
不動産建設現場では、様々な寸法検査装置が活用されています。主要な装置を以下に分類してご紹介します。
基本的な測定工具
高精度測定機器
自動寸法検査装置
寸法検査装置は、LED基板やCMOSセンサ基板、セラミック基板など主に小さな電子部品の寸法を検査する高機能な外観検査装置です。マイクロメートル単位の精密な寸法測定が可能で、完成品の合否検査に装置を使用することで全数の検査ができるようになりました。
品質保証における検査工程では主に、ノギスやマイクロメータなどの汎用的な測定器具を用いて寸法検査を行います。これらの測定器具は、取り扱い方によって読み取り寸法が変わってしまうため、正確な取り扱いが必要となります。
ノギスの正しい使用方法
マイクロメーターの特徴
内径マイクロメーターの活用
内径マイクロメーターは穴径を測定する測定器具です。測定範囲がそれぞれ異なるので、穴径に応じた測定範囲のものを選定することが重要です。建設現場では、ボルト穴やパイプの内径測定に頻繁に使用されます。
品質保証の検査工程において、汎用的な測定器具だけでは十分に測定ができないケースもあります。複雑な形状の寸法や、幾何公差などを測定する場合などです。このようなときには、三次元測定機が活用されます。
三次元測定機の仕組み
三次元測定機は、マシニングセンタなどのフライス系工作機械と同様に、X軸、Y軸、Z軸に駆動する機構を備えた測定器具です。工作機械と異なるのは、ワークを削るための回転工具の代わりに、測定するためのプローブを備えていることです。
測定の流れ
このため、汎用の測定器具では測定できない幾何公差なども測定可能となります。建設現場では、鉄骨の組み立て精度や建築部材の形状精度確認に活用されています。
建設業界では、ボルトの寸法やスイッチボックスの寸法などの技術仕様に焦点を当てた詳細な検査が重要です21。また、ドアのサイズやエアコンの寸法などの技術的な仕様についても正確な測定が求められます22。
建設現場での具体的な測定対象
品質管理への影響
設計をする際にも、最終的にどのような検査器具を用いて測定されるのかを想定しておくことは重要です。場合によっては、「加工はできるけど検査ができない」といったケースもあります。
コスト効率の向上
製造途中で寸法検査を行う中間検査と、製造後に寸法検査を行う完成品検査の2種類があります。中間検査により早期に不具合を発見することで、手戻りコストを削減できます。
寸法検査装置では、画像処理による寸法検査を行うことが一般的です。この技術は建設現場でも徐々に導入が進んでいます。
エッジ検出技術
画像処理による寸法検査では、まずエッジ検出を行います。エッジというのは、画像内で色の濃淡が大きく変化している境目部分のことを指します。色の濃淡が大きく変化している場所を検出することで、測定対象物の形状を鮮明にするのがエッジ検出となります。
自動測定の流れ
建設現場での応用例
搬送装置と画像処理を連動させることで、自動寸法検査ラインの構築が可能です。建設現場では以下のような用途で活用されています。
画像処理には、高性能なカメラが搭載されているので、中間品においても状態確認のため使用されたり、加工の際の位置決めに利用されたりする場合もあります。
導入メリット
自動で稼働する寸法検査装置を導入して無人で寸法検査を行う方法では、他の方法と比べると導入時のコストは高額になりますが、高速かつ正確に寸法検査を実施することができます。特に大量生産される建築部材の検査では、人的コストの削減と検査精度の向上が同時に実現できます。
寸法検査装置の主要メーカーとしては、オムロン株式会社、株式会社キーエンス、ミツテック株式会社などが注目されています。これらのメーカーでは、建設業界向けの特殊な要求にも対応したカスタマイズ製品を提供しています。