

廻し引きのこ(引廻し鋸/挽廻し鋸)は、一般的な直線切断用ののこぎりと違い、細身の刃で曲線を追い込みやすく、円や曲線の切断・くりぬきに使われるタイプです。
「手動のジグソーのようなもの」という説明がある通り、狭いRでも刃幅の細さが効き、仕上げ線に合わせて“回しながら”進めるのが前提の道具です。
また呼び方が複数あり、現場では「引き回し」「挽き回し」「廻挽」など表記ゆれが起きやすいので、発注や替刃手配では“用途(ボード用/合板用/穴あけ用)”まで指定すると事故が減ります。
メーカーの用途説明では、曲線切りだけでなく「石膏ボード・合板の穴あけ用」「合板、石膏ボードの切断用」など、目的別に複数ラインナップがあることが明確です。
特に開口作業(点検口、配線・配管の通し、換気の小開口など)では、刃先で“刺して入る”設計かどうかが段取りを左右し、下穴の有無・粉の出方・切り欠けの出方が変わります。
石膏ボードは切れるが「壁内の電線・配管が近い」状況が多いため、ボード穴あけ専用の刃先形状(丸い先端など)を選ぶ発想が、仕上げ以前に安全と手戻りを守ります。
種類を見分ける一番早いポイントは“刃先”で、例えば「刃の先端は…丸く加工」「押しても引いても切断できる」といった特徴は、石膏ボード・合板の穴あけ用途に合わせた設計です。
さらに「刃の先端は窓開け刃になっており下穴を開けずに板の窓開けができます」とされるタイプは、墨出し→即開口に入りやすく、脚立上や狭所での段取り短縮に直結します。
一方で“下穴不要”は便利な反面、いきなり刺す動作は材料の欠け・層剥離を起こしやすいので、合板やコンパネでは刃先の食い込み角度を浅くして、最初の数ストロークは短く刻むのが無難です。
のこぎり全体の分類の中で、廻挽鋸/引回鋸は「曲線の切断」「くりぬき」に位置づけられており、直線主体なら横挽・縦挽・両刃など別種が基本になります。
逆に、直線材の切断を廻し引きのこで無理にやると、刃が細い分だけヨレやすく、切断面が波打ったり、狙い線から逃げたりして“手直しの時間”が増えがちです。
選び方の実務ポイントは、材料(石膏ボード/合板/ベニヤ/ケイカル板など)と作業(切断/開口)を先に確定し、「最適です」と明記されている対象に寄せることで、現場の不確実性を減らすことです。
ボード開口は「刃の先端は、壁の中の電線を傷つけないように丸く加工」とされるように、実は“切れるか”より“切ってはいけないものを避けるか”が主戦場です。
独自視点として、開口位置が確定しても、いきなり挿し込まず「浅い刺し込み→刃先だけで周囲をなぞり、抵抗の変化(空洞/下地/異物)を確認してから本切り」へ移ると、ケーブル・PF管・気密シートの損傷リスクを体感的に下げられます。
また“押しても引いても切れる”タイプは、無理な姿勢で押し込み続ける必要が減るため、狭所では「引き主体で安全側に逃がす」運用がしやすいのも、種類選びの隠れたメリットです。
開口・曲線切りの用途別ラインナップ(刃先の丸加工、窓開け刃などの説明が具体的)
https://z-saw.co.jp/02a_youto-hikimawashi.html