
レジンコンクリート管の規格は、1998年に日本下水道協会によって制定されたJSWAS K-11(外圧管)とJSWAS K-12(推進管)が基準となっています。これらの規格は、レジンコンクリート管の材料特性を最大限に発揮するために策定されており、高耐久性の管材として持続可能な社会の構築に重要な役割を果たしています。
JSWAS規格の特徴として、以下の点が挙げられます。
これらの規格基準により、レジンコンクリート管は腐食環境条件Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種全てに対応可能となっており、温泉水や酸性土壌といった厳しい環境下でも長期間の使用が可能です。
レジンコンクリート管の規格は、施工方法によって外圧管(JSWAS K-11)と推進管(JSWAS K-12)に大別されます。
外圧管(JSWAS K-11)の特徴:
推進管(JSWAS K-12)の特徴:
推進管の規格では、2016年の改定により急曲線推進可能な1/3管の規定が追加されており、より複雑な施工条件にも対応できるようになっています。また、全管種・全呼び径に内水圧規定が追加されたため、雨水貯留管やサイホン管等の用途でも採用が増加しています。
レジンコンクリート管の推進管は、管厚の違いによってRS形、RM形、RT形の3種類に分類されています。
RS形の規格特性:
RM形の規格特性:
RT形の規格特性:
これらの分類により、施工条件や要求性能に応じて最適な管種を選択できる規格体系が構築されています。管厚による分類は、コスト効率と性能のバランスを考慮した設計思想に基づいており、プロジェクトの条件に最適化された選択が可能です。
レジンコンクリート管の継手性能は、水圧に対する性能によってRSJS、RSJA、RSJB、RJCの4種類に区分されています。
継手性能の分類詳細:
呼び径700以下の小口径では、RSJS・RSJA・RSJBの3種類が使用され、呼び径800以上では高継手性能RJCの1種類となっています。この規格分類により、地震や地盤変動に対する安全性が確保されています。
さらに、水圧に対する管体性能によって5P、6P、7Pに区分されており、内水圧が作用する雨水貯留管やサイホン管等の用途に対応しています。JSWAS K-12-2016の改定では、全管種・全呼び径に内水圧規定が追加され、浸水対策事業での採用が増加している背景があります。
レジンコンクリート管の規格における耐久性基準は、従来のコンクリート管を大幅に上回る性能を実現しています。特に注目すべきは、不飽和ポリエステル樹脂を結合材として使用することで実現される化学的安定性です。
耐久性基準の特徴:
これらの耐久性基準により、ライフサイクルコストの大幅な削減が可能となっています。従来の管材では10-20年での交換が必要だった厳しい腐食環境下でも、レジンコンクリート管なら50年以上の使用が期待できます。
将来的には、可とう性レジンコンクリート管(R-CSP)の規格化も進んでおり、地震などの災害に対するさらなる強化が図られています。また、急曲線推進対応や内水圧対応など、都市部の複雑な施工条件に対応する規格の拡充も継続的に行われており、持続可能な社会インフラの構築に重要な役割を果たしています。
レジンコンクリート管の規格体系は、単なる技術基準を超えて、将来世代への環境負荷軽減と経済的持続性を両立させる革新的な取り組みとして評価されています。これらの規格基準を理解することで、より効率的で持続可能な社会インフラの実現に貢献できるでしょう。