スイッチボックス1個用寸法一覧と選び方ガイド

スイッチボックス1個用寸法一覧と選び方ガイド

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スイッチボックス1個用寸法一覧

スイッチボックス1個用の基本情報
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標準寸法

長さ124mm×幅75-76mm×高さ50-51mmが主流規格

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取付方式

埋込型・露出型・EGスライド型の3種類が選択可能

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材質バリエーション

樹脂製・鋼板製・Zn-Al-Mg合金めっき鋼板製を用途別に使い分け

スイッチボックス1個用の基本寸法と規格

建築現場でスイッチボックス1個用を選定する際、最も重要なのが寸法の把握です。標準的な1個用スイッチボックスの寸法は、長さ124mm×幅75-76mm×高さ50-51mmとなっており、この寸法は日本工業規格(JIS)に基づいて統一されています。

 

主要メーカーの製品寸法を比較すると以下のようになります。
パナソニック製品の寸法例

  • DZB271KE(深型):長さ124mm×幅75mm×高さ50.5mm、質量0.41kg
  • DM84100(埋込型深型):標準的な寸法で170円(税抜)
  • DS4911KB(調光コントローラー用):屋内専用仕様

その他メーカー製品

  • メタルモール AB4112:縦124mm×横76mm×高さ51mm、重量440g
  • 愛三電機 各種製品:1個用から6個用まで幅広いラインナップ

これらの寸法は、配線器具の取付ピッチ(58mmまたは60mm)に対応しており、ミニプレート1・2コ用との組み合わせが可能です。ただし、取り付けピッチ38mmの製品には適合しないため注意が必要です。

 

興味深いことに、最近の薄型・フラットデザイン化により、アドバンスシリーズなどの新製品では、取付枠の垂下部の形状が従来品と異なっており、JIS規格の一部寸法規定を満足していない箇所もあります。

 

埋込型スイッチボックス1個用の寸法詳細

埋込型スイッチボックスは、壁内部に設置されるため、正確な寸法把握が施工の成否を左右します。パナソニック製の埋込型1個用スイッチボックスは、主に木造住宅での使用を前提として設計されています。

 

寸法の詳細分析

  • 外形寸法:124mm×75mm×50.5mm(標準深型)
  • 内寸法:配線スペースを十分確保した設計
  • 取付穴:器具取付用皿ねじ(M4)×2個が標準付属
  • ノックアウト:A型ノックアウトが天地・側面に配置

施工時の重要ポイントとして、壁板厚は7mm以上の確保が必要です。防気カバーを使用する場合は9mm以上が推奨されています。また、電線収納を容易にするため、取付部の奥行き42mm以上の確保も重要な設計要素となります。

 

鋼板製スイッチボックスの場合、電気亜鉛めっき仕上げとカチオン電着塗装仕上げの2種類があり、用途に応じて選択可能です。特に湿気の多い環境では、防錆性能の高いカチオン電着塗装仕上げが推奨されます。

 

施工上の注意事項

  • コンクリート打放し仕上げには専用施工枠(WTA9001等)が必要
  • Φ2.0電線使用時、トリプルスイッチには深型ボックスを推奨
  • JIS適合品以外のスイッチボックスでは取付枠の垂下部が干渉する可能性

露出型スイッチボックス1個用の特徴と寸法

露出型スイッチボックスは、壁面に直接取り付けるタイプで、配線工事の自由度が高いのが特徴です。主に改修工事や追加工事で重宝される製品群です。

 

露出型の基本構造と寸法

  • 1方出・2方出の選択が可能
  • ハブ部分の内径:φ14・φ16・φ22の電線管に対応
  • 取付方式:壁面直付けまたは配線モール組み合わせ

パナソニック製露出型スイッチボックス(DM38322)の仕様。

  • 1個用・二方出・深型:500円(税込550円)
  • 適用電線管:ビニール電線管用・合成樹脂製可動管用
  • 設置場所:屋内専用

配線モール用途での活用
プラモールとの組み合わせでは、10色のカラーバリエーションが用意されており、内装デザインとの調和が図れます。特に1~3号モールそれぞれに適合する兼用ノックアウト付きで、壁ぎわ配線に対応したサイドノックアウトも設けられています。

 

興味深い技術的特徴として、最新の露出型スイッチボックスには、配線器具から電源を派生させる必要性に応じて1方出・2方出を選択できる設計思想が採用されています。これにより、将来の拡張性を考慮した配線設計が可能となります。

 

スイッチボックス1個用の材質別寸法比較

スイッチボックス1個用の材質選択は、設置環境と耐久性要求に直結する重要な要素です。主要な材質別の特徴と寸法を詳細に比較してみましょう。

 

樹脂製スイッチボックス

  • 材質:高耐候性樹脂
  • 寸法:124mm×75mm×50.5mm(標準)
  • 重量:約200-300g程度
  • 特徴:軽量で錆びない、絶縁性に優れる
  • 用途:一般住宅、湿度の高い場所

鋼板製スイッチボックス

  • 材質:電気亜鉛めっき鋼板
  • 寸法:同上(JIS規格準拠)
  • 重量:約400-500g
  • 特徴:強度が高く、電磁シールド効果あり
  • 用途:工場、事務所建築

Zn-Al-Mg合金めっき鋼板製

  • 材質:Zn-Al-Mg合金めっき鋼板
  • 寸法:縦124mm×横76mm×高さ51mm
  • 重量:440g
  • 特徴:従来の亜鉛めっきより3倍以上の耐食性
  • 用途:海岸近くの建物、化学工場周辺

材質別コスト比較
興味深いことに、材質による価格差は性能差ほど大きくありません。

  • 樹脂製:150-200円程度
  • 鋼板製:170-220円程度
  • 高耐食性めっき:250-300円程度

この価格差を考慮すると、長期的な維持管理コストを含めた総合的な判断が重要になります。特に、交換が困難な埋込型では、初期投資を抑えるより耐久性を重視した材質選択が推奨されます。

 

スイッチボックス1個用選定時の施工上の注意点

スイッチボックス1個用の選定と施工には、多くの技術的注意点があります。特に最近の薄型化技術により、従来の施工方法では対応できないケースが増えています。

 

壁厚に関する制約
現在主流のアドバンスシリーズでは、壁板厚7mm以上の確保が必須となっています。これは取付枠の垂下部の形状変更によるもので、7mm未満では取付枠とボックスが干渉します。防気カバー使用時はさらに厳しく、9mm以上が必要です。

 

配線スペースの確保
電線収納を容易にするため、取付部の奥行き42mm以上の確保が推奨されています。これは厚み9.5mm石膏ボード+標準ボックスを想定した数値で、Φ2.0電線使用やトリプルスイッチ(3個用)の場合は深型ボックスが必要になります。

 

穴あけ寸法の重要性
壁の穴あけ寸法が小さいと、穴の四隅に取付枠の垂下部が当たり、入らない場合があります。また、JIS適合品以外のスイッチボックスでは、ボックスに取付枠の垂下部が当たる可能性があるため、必ずJIS適合品の使用が推奨されます。

 

特殊環境での対応

  • コンクリート打放し仕上げ:専用施工枠(WTA9001等)必須
  • グラスウール接触の可能性:パネルカバー(WN37508、WN37628)使用
  • 石膏ボード施工:専用はさみ金具(WN39929020等)使用

メーカー別の互換性問題
意外に知られていない重要な点として、メーカー間での寸法互換性の問題があります。パナソニックのアドバンスシリーズは、JIS規格の一部寸法規定を満足していない箇所があるため、他メーカーの配線器具との組み合わせで問題が生じる可能性があります。

 

施工現場では、事前の寸法確認と適合性チェックが不具合防止の鍵となります。特に改修工事では、既存の配線器具メーカーとの整合性確認が重要です。

 

パナソニックの技術資料では、施工上の注意事項が詳細に解説されており、施工前の確認資料として活用できます。

 

パナソニック公式サイト - アドバンスシリーズ施工注意事項