中荷とは|風呂や脱衣所の床構造と住宅リフォーム

中荷とは|風呂や脱衣所の床構造と住宅リフォーム

記事内に広告を含む場合があります。

中荷とは浴室脱衣所の床構造

中荷の基本知識
🏠
中荷の定義

浴室や脱衣所で使用される特殊な床構造で、木造住宅の水回りに設置される床の下地部分を指します

💧
防水機能の重要性

水が床下に浸透するのを防ぎ、建物の構造材を腐食から保護する役割を担っています

🔧
構造の特徴

通常の居室床とは異なり、防水処理を施した特殊な構造となっており、段差が生じることもあります

中荷とは、主に木造住宅の浴室や脱衣所で使用される特殊な床構造を指す建築用語です。この用語は専門用語としても俗称としても使われており、漢字で書くと自信がないという現場関係者も多い言葉です。
参考)https://ameblo.jp/matsuwa-matsuoka/entry-12930710386.html

基本的に脱衣所は木の床が標準とされていますが、風呂場には通常この中荷が設置されています。場合によっては脱衣場にも中荷が施工されることがあり、現場調査で事前に確認することが重要です。​
中荷は通常の居室床とは異なる構造を持ち、水回りという特殊な環境に対応するために設計されています。木造住宅では床の構造が上部構造からの荷重を地盤に伝える重要な役割を果たしますが、浴室や脱衣所ではさらに防水性能も求められるため、中荷という特別な床構造が必要となるのです。
参考)https://www.rex-rental.jp/feature/1105/note/kenchiku-yougo

中荷の役割と防水性能

 

 

 

中荷の最も重要な役割は、浴室や脱衣所における防水機能の確保です。木造住宅において水回りは最も注意が必要な箇所であり、水が床下に浸透すると構造材の腐食や建物全体の劣化を引き起こす可能性があります。
参考)https://grandill-reform.jp/blog/2023/02/09/conventional-unitbus-difference/

在来工法の浴室では、建物に直接タイルを貼る構造となっており、床には防水処理が施されます。この防水層の下に設置される床構造が中荷です。具体的には、床の骨組みの上に構造用合板を設置し、その上に防水処理を施してからコンクリートやモルタルで仕上げます。
参考)https://torejariba.hatenablog.com/entry/bathroom-diy5/

浴室の床は通常、緩やかな勾配を付けて排水口に水が流れるように設計されています。この勾配は水勾配と呼ばれ、1/100程度の傾斜でも浴室の洗い湯が逆流しないよう計算されています。中荷はこの勾配を支える基礎構造としても機能します。
参考)https://question.realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/1413645089/

在来工法からユニットバスへのリフォーム手順について、タカラスタンダードの公式サイトで詳しい解説があります

中荷の構造と施工方法

中荷の構造は、通常の床組みよりも頑丈に作られます。浴室の床には厚さ8cm程度のコンクリートが載るため、断熱材や通常の床材とは比較にならない重量がかかります。そのため、かなり頑丈な構造が必要です。​
具体的な施工方法としては、まず床の中心部分に12cm角の大引きを取り付けます。これを303mm間隔で配置し、床下に使用するため防腐剤をたっぷりと塗布します。特に木口には念入りに防腐処理を施すことが重要です。​
床根太の下の中間部分には9cm角の大引きを入れ、その下にも同じ太さの角材を使用して床束を設置します。この床束の下には10cm厚のコンクリートブロックを2つに割ったものを基礎として置き、強度を上げるために穴にはコンクリートを詰め込みます。​
骨組みが完成したら、その上に構造用合板を載せます。この合板の上に防水処理を施し、最終的にコンクリートやモルタルで仕上げることで、防水性の高い浴室床が完成します。​

中荷と段差の関係性

中荷を設置した浴室や脱衣所では、居室部分との間に段差が生じることが一般的です。多くのケースで約8cmから10cmの段差があり、場合によっては20cmもの段差が存在することもあります。
参考)http://www.suncrest-jp.com/2015/12/26/%E6%B4%97%E9%9D%A2%E6%89%80%E3%81%A8%E3%81%8A%E9%A2%A8%E5%91%82%E5%A0%B4%E3%81%AE%E6%AE%B5%E5%B7%AE%E3%82%92%E8%A7%A3%E6%B6%88%E3%81%97%E3%82%88%E3%81%86/

この段差が設けられる最大の理由は「水の逆流を防ぐこと」です。入浴やシャワーの使用時に浴室内で水が多量に床に流れたとしても、段差があることで脱衣所に水が浸入するのを防ぐことができます。
参考)https://www.radiant88.com/blog/71128/

従来は「洗面所と浴室の間に段差があるのは当たり前」と考えられていました。ある程度の高低差があれば、お風呂のお湯が溢れても洗面所に入り込んで水浸しになることを避けられるからです。​
しかし最近では、この段差を上り下りする際にバランスを崩したり、洗面所の床が濡れていて転倒して怪我をするケースが増えています。特に高齢者が住む家においては、この段差解消のリフォームが頻繁に行われるようになっています。
参考)https://ouple.com/sales/%E3%81%8A%E9%A2%A8%E5%91%82%E5%A0%B4%E3%83%BB%E6%B4%97%E9%9D%A2%E6%89%80%E3%81%AE%E6%AE%B5%E5%B7%AE%E3%82%92%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E3%80%81%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%AE%8C%E4%BA%86/

中荷のリフォームと修理方法

中荷を含む浴室のリフォームには、主に2つのパターンがあります。1つは在来工法からユニットバスへの変更、もう1つは中荷自体の修理や更新です。

 

在来工法からユニットバスへリフォームする場合、既存の壁、天井、浴槽、そして中荷を含む床を全て解体します。基礎部分はコンクリートで作り直し、指定の位置に給湯、給水、排水の配管工事を行います。その後、ユニットバスのフレーム架台を設置し、洗い場と浴槽パン、壁を取り付けます。
参考)https://www.takara-standard.co.jp/reform/system_bath/contents/zairai.html

費用相場については、在来工法からユニットバスへの変更で65万円から150万円程度、工事期間は1週間から10日が目安です。在来工法を維持する場合のリフォームは200万円程度かかることもあります。
参考)https://rehome-navi.com/articles/660

段差解消のリフォームでは、浴室扉の変更と洗面所の床リフォームが行われます。浴室扉を折戸に変えてそのレールを排水に利用することで、段差がなくても洗面所に水が入り込む事態を避けることができます。また、浴室床に大きめの排水溝を設置することで水はけを良くし、転倒の危険を減らすこともできます。​
在来工法とユニットバスの詳しい比較については、こちらのリフォーム専門サイトで費用や耐久性の違いが解説されています

中荷が関わる不動産取引の注意点

不動産取引において、中荷を含む浴室の状態は重要なチェックポイントです。在来工法の浴室では、経年劣化により防水下地に亀裂が入り水漏れしてしまったり、目地が取れたり、タイルがひび割れたりすることがあります。​
中古住宅を購入する際には、浴室や脱衣所の床の状態を入念に確認する必要があります。特に在来工法の場合、タイルの目地割れから床下への水漏れが発生し、大事な家が傷んでしまう可能性があります。このような状態が発見された場合、修理やリフォーム費用を購入価格の交渉材料とすることも検討すべきです。​
不動産業者や建築士による物件調査では、床下の状態も含めて確認することが重要です。現場調査で中荷の状態を把握し、必要に応じて解体や修理の見積もりを事前に取得しておくことで、購入後のトラブルを避けることができます。​
また、賃貸物件の場合も、浴室の段差や床の状態は入居者の安全に直結する要素です。特に高齢者向けの賃貸物件では、バリアフリー化が求められる傾向にあり、中荷を含む床構造の見直しが必要になることもあります。
参考)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11245032516

不動産従事者としては、これらの専門知識を持つことで、顧客に対してより適切なアドバイスを提供できるようになります。中荷という用語自体は一般の方にはなじみが薄いため、わかりやすく説明する能力も求められます。

 

 

 

 


K型 中荷重用固定金具 サイズ100mm 鋼板製ゴム SK-100 中荷重用キャスター