

建築の現場で「マルチツール」と言うと、オシレーター(先端工具が高速振動して切断・剥離・研磨ができるタイプ)を指すことも多い一方、アイリスオーヤマの“マルチギア”はヘッド交換で役割を切り替える発想です。アイリスオーヤマは、共通の本体に各種ヘッドを付け替えることで穴あけ、ネジ締め、研磨・面取り、直線・傾斜・曲線カットに対応する「電動工具 10.8Vマルチギア」を2025年2月に発売しています。
評価の前提として押さえたいのは、ヘッドの交換が「本体にヘッドを取り付け、スイッチでロック」という2工程で、初心者でも交換しやすい設計だという点です。
建築従事者にとっての利点は、軽作業の“出番が多い工程”を1つの本体に寄せられることです。たとえば、造作や下地の現場で「下穴→ビス止め→面取り(軽い研磨)→小さな欠き取り」までが短いスパンで連続する場面では、工具箱の中身を減らして段取りを単純化できます。
また、仕様面で“想像より現場向き”なのが電源事情です。バッテリーがUSB Type-C充電で、専用充電器が不要であることが明記されています。
ただしUSB充電器は付属しないため、現場の電源タップや車載インバーター環境で「5V/3A以上」の充電器を確保できるかが評価の分かれ目になります(ここを外すと充電時間や運用が崩れます)。
ネット上の評判は、総じて「家庭用途・軽作業なら十分」「雰囲気(見た目)も含めて扱いやすい」という方向に寄っています。実際に、口コミ紹介記事では「仕事では物足らないスペックかもしれないけど家庭では十分」「業務用メーカーより雰囲気いい感じ」といった声が引用されています。
建築従事者の目線では、この“仕事では物足らないかも”が重要で、用途の切り分けができる人ほど満足度が上がるタイプです。
一方で、メーカー側も想定用途をはっきりさせており、「家具の組み立てやDIY、修繕」など家庭内・軽作業シーンを中心に訴求しています。
つまり、評価の軸は「プロのメイン機」ではなく「現場サブ機・短時間の持ち出し・施主宅の軽作業」などに置くのが現実的です。
意外と効くのが、ヘッド単品を“買い足し”できる設計です。長いネジ締めや木工の傾斜切りといった作業には専用ヘッドを追加でき、しかも本体は共通なので保管や持ち出しがシンプルになります。
工具を増やしたくないが、対応範囲は伸ばしたい——この矛盾を、ヘッド追加で吸収できる点は評価されやすいポイントです。
運用で最初に決めるべきは「充電の導線」です。バッテリー仕様として、10.8V・2000mAh、USB Type-C充電、充電時間は約130分(5V/3A充電時)と示されています。
この“約130分”は、昼休憩や移動時間で戻せる現実的なラインですが、逆に言うと現場での連続稼働を狙うなら予備バッテリーがないと詰みやすい時間でもあります。
さらに見落としがちなのが、充電時の温度条件です。使用温度0~40℃(充電時は5~35℃)が記載されており、夏の車内放置や冬の氷点下近い環境では「充電できない・遅い」など運用トラブルになり得ます。
参考)https://www.irisohyama.co.jp/products/tool-diy-material/electric-tool/electric-10.8v-screwdriver/multi-gear-set
建築現場は季節変動が激しいため、バッテリーを“工具箱に入れっぱなし”にせず、休憩所や屋内に寄せるだけでも安定します。
もう一段、建築従事者向けの実務ポイントとして、USB Type-Cは便利な反面「ケーブル品質」で損をします。メーカーは5V/3A以上のUSB充電器(PSE適合品)を使用するよう注意書きを入れており、ここを守らないと充電時間が延びる可能性が明記されています。
現場用にするなら、5V/3A表記の充電器と、太め(電流対応)のType-Cケーブルを“工具袋に常備”が安全策です。
評価を定量寄りにするなら、まずドリルドライバーの最大トルクは25N・m、インパクトドライバーの最大トルクは90N・mとして仕様が公開されています。
DIY・軽作業では十分な数値ですが、建築の現場で“毎日締める・毎日開ける”運用だと、熱や負荷の蓄積、バッテリー本数、ビット消耗まで含めたトータルで専用機に分があります。
切断系では、丸ノコヘッド(10.8V)の最大切込深さが90°で25mm、45°で17mmとされ、薄材・合板・見切り材などの現場加工には刺さります。
参考)https://www.irisohyama.co.jp/products/tool-diy-material/electric-tool/electric-10.8v-screwdriver/multi-gear-head
ただし最大切込がそのまま“万能”を意味するわけではなく、木材の含水や刃物の切れ味、材料の反りで負荷が跳ねるのが現場です(無理をすると切断面が荒れたり、姿勢が崩れたりします)。メーカーも最大切断能力は条件で変わる旨を注記しています。
ジグソーヘッドについては、最大切断能力の目安(板厚)が木材45mmとされますが、これも“目安”で、加工物や刃物条件で変わると明記されています。
建築従事者の使いどころとしては、構造材を攻めるより、造作材・棚板・開口の微調整など「精度を確保しつつ、持ち込み荷物を減らしたい場面」に寄せると評価が安定します。
サンダーヘッドは回転数0-5500min⁻¹、振動3軸合成値3.2m/s²という仕様が示されています。
ここから言える“意外な現場メリット”は、重研削を狙わず「角の面取り」「塗装前の軽い足付け」「小口のささくれ取り」に限定すると、むしろ作業品質が上がりやすい点です(やり過ぎない=均一に止めやすい)。
検索上位のレビューは「コスパ」「初心者向け」「1台5役」に寄りがちですが、建築従事者の評価は“安全と段取り”の比重が大きいはずです。メーカーはヘッドを取り付け・取り外すとき「必ずバッテリーを取り外す」注意を明記しており、ここを守るだけで事故率が大きく下がります。
現場では急ぎがちなので、ヘッド交換を「電源を抜く儀式」に固定する運用ルール化が、最終的に一番コスパが良い対策になります。
次に段取り面の独自視点として、1台で複数工程を回せる工具は“置き忘れ”が減ります。本体が共通で、物置や玄関など限られたスペースでもコンパクトに収納できる点は、施主宅対応・小規模改修・メンテ案件で効きます。
逆にデメリットは「本体が止まると全部止まる」ことなので、予備バッテリーか、最低限の代替工具(手回しドライバー等)を同梱するのが現場的な保険です。
そして意外に重要なのが“現場の空気”です。口コミには色や雰囲気に触れて「業務用のメーカより雰囲気いい感じ」という表現があり、施主宅での作業や、DIY寄りの現場では心理的ハードルを下げる要素になります。
建築従事者にとって工具は性能が第一ですが、近隣配慮や施主対応の場では「威圧感が少ない」「収納がコンパクト」といった要素が、段取りとコミュニケーションの摩擦を減らす効果を持ちます。
参考:メーカー公式の仕様・セット内容・安全注意(バッテリー取り外し、USB充電器条件、各ヘッドの数値)
https://www.irisohyama.co.jp/news/2025/?date=0207

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