

建築従事者が「集塵機(実務的には粉じん用の吸引機)」を評価するとき、まず見たいのは“現場での吸い続ける力”です。家庭用カテゴリの掃除機でも、アイリスオーヤマの仕様表には「吸込仕事率」が明記されており、たとえばサイクロンクリーナー IC-C100TE は吸込仕事率 200W として掲載されています(※ヘッドなし測定、JIS規格の目安、条件で変動という注記あり)。
ここで注意したいのは、吸込仕事率は「吸引の強さの目安」にはなる一方、粉じん作業の“持続性能”を直接保証する数値ではない点です。石膏ボード粉やパテ粉、木粉のような微粉は、フィルター側で抵抗が上がりやすく、時間経過で吸い込みが落ちるのが典型パターンです(粉じんは空気と一緒に舞い上がりフィルター目詰まり要因になりやすい)。
参考)清掃作業が変わる!目詰まりせずに石膏ボード粉や粉塵を吸い上げ…
実務の「評価」では、次のような観点で“吸引力の実力”を言語化すると上司チェックでも説得力が上がります。
そして、吸い込みを下げない工夫としては、後述の「サイクロン(前置集塵)」の考え方が、粉じん現場では非常に効きます。フィルターに入る前に粉じんを落とす発想で、集塵機側の負担を減らす事例として「サイクロン設置で90%の粉塵を事前回収できた」という施工事例もあります。
参考)集塵機フィルター目詰まり対策 前置集塵サイクロン 施工事例 …
粉じん環境での評価は「フィルター設計」と「清掃性」でほぼ決まります。サイクロン式は、遠心力で粉じんを分離しダストケースへ落とすため、一般にフィルター目詰まりを抑えやすい、という整理ができます。
一方で、サイクロン“だけ”で微粉を完全に止められるわけではありません。微粉じんは最終的にフィルター側で止まるので、排気側のフィルター構成・密閉性・清掃しやすさが評価ポイントになります。現場目線だと、ここが弱いと「吸引は強いのに、排気が粉っぽい」「フィルター掃除で粉が舞う」など、クレームの原因になりがちです。
加えて、建築従事者が意外と見落としやすいのが「捕集性能の測り方」です。家庭用掃除機の世界には、微粒子をどれだけ捕集できるかを評価する試験方法として JIS C 9108 に基づく“捕集率測定”の考え方があり、掃除機を測定装置に接続し、試験じんあいを供給して吸気管・排気管の粒子数を測る、という試験手順が紹介されています。
つまり、現場での評価コメントを作るなら、吸引力だけでなく「排気側に粉を通しにくい構造か」を、根拠ある観点として入れられます(JISの考え方を“評価軸”として引用するイメージ)。
参考:捕集率(排気の粒子)という評価軸の根拠(JIS C 9108の試験方法の概要)
北里環境科学センター「JIS C 9108:電気掃除機による捕集率測定方法」
「価格が安い=コスパが良い」とは限りません。粉じん用途では、評価の本丸は“運用コスト(人件費+消耗品+停止時間)”で、フィルター清掃頻度が増えるほど、実質コストは急上昇します。
特に、石膏ボード粉のような細かい粉じんは、通常のクリーナーではフィルターを詰まらせやすく、都度フィルター清掃が必要になりがちだ、という指摘があります。
この「都度清掃」が、実務では以下の形でコスト化します。
価格評価を上司に通す文章にするなら、「本体価格」だけでなく、次の項目をセットで書くのが堅いです。
なお“目詰まり対策”は、業務用の世界では前置サイクロンで集塵機の負担を減らし、メンテ頻度を下げる方向が王道です。実例として「サイクロンを前段に入れて粉塵を事前回収し、集塵機への負担を減らした」という考え方が示されています。
検索上位の多くは「吸引力」「静音」「おすすめ」になりがちですが、建築現場で“差がつく”のはサイクロンの使い方です。サイクロン式クリーナーの説明でも、遠心力で粉塵を分離してダストケースへ溜め、フィルター目詰まりを抑える、という方向性が語られています。
ただし、ここに独自視点として「サイクロンは万能ではなく、粉じんの性質で運用が変わる」を入れると記事が強くなります。たとえば、乾いた微粉が大量に出る現場はサイクロンのメリットが出やすい一方、湿り気のある粉・油分を含むミスト系は分離や清掃性が別問題になりやすい、という“不得手な局面も明確”という整理もあります。
参考)集塵機・集塵ボックスの小型サイクロンとは?用途や主要スペック…
さらに、意外と知られていない実務ノウハウとして「前置集塵(サイクロン)でフィルター負担を激減させる」という導入があります。施工事例ベースで「サイクロン設置により90%の粉塵を事前に回収でき、集塵機への負担が1/10になり、メンテ頻度が改善した」とされており、これは“現場の評価”に直結する材料です。
現場での具体策(入れ子にしない箇条書きで整理)。
建築現場の粉じんは、健康リスクとセットで語る必要があります。建設業のリスク管理資料では、結晶シリカが微量含まれる製品を扱う場合に DS2・RS2 など区分2の防じんマスクを選定する、という記載があります。
この話を「集塵機の評価」に繋げるコツは、集塵機を“マスク不要”にする道具として過大評価しないことです。つまり、評価の結論は「集塵機は粉じんを減らすが、個人防護具の選定と併用して、ばく露を下げる」という現実路線になります(現場の上司ほどこのバランスを見ます)。
参考)https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/chemical_management/files/briefing_document02.pdf
また、防じんマスクの国家規格の区分として、DS2(区分2:95.0%以上)などの整理が技術情報で示されています。
参考)https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0457.html
ここを記事に入れると、「集塵機の評価=家電レビュー」から、「建築従事者向けの安全・品質の話」に引き上げられます。
参考:防じんマスク区分(DS2等)の基礎と捕集効率の整理(安全面の根拠)
ミスミ 技術情報「防じんマスクの種類と特長、国家規格」
表(評価を上司レビュー向けに固定化)。
| 評価項目 | 現場での見方 | 落とし穴 |
|---|---|---|
| 吸引 | 粉じんを“吸い続ける”か(時間で落ちないか) | カタログ値だけで判断し、目詰まりで失速する |
| フィルター | 排気の粒子漏れを抑える構造か(捕集率という考え方) | 清掃時に粉が舞い、周辺清掃が増える |
| サイクロン | 前置で粉を落としてフィルター負担を減らせる | 粉の性質によって不得手がある(万能視しない) |
| 安全 | 粉じん対策はマスク等と併用する(DS2など) | 集塵機だけで安全確保したつもりになる |
実務向けの最後のチェック項目(絵文字付き、入れ子なし)。