ボールバルブ寸法表一覧|メーカー別規格比較完全ガイド

ボールバルブ寸法表一覧|メーカー別規格比較完全ガイド

記事内に広告を含む場合があります。

ボールバルブ寸法表メーカー別一覧

ボールバルブ寸法表の基本構成
📏
面間寸法(L)

配管接続時の重要な基準寸法

📐
高さ寸法(H)

設置スペース確認の必須項目

⚖️
質量データ

配管荷重計算と支持構造設計

ボールバルブフランジ型寸法表JIS規格

フランジ型ボールバルブの寸法表は、JIS B2220規格に基づいて標準化されています。主要メーカーのフランジ型ボールバルブ寸法を以下に整理します。

 

キッツ製フランジ型ボールバルブ寸法

  • 呼び径15A(1/2B):L=108mm、H=108mm、質量2.6kg
  • 呼び径20A(3/4B):L=117mm、H=111mm、質量3.2kg
  • 呼び径25A(1B):L=127mm、H=124mm、質量5.2kg
  • 呼び径32A(1¼B):L=140mm、H=128mm、質量6.5kg
  • 呼び径40A(1½B):L=165mm、質量記載なし

東洋バルブ製フランジ型ボールバルブ寸法

  • 呼び径50A(2B):L=180mm、H=124mm
  • 呼び径65A(2½B):L=203mm、H=134mm
  • 呼び径80A(3B):L=230mm、H=149mm
  • 呼び径100A(4B):L=275mm、H=168mm

これらの寸法データは、ASME B16.10クラス150規格との互換性も考慮されており、国際的なプロジェクトでも活用できます。

 

面間寸法は配管設計時の最重要パラメータです。特にフランジ形ボールバルブでは、既設配管への組み込み時に正確な面間寸法の確認が不可欠となります。

 

ボールバルブフルボア型呼び径別寸法データ

フルボア型ボールバルブは、配管内径と同等のボール径を持つため、圧力損失が最小限に抑えられます。各メーカーのフルボア型寸法データを詳細に比較検討します。

 

オンダ製作所フルボア型FF2シリーズ

  • 許容圧力:4.2MPa(-15℃~70℃)
  • 使用温度範囲:冷温水・不凍液・油・エアー対応
  • コンパクト設計により省スペース配管が可能

日阪製作所フルボア型H45シリーズ

  • サイズ範囲:1/2"(15A)~12"(300A)
  • 圧力クラス:JIS10K、ASME CLASS150対応
  • 温度範囲:汎用ボール弁温度・圧力レーティング表準拠

フルボア型の特徴は、レデューストボア型と比較して以下の優位性があります。

  • 流体抵抗の大幅な削減
  • 大流量配管での圧力損失最小化
  • 清掃性能の向上(食品・化学プラント用途)

ただし、フルボア型はレデューストボア型と比較して本体寸法が大きくなる傾向があるため、設置スペースの事前確認が重要です。

 

ボールバルブステンレス製材質別寸法特性

ステンレス製ボールバルブは、SCS13A(SUS304相当)とSCS14A(SUS316相当)が主流材質となっています。材質による寸法への影響と選定指針を解説します。

 

フジキン製ステンレスボールバルブ寸法

  • PUBV-94シリーズ:最高使用圧力3.92MPa
  • 使用温度範囲:-10℃~80℃
  • 2圧縮リング方式接続

オンダ製作所ステンレス製寸法仕様

  • フルボア型:常温水・油で5.6MPa、使用温度-20℃~180℃
  • レデューストボア型:常温水・油で4.2MPa、同温度範囲
  • 飽和蒸気使用時:1.0MPa共通

ステンレス製ボールバルブの寸法設計では、熱膨張係数を考慮した配管設計が必要です。特に高温使用時(100℃超)では、以下の点に注意が必要です。

  • 熱膨張による配管応力の検討
  • フランジボルトの熱サイクル対応
  • シート材の温度特性確認

材質選定時は、使用流体の腐食性とコストバランスを総合的に判断し、SCS13AとSCS14Aを使い分けることが重要です。

 

ボールバルブ黄銅製圧力クラス別寸法規格

黄銅製ボールバルブは、一般配管用途で最も広く使用されており、コストパフォーマンスに優れています。圧力クラス別の寸法規格を整理します。

 

キッツ製ガス用黄銅鍛造ボールバルブ

  • 適用サイズ:8A(1/4B)~80A(3B)
  • JIS等関連規格準拠設計
  • 全製造工程での厳格な品質管理実施

オンダ製作所黄銅製ボールバルブ寸法

  • FF型フルボール®:1/4B~4Bまで対応
  • 許容圧力:2.8MPa(-15℃~100℃)
  • FF2型コンパクト:4.2MPa(-15℃~70℃)

黄銅製ボールバルブの圧力クラス別特徴。
低圧用途(~1.0MPa)

  • 一般給水配管、空調配管に最適
  • 軽量で取り扱いが容易
  • メンテナンス性が良好

中圧用途(1.0~3.0MPa)

  • 工業用水、圧縮空気配管に適用
  • 鍛造製法による高強度確保
  • 長期信頼性の向上

黄銅製の注意点として、アンモニア系流体や高温スチームには使用できないため、事前の流体適合性確認が必須です。

 

ボールバルブ選定時の寸法確認ポイント実務

実際の現場でボールバルブを選定する際の寸法確認ポイントを、実務経験に基づいて詳しく解説します。

 

設置スペース確認の重要項目

  • ハンドル操作時の回転半径:90度回転で必要なクリアランス
  • 配管サポート位置:バルブ重量による配管たわみ防止
  • メンテナンス作業空間:将来の保守点検アクセス確保

寸法公差と実装時の注意点
一般的にボールバルブの寸法公差は±2mm程度ですが、以下の点で実際の設置に影響します。

  • フランジ面の平行度:ガスケット圧縮の均一性確保
  • ボルト穴位置精度:組み立て時の無理な応力回避
  • 配管との芯合わせ:偏心による異常応力防止

既設配管への追加設置時の検討事項

  • 既設フランジとの互換性確認
  • 配管応力解析による影響評価
  • 周辺機器との干渉チェック

施工現場では、カタログ値だけでなく、実測による最終確認を行うことが品質確保の鍵となります。特に重要配管では、事前の現場確認とモックアップ検証を推奨します。

 

メーカー技術資料の活用方法として、寸法図面とあわせて質量データも必ず確認し、配管サポート設計に反映させることが重要です。

 

バルブ選定時の寸法確認は、単なる数値の照合ではなく、システム全体の機能と安全性を左右する重要な工程として位置づけ、十分な時間を確保して実施することが求められます。