w3 8 ボルト規格完全ガイド寸法表面処理選び方

w3 8 ボルト規格完全ガイド寸法表面処理選び方

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w3 8 ボルト規格の基本と特徴

W3/8ボルト規格の基本
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基本寸法と呼び方

外径9.525mm、16山で「さんぶ」と呼ばれる

🔧
ねじ山角度

ウィット規格の55度角度で設計されている

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建築業界での用途

寸切ボルトやアンカーの標準規格として広く使用

W3/8(サンブ)ボルトは、建築業界で最も重要なウィット規格のボルトの一つです。この規格は1インチ(25.4mm)を基準とした3/8インチ、つまり9.525mmの外径を持つねじ規格です。

w3 8 ボルトの基本寸法と山数について

W3/8ボルトの正式な規格寸法は以下のとおりです:

  • 外径(おねじ): 9.525mm
  • 有効径: 8.509mm
  • 谷の径: 7.493mm
  • ねじ山数: 16山(1インチあたり)
  • ピッチ: 1.5875mm
  • ねじ山角度: 55度

この16山という山数は、1インチ(25.4mm)の長さに含まれるねじ山の数を表し、メートルねじでいうピッチに相当する重要な要素です。

w3 8 ボルト規格の分類と特徴

W3/8ボルトは「ウィット並目ねじ」に分類されます。ウィット規格は、インチをベースとした英国発祥のねじ規格で、ねじ山角度が55度であることが大きな特徴です。これは同じインチ系のユニファイ規格(60度)とは互換性がないため、使用時には注意が必要です。
建築業界では、依然として大半の寸切ボルトやアンカー類でウィット規格が使用されており、特にW3/8製品の使用用途は非常に広範囲にわたります。そのため、建築従事者にとって必須の知識となっています。

w3 8 ボルトの材質選定と表面処理の種類

W3/8ボルトには様々な材質と表面処理が用意されており、使用環境や用途に応じて適切に選択する必要があります。
主要材質の種類

  • 鉄(SS材): 最も一般的で経済的な材質
  • ステンレス: 耐食性に優れ、屋外使用に適している
  • 黄銅: 導電性や装飾性が求められる場合に使用
  • 樹脂製: 絶縁性や軽量化が必要な特殊用途向け

表面処理の選択肢

  • 生地(無処理): 屋内の一般的な用途
  • ユニクロ(電気めっき): 軽度の防錆処理
  • ドブ(溶融亜鉛めっき: 強力な防錆効果
  • 黒塗装・白塗装: 美観と軽度の防錆を兼ねる

特にドブメッキは厳しい屋外環境でも長期間使用できる優れた防錆性能を持っています。価格は生地の約2倍程度になりますが、耐久性を考慮すれば十分にコストパフォーマンスが高い選択肢です。

w3 8 ボルト規格の実際の寸法表と図面解説

W3/8ボルトの実際の製品では、頭部寸法や長さによって細かな規格が定められています。
六角ボルトの標準寸法

  • 対辺距離(S): 17mm
  • 頭部厚み(k): 6mm
  • 最小首下長さ: 12mm~300mm(用途により選択)

製品形状の分類

  • 全ねじ: ねじ山が全長にわたって切られている
  • 半ねじ: 頭部側が平滑軸部、先端側がねじ山

長さ選定の際は、締結する材料の合計厚み+ナットの厚み+3~5山分の余裕を考慮することが重要です。これにより適切な締結力を確保できます。
寸切ボルト(全ねじボルト)の場合、標準的な定尺は285mmで提供されることが多く、現場で必要な長さにカットして使用します。

w3 8 ボルト規格と他規格との互換性比較

W3/8ボルトを適切に使用するためには、他のねじ規格との違いと互換性を理解することが重要です。
ウィット規格 vs ユニファイ規格

項目 ウィット(W3/8) ユニファイ(3/8)
外径 9.525mm 9.525mm
山数 16山 16山(UNC)/24山(UNF)
山角度 55度 60度
互換性 なし なし

同じ外径でも、ねじ山角度が異なるため、ウィットとユニファイのボルト・ナットは相互に使用できません。間違って組み合わせるとねじ山を損傷する可能性があるため、注意が必要です。
メートルねじとの比較
W3/8(9.525mm)に近いメートルねじはM10(10mm)ですが、ピッチや山形が全く異なるため互換性はありません。建築現場では用途に応じて使い分けが必要です。

 

現在の建築業界では、新築工事ではメートルねじの採用が増えているものの、改修工事や既存設備との接続では、依然としてウィット規格が多用されています。

w3 8 ボルト規格の施工時の注意点と品質管理

W3/8ボルトの施工において、適切な品質管理と安全確保のための注意点があります。

 

締付けトルクの管理
W3/8ボルトの推奨締付けトルクは、材質と表面処理によって異なりますが、一般的な鉄製ユニクロめっき品では約25~30N·m程度が目安となります。過締めはねじ山の破損を招き、不足は接合部の緩みの原因となるため、トルクレンチを使用した適切な管理が重要です。

 

樹脂製キャップの活用
W3/8ボルトの先端保護には、専用の樹脂製キャップが有効です。エラストマー樹脂製で、ねじ切り長さ15mm、高さ24.5mmの白色キャップが標準的に使用されます。これにより作業者の安全確保とボルト先端の損傷防止が図れます。
品質確認のポイント

  • ねじ山の損傷や変形がないかの目視確認
  • 適切な材質・表面処理の選択
  • 締結部の平行度と直角度の確保
  • 定期的な緩み点検の実施

特に屋外や湿気の多い環境では、表面処理の劣化状況を定期的に点検し、必要に応じて交換することが構造物の安全性確保につながります。