-reform.com/news/blog/4631
​

建築現場での水道管トラブル予防策

建築現場での水道管トラブルを予防するには、配管の耐用年数を考慮した計画的な交換が重要です。水廻りのリフォームは築15～20年くらいで検討されることが多く、住宅で使われている設備品の多くが耐用年数10年～15年だからです。特にマンションなどでは漏水が発生すると下階に迷惑をかけ大きなトラブルに発展するため、早めの計画が必要です。
参考）https://yellhouse.jp/blog/mansyon-suidoukandaijoubu/
​
水道管の凍結防止も重要な予防策です。水道管に凍結防止帯を巻きつけておく、保温材や分厚いタオルで外気をシャットアウトする、蛇口をひねって水を出しっぱなしにしておくなどの方法があります。寒冷地では凍結防止帯が最初から設置してありますが、寒波が予想される際は数千円程度で購入できる凍結防止帯の設置を検討すべきです。
参考）https://www.sekisui-ind.co.jp/column/kyusui/post-2262
​
定期的な点検と早期発見が被害を最小限に抑える鍵となります。配管の老朽化は外観からはわかりにくいケースが多く、特に屋内に埋設された配管や壁内を通る配管は普段の生活では視認できない位置にあります。表面がきれいに見えても内部では腐食が進み、トラブルの前兆が潜んでいることも珍しくありません。建築業従事者として、施工時の品質管理と定期メンテナンスの重要性を認識し、施主に適切にアドバイスすることが求められます。​

水道管水漏れの保険と減免制度

水道料金減免制度の適用条件

水漏れによって水道代が高額になった場合、条件に当てはまると減免申請が認められます。減免制度の一般的な適用条件として、使用者に過失がないこと、地中や壁の中など発見が難しい箇所からの水漏れであること、水漏れ箇所の修繕工事が完了していることの3つが挙げられます。適切な使い方やお手入れをしていたのに水漏れが発生した場合は、水道代が減免される可能性があります。
参考）https://www.sharing-tech.co.jp/mizu/water-bills/
​
水漏れ箇所が地中や床下、壁の中の給水管など発見が難しい箇所からの水漏れであることも条件になっていることが多いです。蛇口からの水漏れなど、すぐに発見できるような箇所からの水漏れは適用外のことがあるため注意しましょう。基本的に水漏れ箇所の修繕工事が完了していないと減免の申請はできず、お住まいの地域の水道局指定工事店による修繕であることが条件になっている自治体も多いです。​
蛇口より先が原因の水漏れは使用者の責任であり、減免申請が認められないことが多いです。設備の水漏れの場合は減免申請を出しても適用されず、水道代を払わなくてはならないことが多いため、水漏れが起こっている間は水道代が膨らんでしまいます。単純に「水漏れの発覚や修理が遅れてしまった」だけでは減免の対象になるのは難しい可能性があります。
参考）https://meetsmore.com/services/water-leakage/media/106926
​

水道料金減免の申請方法

水道料金の減免申請は、漏水修繕工事が完了した後に行います。「水道料金漏水減免申請書」をダウンロードして必要事項を記入の上、修繕工事を行ったことを確認できる書類(漏水修繕工事の領収書など)を添えて提出します。倉敷市の例では、水道料金等減額申請書を水道事業管理者へ提出することが必要です。
参考）https://www.suidou-aichichubu.or.jp/okyakusama/ryokin/ryokin-guide/guide05
​
申請時の注意点として、修理代は自己負担となることを理解しておく必要があります。また、非指定業者に依頼した場合、水道局に発覚すると減免制度を利用できなくなるリスクがあります。減免制度を確実に利用するためには、必ず水道局指定工事店に修理を依頼することが重要です。
参考）https://okayama-suido-pro.com/column/17101/
​
減免の対象となるのは主に地中や壁の中の給水管などの使用者が気づきにくい場所での水漏れや、自然災害などによる水漏れです。排水管つまりの場合は水道料金の減免申請ができないことにも注意が必要です。水道局への減免申請は給水側の水漏れにより水道料金が上がってしまった場合に行なうものであり、排水側のトラブルは対象外です。
参考）https://www.smile24.co.jp/useful/mizumore/mizumore-shitsunai-okugai-repair/
​

火災保険の適用範囲

水道管の破裂や水漏れによる修理費用は、条件次第で火災保険が適用される可能性があります。専用部分に配置された水道管であれば修理費用は自己負担になりますので、火災保険が適用されるか確認しましょう。水漏れが発生したら安全確保と応急処置を行い、まずは二次被害を防ぐため水道の元栓を閉めるなどの応急処置を実施します。
参考）https://rescue.epark.jp/columns/suidou/suidou-mizumore/2102
​
その後、速やかに加入している保険会社へ連絡することが重要です。火災保険の補償範囲は契約内容によって異なるため、事前に保険証書を確認しておくことをお勧めします。建築業従事者として、施主に対して火災保険の適用可能性について助言できるよう、基本的な知識を持っておくことが望ましいです。
参考）https://toiretumari-center.com/p_suidou/leak-water-bill/
​
賃貸住宅にお住まいの方のケースでは、責任の所在によって対応が変わります。専有部分の水道管であれば入居者の責任、共用部分であれば管理組合や大家の責任となることが一般的です。水漏れで水道代が高額になった場合の免除方法や火災保険が利用できるかどうか、また賃貸住宅のケースについても理解しておくことで、適切なアドバイスができます。​

水道管水漏れによる二次被害への備え

水道管の水漏れを放置すると、さまざまな二次被害が発生するリスクがあります。水漏れによる水道代の増加だけでなく、壁や床でのカビの発生や腐食、床下浸水など予期せぬ被害が広がります。集合住宅での階下漏水であれば損害賠償まで発生してしまう可能性があるため、早期の対応が不可欠です。​
二次被害を防ぐための備えとして、定期的な点検とメンテナンスが重要です。水道管の老朽化は漏水や破裂といった予期せぬトラブルの原因になり、気づきにくい初期症状や劣化のサインを見逃さないことが被害を最小限に抑えるポイントです。建物の経年とともに静かに進行する内部の劣化は、外観からはわかりにくいため、専門家による定期点検が推奨されます。​
建築業従事者として、施主に対して予防保全の重要性を説明することも重要な役割です。配管の素材や工法によって劣化の進行具合は異なりますが、使用年数が長い配管では金属部品の腐食、接合部のゆるみ、パッキンの硬化など目に見えない部分での劣化が原因となって水漏れや破損につながるケースが多くあります。法令上の減価償却の計算期間は15年、官庁営繕基準では管の種類により20～30年となっていることを参考に、計画的な交換を提案すべきです。​

建築業従事者が知るべき水漏れ対応の法的知識

建築業従事者として押さえておくべき法的知識として、水道法に基づく水道局指定工事店制度があります。水道管に問題がある場合は指定業者以外の対応は禁じられており、これに違反すると水道を止められるなどのペナルティが科される可能性があります。施工時の品質管理が不十分で後々水漏れが発生した場合、施工不良や配管工事の際のミスとして責任を問われる可能性もあります。​
水道管の耐用年数に関する法的基準も理解しておく必要があります。減価償却上の耐用年数は水道管の場合約40年とされていますが、実際の使用可能年数とは異なる場合があります。給水管・排水管全体を交換する場合は250,000円～500,000円が相場であり、大規模なリフォーム時には施主に対して適切な予算計画を提示する必要があります。
参考）https://www.homepro.jp/kitchen/kitchen-cost/13228-ac
​
賃貸物件における水漏れ対応では、責任の所在が重要な法的問題となります。専有部分と共用部分の区分、使用者の過失の有無、適切なメンテナンスの実施状況などが判断基準となります。建築業従事者として、設計・施工段階から将来的なメンテナンスや責任の所在を明確にしておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。​

水道管水漏れの原因と予防

水道管水漏れの主な原因

水道管からの水漏れは様々な要因によって引き起こされます。最も一般的な原因の一つは水道管の材質劣化です。長年の使用により、金属製の水道管はサビや腐食が進み、亀裂が生じやすくなります。特に古い建物では鉛管や鉄管が使われている場合があり、これらは経年劣化が進みやすい傾向があります。​
気温が低下する冬場には水道管が凍結し破裂するリスクが高まります。凍結は特に屋外や断熱材が不十分な場所にある水道管で発生しやすくなります。水道管の劣化によりサビが起こりますので、注意したほうがいいでしょう。穴や亀裂が原因で水漏れが起きている場合や水質に異常がある場合は、すぐに水道管を交換したほうが良いです。
参考）https://www.sharing-tech.co.jp/mizu/water-pipe-exchange/
​
地震などの自然災害も水道管に大きな衝撃を与え、破損や接合部分の緩みを引き起こし水漏れの原因となることがあります。その他、施工不良や配管工事の際のミス、または建物の構造上の問題も水漏れの一因となることがあります。給水管からの漏水は止水栓や接続部分のパッキンの劣化によって発生することが多く見られます。
参考）https://www.suidou.org/tblog/30221/
​

水道管の経年劣化と症状

水道管の老朽化は見た目では判断できない内部の劣化として進行します。外観からはわかりにくいケースが多く、建物の経年とともに静かに進行していきます。特に屋内に埋設された配管や壁内を通る配管などは、普段の生活では視認できない位置にあるため、気づかないまま劣化が進行する傾向があります。​
配管の素材や工法によっても劣化の進行具合は異なりますが、使用年数が長い配管では金属部品の腐食、接合部のゆるみ、パッキンの硬化など、目に見えない部分での劣化が原因となって水漏れや破損につながるケースが多くあります。配管が長期間にわたり水圧や温度変化にさらされることで、表面が膨らんだり変形したりすることがあります。​
老朽化による水道管の主な劣化症状として、水漏れの発生とその前兆、赤水や異臭の発生、配管の膨張・変形・ひび割れ、排水不良と詰まりがあります。これは素材の疲労によって生じる現象で、樹脂管や一部の合成材料で起きやすい傾向があります。放置すると膨らんだ部分が破裂するリスクがあり、重大な漏水事故を引き起こす可能性があります。​

水道管凍結防止の実践的対策

水道管の凍結を防ぐための対策として、保温材や凍結防止帯の活用が効果的です。水道管に保温チューブや布などをまいて、その上からビニールなどで防水することで、水温の低下を抑えることが可能です。寒冷地では凍結防止帯と呼ばれる機器が最初から設置してあり、気温が低くても水温が下がらなければ水道管は破裂しないため効果的な対処法です。
参考）https://www.city.fukuoka.lg.jp/mizu/sessui/0030.html
​
水道管が直接外気に触れる部分に保温材を巻きつけ、ヒモでしばって固定し、その上から保温材が濡れないようにビニールテープなどを巻くことも有効です。ビルなどの貯水槽先のはだか管にも保温チューブなどを施すべきです。凍結防止帯は数千円程度で購入でき、ヒーター線から発する熱を水道管へ巻き付けることで凍結の発生を防止します。
参考）https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/trouble/touketsu
​
緊急回避策として、蛇口をひねって水を出しっぱなしにしておく方法もあります。水を流していると熱が一箇所に溜まらないため、氷点下でも水道管が凍結しづらくなります。ただし水道料金がかかるため、厳冬が続く場合はあくまでも緊急回避策として利用する程度に留めておき、凍結防止帯などを購入するのがおすすめです。​

水道管水漏れの早期発見方法

水漏れの早期発見は被害を最小限に抑えるために重要です。定期的な水道メーターの確認により、使用していない時間帯にメーターが回っていないかチェックすることで、目に見えない箇所での水漏れを発見できる可能性があります。水道代が突然高くなった場合も、水漏れのサインとして注意が必要です。​
配管の点検ポイントとして、給水管は止水栓や接続部分のパッキンの劣化に注目します。目視で確認できる配管については、定期的に水滴や湿気の有無をチェックすることが推奨されます。特に床下や壁の中など発見が難しい箇所は、専門業者による定期的な漏水調査が有効です。
参考）https://sq.jbr.co.jp/library/437
​
赤水や異臭の発生も水道管の劣化を示す重要なサインです。水質に異常がある場合は、配管内部でサビや腐食が進行している可能性が高く、早急な対応が必要です。建築業従事者として、施主に対して定期点検の重要性を説明し、適切なメンテナンススケジュールを提案することが重要です。​

建築現場での水道管施工品質管理

建築現場での水道管施工において品質管理は極めて重要です。施工不良や配管工事の際のミスが後々の水漏れの原因となることがあるためです。配管工事では接合部分の確実な施工、適切なパッキンの選定と取り付け、配管勾配の確保などが基本的な品質管理項目となります。​
現在よく使用されるポリエチレン管は加工がしやすく、耐震性に優れているうえに化学物質にも強く、耐熱性にも優れています。材質の選定も施工品質に大きく影響するため、用途や設置環境に応じた適切な配管材料を選ぶことが重要です。亜鉛メッキ鋼管は1978年4月以降使用禁止となっており、法令遵守も品質管理の重要な要素です。​
施工後の確認作業として、通水試験や耐圧試験を確実に実施することが必要です。配管の接続部分からの水漏れがないか、適切な水圧が保たれているかを確認します。建築業従事者として、これらの品質管理基準を遵守し、施工記録を適切に残すことで、将来的なトラブルを未然に防ぎ、施主との信頼関係を構築することができます。​