外張り断熱工法リフォームの費用と施工方法

外張り断熱工法リフォームの費用と施工方法

記事内に広告を含む場合があります。

外張り断熱工法リフォーム

外張り断熱工法リフォームの基本
🏠
建物全体を包む断熱工法

構造体の外側から断熱材で建物全体を覆い、高い断熱性能と気密性を実現する工法です

💰
費用相場は250万~400万円

30坪程度の戸建てで外壁全体の施工を行う場合の目安金額です

省エネ効果が高い

光熱費を年間数万円削減でき、長期的には投資回収が可能です

外張り断熱工法リフォームの基本構造と仕組み

外張り断熱工法リフォームは、建物の柱や梁といった構造体の外側から断熱材で家全体をすっぽりと覆う工法です。既存の外壁の上に高性能な板状の断熱材を隙間なく貼り付け、その外側に空気の通り道となる通気層を設けたうえで新しい外壁材を張り上げます。この構造により、建物全体が魔法瓶のように外気から守られるため、外の暑さや寒さの影響を受けにくく、室内の温度を一年中快適に保ちやすくなります。
参考)外断熱リフォームとは?工法の違いや費用相場・補助金などをご紹…

重要なポイントは「家の骨組みである柱や梁が断熱材の内側に入る」ことです。これにより、構造体が常に室温に近い環境に保たれるため、壁の中で結露が発生するのを防ぎ、家そのものを長持ちさせる効果もあります。木造住宅や鉄骨造の建物に適用される工法で、コンクリート造に使われる外断熱工法とは区別されます。
参考)外張り断熱リフォームの完全ガイド!費用相場や効果を専門家が解…

断熱材には発泡プラスチック系のボード状製品が一般的に使用され、パイナルフォームやスタイロフォームなどがメジャーな素材となっています。建物を基礎から屋根まで連続した断熱材で包み込むため、熱の逃げ道となる切れ目がなく、非常に高い断熱効果を発揮するのが最大の特徴です。
参考)外張り断熱とは?工法や知識について|おすすめ

外張り断熱工法リフォームの施工手順とポイント

外張り断熱工法の施工は、既存の外壁の上に高性能な板状の断熱材を隙間なく貼り付けることから始まります。施工手順は部位ごとに異なり、天井の断熱施工、外壁の断熱施工、開口部の施工、1階床の断熱施工、下屋の断熱施工という順序で進められます。
参考)施工手順から見る|外張り断熱施工マニュアル|硝子繊維協会公式…

外壁の施工では、下地面材を垂木に釘等で固定した後、断熱材を専用の留め具で確実に固定します。通気垂木を施工し、その上に野地板と防水紙を施工することで、断熱材と外壁材の間に通気層を確保します。この通気層は湿気を逃がし、断熱性能を長期間維持するために重要な役割を果たします。
参考)https://www.cdn.fukuvikenzai.jp/wp-fukuvi/wp-content/uploads/2023/08/phenova-mokuzou-sotobari-sekou.pdf

施工時の重要なポイントとして、気密テープで屋根と壁のネオマフォームを連続させることが挙げられます。また、基礎断熱とする場合は、土台と基礎天端間に気密パッキン材を施工する必要があります。木造住宅の場合、床や天井との取り合い部分に隙間ができるため、空気が入り込まないよう気流止めの工事も必要です。
参考)https://www.asahikasei-kenzai.com/akk/insulation/pdf/neoma_sotobari_jiku_2.pdf

外張り断熱工法の詳細な施工手順と納まり例が解説されています

外張り断熱工法リフォームの費用相場と工期

外張り断熱工法リフォームの費用は、一般的な30坪程度の2階建て戸建て住宅で外壁全体の施工を行う場合、250万円~400万円程度が相場です。1平方メートルあたりの価格帯は8千円~3万円が目安となっており、約30坪(99㎡)の一戸建ての場合、外壁面積が118㎡ほどとなり、約94万円~350万円の金額が算出できます。​
費用に大きな幅があるのは、使用する断熱材の種類や厚み、仕上げに使う外壁材のグレード、既存の外壁の状態、建物の形状や窓の数によって価格が変動するためです。外断熱工法の場合は200万円以上、外張り断熱工法は80万円以上が相場となっています。壁全体の断熱リフォームでは30坪前後で300万円~400万円程度かかることもあります。
参考)外壁断熱リフォームのメリット・デメリットを徹底解説|工法や費…

工事期間の目安は3週間~1.5ヶ月程度で、建物の大きさや形状、天候によって変動します。特に雨の日は外壁工事ができないため、梅雨や台風の時期は工期が延びる可能性があります。正確な費用を知るためには、必ずリフォーム会社に現地調査を依頼し、詳細な見積もりを出してもらう必要があります。​

建物規模 費用相場 工期
30坪戸建て(外壁全体) 250万~400万円 3週間~1.5ヶ月
1㎡あたり 8千円~3万円 -
外断熱工法 200万円以上 -
外張り断熱工法 80万円以上 -

外張り断熱工法リフォームのメリットと断熱性能

外張り断熱工法リフォームの最大のメリットは、圧倒的な断熱性能の向上です。家全体が隙間なく断熱材で覆われるため、外気の影響を最小限に抑えられ、一年を通してストレスの少ない快適な室内環境を手に入れることができます。夏は太陽熱の侵入を防ぐことで2階の蒸し暑さが解消され、エアコンで冷やした空気が逃げにくくなり、弱設定でも涼しさが長持ちします。​
冬は暖房を切って寝ても翌朝の室温が急激に下がることがなく、リビングから廊下に出た時のひんやり感や足元の底冷えも気にならなくなります。家全体の温度が安定して魔法瓶のような暖かさが続くため、部屋ごとの温度差が少なくなり、ヒートショックのリスクを軽減できます。
参考)外壁断熱リフォームのメリット・デメリット|費用相場や補助金に…

断熱材に切れ目がないため、家の隙間を減らし気密性を高める効果もあります。気密性が高まると隙間風が大幅に減り、冷暖房の空気が外に漏れにくくなるため、これまでよりも控えめな設定温度で快適に過ごせるようになります。外張り断熱リフォームを行ったご家庭では、年間の光熱費が数万円単位で削減できたというケースも少なくありません。​
外側から工事を行うため、仮住まいが必要なく、住みながらリフォームできることも大きなメリットです。工事期間中も居住者は普段通りの生活を送りながらリフォームを進めることが可能で、仮住まいを探したり荷物をまとめて引越しをしたりする手間とコストがかかりません。​

外張り断熱工法リフォームの失敗事例と業者選定の注意点

外張り断熱工法リフォームで失敗しないためには、適切な業者選びが重要です。外張り断熱は内断熱に比べて施工が難しく、断熱や気密に関する専門的な知識と豊富な経験が求められるため、どのリフォーム会社でも高い品質で対応できるわけではありません。知識や経験が不十分な業者が施工すると、期待した断熱効果が得られないばかりか、雨漏りや結露の原因を作ってしまうことさえあります。​
主な失敗事例として、断熱材を入れたのに効果が感じられない(部屋が暑い・寒い)、窓の結露が改善されないといったケースがあります。これらの失敗の原因として、断熱材の性能が低い、量が足りない、断熱工事の施工場所が適していない、気密性への配慮が足りないといったケースが考えられます。
参考)断熱リフォームを失敗したくない!失敗事例や対策・補助金もご紹…

業者選びで失敗しないためには、必ず「外張り断熱の施工実績が豊富な業者」を選ぶことが重要です。会社のウェブサイトで施工事例を確認したり、見積もりの際に実績について質問したりしてみましょう。丁寧な説明があり、具体的な事例を示せる業者であれば、信頼度が高いと言えます。最低でも3社から相見積もりを取り、価格だけでなく、提案内容や使用する材料、保証内容、そして担当者の対応などを総合的に比較することが、適正価格で質の高い工事を行うための鍵となります。
参考)住宅の断熱革命『外張り断熱』で快適・省エネな住まいを実現!メ…

突然訪問してくる業者には特に注意が必要です。不安を煽って高額な契約を迫ったり、あり得ないような大幅な値引きを提示して即決を求めたりするのは、悪質な業者の常套手段です。彼らは家の構造や状態をきちんと把握しないまま、自社に都合の良い商品を勧めているケースがほとんどで、施工の品質と効果については二の次です。​

外張り断熱工法リフォームで使える補助金と費用抑制方法

外張り断熱工法リフォームには、国や自治体の補助金を活用できる場合があります。2025年度募集中の補助金として、環境省の「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」があり、高性能建材(断熱材・窓など)の製品とそれに関わる工事が対象で、費用の3分の1以内を補助し、戸建住宅1戸当たり120万円が上限となっています。​
国土交通省の「子育てグリーン住宅支援事業」では、省エネ性向上を中心としたリフォームが対象で、上限40万円~60万円/戸の補助が受けられます。自治体ごとの補助制度も充実しており、例えば東京都葛飾区の「かつしかエコ助成金」では断熱改修や省エネ設備導入などが対象で、費用の4分の1を助成し上限20万円となっています。​
費用を抑えるための方法として、補助金の徹底活用が第一です。条件に合えば数十万~100万円以上の補助を受けられることもあり、利用しない手はありません。また、近い将来、屋根の塗装や葺き替え、ベランダの防水工事などを検討しているのであれば、外張り断熱と同時に行うことで、足場代を1回で済ませることができ、長期的に見て大幅なコスト削減につながります。​
各補助金には以下の注意点があります:​

  • 申請期間や受付期間が限られている
  • 工事着工前に申請が必要
  • 補助金制度に登録された事業者による施工が条件の場合がある

各自治体の補助金については、県や市区町村のホームページに記載されており、情報を細部まで確認しておくことが重要です。​
断熱リフォームの施工方法と補助金制度の詳細情報が掲載されています