ソレノイドバルブ記号とJIS図記号と回路図

ソレノイドバルブ記号とJIS図記号と回路図

記事内に広告を含む場合があります。

ソレノイドバルブ記号と回路図

ソレノイドバルブ記号の要点
🔎
四角は「位置」

四角の数=位置数(2位置・3位置)で、四角の中の矢印やTが「流れる/止まる」を表します。

斜線長方形はソレノイド

長方形に斜線の電磁アクチュエータが付くと電気操作。単動/複動(シングル/ダブル)で左右の付き方が変わります。

🧠
三角はパイロット

三角は内部パイロットなどの操作圧を示し、直動と間接作動(パイロット作動)の見分けに役立ちます。

ソレノイドバルブ記号のJISと図記号の基本


建築設備の図面で「ソレノイドバルブ記号」と呼ばれていても、実体は油圧・空気圧システムの回路図記号(図記号)のルールで描かれていることが多く、まずは「図記号は機器の実構造ではなく機能表現」という前提を押さえるのが重要です。JISの図記号の考え方として、機器の図記号は接続口(ポート)を示し、回路図に適用する規則は別規格(回路図の規則)に委ねる、という整理が示されています。つまり、記号は“内部構造の断面図”ではなく“回路としての振る舞い”を表すため、同じ電磁弁でもメーカーや製品で外観が違っても記号上は同等に扱える場面があります。なお、図記号集の中には「旧記号」「新記号」の注意が付いているものがあり、参照する版(年版)を揃えないと「見慣れた記号と違う」と感じやすい点も実務上の落とし穴です(旧記号→新記号の参照先が明記されています)。


ここで、最初に覚えるべき最小セットを箇条書きで整理します。


  • 四角:切換弁の「位置(状態)」を表す枠。
  • 四角の数:2個なら2位置、3個なら3位置。
  • 矢印:その位置での流体の通路(流れる向き)を表す。
  • T(閉路記号):その位置で閉じている(通れない)ことを表す。
  • 長方形に斜線:ソレノイド(電磁アクチュエータ)を表し、斜線の向きは許容される旨が示されています。
  • ばね:スプリング・リターンを表し、無励磁側(通常位置)を読み取る鍵になる。

実務では「JISで統一されているから安心」と思いがちですが、同じ資料内で旧記号・新記号が混在し得ること、さらにメーカーのカタログ表記(ポート番号やアルファベット表記)が併存することがあり、図面・仕様書・機器表の整合を取る“読み替え力”が必要です。特に建築の現場だと、施工図・メーカー図・制御盤結線図が別系統で作られ、記号の粒度(詳細/簡略)が揃わないことが起きます。ここを「記号は機能表現」という原則に立ち返って照合すると、判断が速くなります。


(図記号の旧記号/新記号の注意があり、ソレノイド等の電気操作記号や方向制御弁の基本形を一覧で確認できる)
CKD 回路図記号(JIS図記号一覧PDF)

ソレノイドバルブ記号の四角と矢印とTの読み方

ソレノイドバルブ記号を読むときは、「四角の中身」だけを拡大して見ると理解が進みます。四角は“その瞬間の通路状態”を表し、矢印が描かれていればその方向へ流れる通路が成立し、T(閉路)が描かれていれば塞がっている、という具合です。日本アスコの解説では、2つの四角が「消磁(非通電)」と「励磁(通電)」の作動状態を表す、と説明されており、現場で「どっちが通常?」と迷ったときの起点になります。つまり、電気が入っていない時にばねで戻る側の四角(状態)が“通常状態”として扱われるのが基本です。


また、3位置の記号は四角が3つ並び、中央の四角が「消磁時の中央位置」を表すのが典型です。日本アスコの例では、3位置電磁弁は消磁時に中央位置になり、全ポートが閉じた状態を示すケースが紹介されています(ただし油圧では多様な通路パターンがある旨も言及されています)。この「中央位置の意味」を読めると、設備トラブル時に“止まっているのが正常か異常か”を判断しやすくなります。例えば、フェイルセーフで全閉にしたいのか、圧抜きしたいのか、保持したいのかで、中央位置(センタ)の取り方が変わります。


読み間違いが起きやすいポイントも、先に潰しておくと安全です。


  • 四角の左右=必ずしも「ON/OFF」の順番ではない:資料では消磁/励磁の状態として説明され、左右に配置されるため、図面の注記やばね位置と合わせて判断する。
  • 矢印が両方向=ユニバーサルなど流れ方向が限定されない表現があり得る。
  • Tがある=“大気開放”ではなく“閉じている”を意味する(排気は別の記号や接続で表す)。

ここまでを踏まえると、電磁弁記号は「配管のP・A・B・R(または1~5)」の接続先を、各位置ごとに頭の中でトレースする作業になります。建築従事者の実務では、試運転や点検で「この励磁でどっちにエアが行く?」を即答できると強いので、四角の中だけを書き写して、P→A、B→Rのように簡単な矢印メモを添える癖が効果的です。


(消磁/励磁の状態、内部パイロットの三角、5ポートのポート番号の意味、3位置の中央位置などを文章で追える)
日本アスコ:油圧・空気圧の図記号について

ソレノイドバルブ記号の単動ソレノイドと複動ソレノイド

「単動ソレノイド」「複動ソレノイド」は、記号上は“ソレノイドの付き方”と“戻りの要素(ばね等)”で読み分けます。図記号集では電気操作の項目に「単動ソレノイド」「複動ソレノイド」が並び、単動は1方向操作、複動は2方向操作として整理され、斜線の描き方(向き)についての許容も注記されています。単動ソレノイドは一般にソレノイドが片側で、反対側にばね(スプリング・リターン)が描かれる構成が多く、無励磁時の位置が明確になります。一方、複動(ダブルソレノイド)は左右にソレノイドが描かれ、保持特性(励磁が切れても状態が維持されるタイプがある)を連想しやすくなります。


ただし、現場で重要なのは“電気的な結線”よりも“意図した復帰動作”です。単動ソレノイド+ばねなら、停電や非常停止で「必ず通常位置に戻る」設計がしやすい反面、瞬時の保持には工夫が要ります。複動ソレノイドは、左右どちらを励磁したかで状態が切り替わり、図面上も左右の四角がそれぞれの励磁状態として読み取れるため、PLCの出力点数やインターロック設計に影響します。したがって建築設備の制御では、同じ「電磁弁」でも“非常時に開くのか閉じるのか”“復帰にエア圧を要するのか”を、記号(ばね・ソレノイド・パイロット)から先に判断するのが安全です。


混乱しやすい「単動=コイルが1個」「複動=コイルが2個」という理解は概ね合っていますが、図記号では「操作が1方向か2方向か」が主語になっています。資料の整理では、単動/複動の区分が“操作方向数”とセットで示されているため、見た目だけでなく「どちら向きに切り替えられるか」を合わせて読むと、仕様不一致を減らせます。


ソレノイドバルブ記号の内部パイロットと間接作動

同じ「ソレノイドバルブ記号」でも、直動(ソレノイドの力で主弁を直接動かす)と、間接作動(パイロットで主弁を動かす)では、要求条件とトラブルの出方が変わります。日本アスコの説明では、図中の三角が内部パイロット作動を示し、電磁力でパイロット弁を切り替えて、供給されている流体の圧力を利用してメインの弁を切り替える、とされています。また、白抜き三角が空気圧、塗りつぶし三角が油圧を示す、という“意外と忘れがちな色(塗り)の意味”も明示されています。これが読めると、現場で「最低作動圧が必要なタイプなのか」「0MPa近辺で動かない理由は何か」を推定しやすくなります。


図記号集でも、パイロット操作(内部/外部)と、間接形電気アクチュエータ(間接形の単動ソレノイド/複動ソレノイド)が整理されています。つまり、ソレノイド記号が付いていても、それが“主弁を直接動かすソレノイド”とは限らず、“パイロット弁を動かすソレノイド”として描かれている場合がある、ということです。建築設備だと、圧縮空気の供給が不安定な立上げ時や、長い配管で圧損が大きい系統で、間接作動の切換不良が起きやすく、記号の三角(パイロット)を見落として原因究明が遅れることがあります。


実務で役立つチェック観点を、図面レビュー用にまとめます。


  • 三角(パイロット)がある:供給圧が無いと主弁が切換わらない可能性を疑う。
  • 白抜き/塗りつぶし三角:空気圧/油圧の系統を取り違えない。
  • 外部パイロット表現:パイロットラインが別系統で引かれているか、配管の省略が無いか確認する。
  • ばね+パイロット:消磁時の状態が“ばねだけ”で決まるのか、“圧力復帰(プレッシャ・リターン)”が絡むのか注意する。

この領域は、施工図の段階で「記号は合っているが、現場条件が満たせない」事故が起きがちです。ソレノイドバルブ記号を見て“パイロット要否”を判定できるだけで、選定や試運転の手戻りが減ります。


ソレノイドバルブ記号の独自視点:色分けなし図面の誤読対策

検索上位の解説は、記号を色分けした図(ソレノイド=赤、ばね=緑、閉弁=青など)で直感的に理解させるものが多い一方、建築の実図面はモノクロ印刷・縮尺変更・FAX/スキャンで潰れるのが現実です。日本アスコの解説は色分けで部位を説明していますが、これは“教育上の補助”であって、現場の紙では再現されないケースが普通です。そこで独自視点として、色に頼らず誤読を減らす「3点固定」の読み方を提案します。


  • 固定1:ばねの位置を最優先で探す(通常位置の基準)。
  • 固定2:ソレノイド記号(斜線長方形)の有無と左右配置で、単動/複動と励磁側を決める。
  • 固定3:四角の内部は、T(閉路)→矢印→接続線の順に、機械的にチェックする。

この3点固定を徹底すると、例えば「3位置で中央が全閉か?」の判断が速くなります。日本アスコの3位置例では、消磁時は中央位置で全ポートが閉じた状態を示す、と説明されていますが、モノクロ図面では中央四角内にTが並ぶことを視認できるかが勝負です。視認性が悪い場合は、図面を拡大しても限界があるため、設計段階で“記号の横に短い注記(例:センタ全閉、センタ排気など)を入れる”運用ルールを決めると、施工・保全まで含めた品質が上がります。


さらに、図記号集には「斜線は右下りでもよい」「上広がりでもよい」など、描き方の自由度が注記されています。これはCADテンプレートや作図者の癖で記号の見た目が揺れることを意味するため、現場は“形の違い”より“構成要素の組合せ”で判断する必要があります。記号の線が潰れても、ばね・ソレノイド・四角数・三角(パイロット)という骨格が拾えれば、誤読は大幅に減ります。


最後に、建築従事者が上司チェックで突っ込まれやすい「確認事項」を表にします(図面レビューのチェックリストとして転用可能です)。


確認ポイント ソレノイドバルブ記号で見る場所 見落とすと起きること
通常位置 ばね(スプリング・リターン)の側 停電・非常停止時の動作が逆で、フェイルセーフ不成立
位置数 四角の数(2位置/3位置) 必要な停止状態(全閉/保持/排気)が取れない
操作方式 ソレノイドの数(単動/複動)と配置 制御点数や保持要件が合わず、シーケンスが破綻
パイロット要否 三角(内部パイロット等)と空気圧/油圧の表現 供給圧不足で切換不良、立上げ時に動かない




SNS 1/2" ブラス電磁弁 直動式 圧縮空気 水 水空気 110V AC 電磁バルブ ソレノイドバルブ