

水漏れ対応の最初は、技術よりも「止める場所の選択」です。止水栓はキッチン・洗面・トイレなど“その設備だけ”の給水を止めるためのバルブで、元栓は家全体の水を止めます。止水栓を閉めても他の場所は使える一方、元栓を閉めると家中で水が使えなくなります。
ただし緊急時は「確実性」が優先です。止水栓が見当たらない・固くて回らない・どこが漏れているか不明なときは、迷わず元栓で止めた方が被害が広がりにくいです。築年数が進んでいる家ほど配管の老朽化が絡みやすく、個別止水だけだと別箇所のトラブルを見落とすこともあります。
止水栓を閉める手順は、配管をねじらない配慮がポイントです。給水管が動かないよう押さえながら時計回りに回し、回転数をメモしておくと、復旧時に同じ開度へ戻しやすいです(「何回転で全閉になったか」を数えるのが実務的に効きます)。元栓を半開きにしてメーターのパイロットが回っていないか確認する、という確認手順も事故防止に役立ちます。
参考リンク(止水栓の位置・閉め方/開け方、回転数メモ、回らない原因と注意点)。
https://www.qracian.co.jp/column/waterworks/10292/
応急処置は「その場しのぎ」ですが、やり方次第で床・壁・家財・電気系統への被害を大きく減らせます。基本の流れは、①止水(元栓/止水栓)→②受ける(バケツ・タオル)→③箇所の確認(給水管か排水管か、接続部か本体か)→④一時補修(テープ・増し締め)→⑤恒久修理の段取り、です。
ここで重要なのは、応急処置のゴールを「完全復旧」に置かないことです。応急処置は“水の勢いを抑え、時間を稼ぐ”ための手段であり、恒久的に直る前提で続行すると、夜間や外出中に再発して被害が跳ね上がります。
具体的な応急の手札は、家庭でも揃えやすいものが中心になります。
・止水:止水栓や元栓を閉める(最優先)
・増し締め:ナットやネジの緩みをレンチで「少しずつ」締める(締め過ぎると破損リスク)
・補修:水漏れ補修テープで巻く(入手できないときはタオル+強粘着テープで固定し、完璧を狙わない)
・安全:床が濡れたら滑りやすいので、動線確保と拭き取りを並行する
応急処置で“意外に効く”のが、やみくもにテープを巻く前の下準備です。水が噴いている状態で巻くと密着しにくいので、いったん止水して水分を拭き、可能なら表面のぬめりも落としてから巻くと成功率が上がります。
参考リンク(元栓を閉める・補修テープ・タオル代用、応急は一時的で早期に修理依頼)。
https://home.tokyo-gas.co.jp/column/lavatory/0037/
応急でよく使われるのが「補修テープ」と「ナットの増し締め」です。ナットの緩みが原因なら、増し締めで止まることがありますが、力任せは禁物です。金属部品は“なめる(角が潰れる)”と恒久修理の難易度が上がり、交換コストにもつながります。
補修テープは、ひび割れや接合部のにじみ漏れに対して一時的に有効です。ポイントは「きつく、広めに、重ねて」巻くことと、亀裂の中心だけでなく前後にも余裕を持たせることです。テープが入手できない場合にタオルで代用する方法もありますが、これは“止まる”というより“被害を遅らせる”寄りです。つまり、応急処置をしたら、その直後から恒久修理の準備(部品特定・型番確認・業者手配)へ移るのが安全です。
また、応急処置で見落としがちな点として「配管の種類」があります。給水側(圧がかかる)と排水側(流れるだけ)では、漏れの出方・危険度・応急の効き方が変わります。給水側の方が再発しやすく、応急が破綻したときの被害も大きくなりがちです。
参考リンク(止水栓/元栓、ナット締め、補修テープなど応急手順の流れ)。
https://mizutrouble.biz/column/water/6410.html
水道管の破裂は「突然起きたように見えて、条件が揃って起きる」トラブルです。原因として典型なのが、凍結、経年劣化、地震などです。凍結では水が凍ると体積が増え、管の内側から圧迫して破裂することがあります。急激に冷え込んだ日や、日陰・風当たりの強い場所の屋外配管は要注意です。
寒冷条件の目安として「マイナス4度を下回ると起こりやすい」とされる情報もあり、凍結が疑わしいときは、応急処置として少量の水を流し続ける方法が紹介されることがあります。ただし、すでに破裂しているなら流し続けは悪化させるので、まず元栓・止水栓の止水が先です。
経年劣化も現実的なリスクで、配管には常に水圧がかかり続けるため劣化が進み、亀裂やサビが原因で破裂に至ることがあります。耐用年数の目安として「10~15年」とされる例もあり、築年数が進んだ住宅ほど“応急で延命”より“恒久で更新”の判断が効いてきます。
気づき方にも差があります。屋内ならシミ・カビ・クロス剥がれ・床の湿りなどがサインになり得ますが、屋外や壁内・地中は見えないので、水道メーターが使用していないのに回り続けるかを確認する方法が役立ちます。
参考リンク(破裂の原因:凍結・経年劣化・地震、屋内外の兆候、メーター確認、応急の止水と補修)。
https://home.tokyo-gas.co.jp/column/lavatory/0037/
検索上位では「直し方」中心になりがちですが、実務で差が出るのが“記録”です。漏水は水道料金に直撃し、自治体によっては要件を満たすと減免制度が使える場合があります。例えば、自治体の案内では「水道メーターを通った水の料金は原則負担だが、老朽化等の漏水で要件を満たす場合に一部減免できる」としています。さらに、別自治体の条件例では、壁体内・床下・地下など発見困難な漏水で、指定給水装置工事事業者が修繕し写真等の記録があることを条件に挙げています。
ここで“独自視点”として提案したいのは、応急処置の段階から「証拠を作る」ことです。スマホで以下を撮っておくと、管理会社・保険・指定工事店・水道局とのやり取りがスムーズになります。
✅撮影しておくもの(例)
・水漏れ箇所(引き/寄り)
・水道メーター(パイロットが回っている状態)
・止水前後の状況(床の濡れ、壁のシミ)
・応急処置の内容(テープ、バケツ、閉めたバルブ位置)
さらに、止水栓の回転数メモも“復旧ミス”を減らす記録です。止水栓を開け過ぎて水勢が強くなり、別の弱った箇所が漏れ始めるケースも現場では起きます。回転数を元に戻す発想は、応急から恒久へ移る途中の事故を減らします。
参考リンク(漏水減免制度:原則負担だが要件で減免の可能性、対象外の例示あり)。
https://www.city.hanno.lg.jp/soshikikarasagasu/jogesuidobu/suidogyomuka/7160.html
参考リンク(漏水減免制度:壁体内/床下/地下の漏水+指定給水装置工事事業者の修繕+写真等記録が条件例)。
https://www.city.isesaki.lg.jp/soshiki/suidokyo/suido/ryoukin/7434.html
応急恒久処置の判断は「できるか」より「やっていいか」が本質です。水道管の交換や給水管の引き直し等は、指定工事店や有資格者が関与すべき領域として説明されることがあり、DIYが無理な範囲へ踏み込むと被害と費用が増えます。応急処置で“止まった”としても、恒久処置(原因調査と修繕)へ必ずつなげてください。