

水性型枠離型剤は、ベースが水のため揮発性が低く、スプレー時のミスト飛散が小さいので、作業者の吸入リスクや周辺への付着が抑えられ、屋内や密閉度の高い現場で扱いやすいのが特徴です。 一般に油性と比べてコンクリート表面が白く仕上がりやすく、表面気泡が少ないとされ、打放し仕上げや後施工仕上材の密着性を重視する場面で採用されるケースが増えています。
一方で、水性型枠離型剤は温度や湿度の影響を受けやすく、低温時や多湿環境では乾燥が遅れて離型性が不安定になったり、塗布ムラがそのまま転写してしまうリスクがあります。 また、油性と比べると極端な条件下での離型力はやや劣る場合もあり、厚塗りや放置時間によっては型枠側への錆や汚れの残留が生じることもあるため、製品ごとの推奨条件を把握したうえで管理することが重要です。ccnw+1
油性離型剤は年間を通して安定した離型力を発揮しやすく、ノロの付着が少ないうえ積層しにくいことから、従来は標準的な選択肢として広く使われてきました。 しかし、油性は親油性のためコンクリート表面に油膜が残りやすく、気泡が残存しやすい傾向があり、仕上材の密着不良や変色の要因になることがあるため、意匠性の高い打放しや後塗り仕上げとの相性を要検討とする声もあります。
水性型枠離型剤は親水性を生かして表面気泡を抑えやすく、特に繊維補強コンクリートを用いる場合には油性よりも表面気泡率を半分以下に抑えられたという報告もあり、意匠コンクリートの分野で注目されています。 ただし、気温・湿度・型枠材質の影響を受けやすいため、木製型枠と鋼製型枠で希釈倍率を変える、施工当日の天候に応じて塗布タイミングを調整するなど、現場ごとのチューニングを前提に選定する視点が欠かせません。gifu-u+2
水性型枠離型剤の多くは水希釈系で、木製型枠では10倍、鋼製型枠や特殊型枠では5倍など、型枠の材質に応じて推奨希釈倍率が設定されています。 原液のまま使うと濃すぎて塗布ムラや油じみのような跡が出ることもあるため、専用カップやメモリ付きタンクで配合を管理し、現場単位で希釈水の硬度や使用温度帯も意識して調整すると安定しやすくなります。
塗布では、霧の粗いスプレーやローラーを用いて「薄く均一に」を徹底し、テカリが見える厚塗り状態は避けるのが基本です。 塗布後は規定時間の乾燥を確保し、表面がベタつかない状態で打設に入ることで、打設時のモルタルとのなじみが良くなり、型枠側の汚れ堆積や斑点状の色ムラを減らすことができます。ccnw+1
コンクリートの白華現象(エフロレッセンス)は、水分とともに溶け出した可溶性成分が表面で乾燥し、白い析出物として現れる現象で、打放し面や化粧ブロックで問題になりがちです。 水性型枠離型剤は親水性で表面を均一に濡らしやすいぶん、過剰な水分供給や乾燥不足と組み合わさると白華が強調される場合もあるため、打設後の養生条件や排水・勾配の計画とセットで考える必要があります。
表面気泡については、水性離型剤を用いることで気泡率が低下したという試験結果が複数報告されており、特に繊維補強コンクリートでは油性に比べて半分以下まで低減できたケースも示されています。 それでも、バイブレーターのあて方や打込み高さ、型枠の締め付けなど打設条件が不適切だと気泡は残るため、水性型枠離型剤を「万能な気泡対策」と誤解せず、配合・締固め・養生を含めた総合的な気泡管理が求められます。gifu-u+1
揮発性有機化合物(VOC)の削減や作業環境の改善が求められるなか、引火性が低くミスト飛散も少ない水性型枠離型剤は、屋内や都市部の高密度現場で安全衛生面のメリットが大きく、工事全体のリスクマネジメントにも寄与します。 また、臭気が穏やかな製品を選べば近隣苦情や作業者のストレスも軽減でき、特に長期工事や夜間作業では現場環境の「見えないコスト」を下げる効果も期待できます。
型枠の保護という観点では、耐水性や防錆性を付与した水性型枠離型剤を使うことで、鋼製型枠の錆を抑え、清掃性を高めて再利用回数を伸ばせるため、初期単価だけでなく型枠寿命と廃棄コストを含めたライフサイクルコストで評価する価値があります。 さらに、植物由来成分を配合した水系・植物油系の製品も登場しており、人体への影響や環境負荷の低減を重視する発注者からの評価が高まっている点は、今後の現場選定において見逃せないポイントです。ameblo+1
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