
フランジ型ボールバルブの寸法表は、JIS B2220規格に基づいて標準化されています。主要メーカーのフランジ型ボールバルブ寸法を以下に整理します。
キッツ製フランジ型ボールバルブ寸法
東洋バルブ製フランジ型ボールバルブ寸法
これらの寸法データは、ASME B16.10クラス150規格との互換性も考慮されており、国際的なプロジェクトでも活用できます。
面間寸法は配管設計時の最重要パラメータです。特にフランジ形ボールバルブでは、既設配管への組み込み時に正確な面間寸法の確認が不可欠となります。
フルボア型ボールバルブは、配管内径と同等のボール径を持つため、圧力損失が最小限に抑えられます。各メーカーのフルボア型寸法データを詳細に比較検討します。
オンダ製作所フルボア型FF2シリーズ
日阪製作所フルボア型H45シリーズ
フルボア型の特徴は、レデューストボア型と比較して以下の優位性があります。
ただし、フルボア型はレデューストボア型と比較して本体寸法が大きくなる傾向があるため、設置スペースの事前確認が重要です。
ステンレス製ボールバルブは、SCS13A(SUS304相当)とSCS14A(SUS316相当)が主流材質となっています。材質による寸法への影響と選定指針を解説します。
フジキン製ステンレスボールバルブ寸法
オンダ製作所ステンレス製寸法仕様
ステンレス製ボールバルブの寸法設計では、熱膨張係数を考慮した配管設計が必要です。特に高温使用時(100℃超)では、以下の点に注意が必要です。
材質選定時は、使用流体の腐食性とコストバランスを総合的に判断し、SCS13AとSCS14Aを使い分けることが重要です。
黄銅製ボールバルブは、一般配管用途で最も広く使用されており、コストパフォーマンスに優れています。圧力クラス別の寸法規格を整理します。
キッツ製ガス用黄銅鍛造ボールバルブ
オンダ製作所黄銅製ボールバルブ寸法
黄銅製ボールバルブの圧力クラス別特徴。
低圧用途(~1.0MPa)
中圧用途(1.0~3.0MPa)
黄銅製の注意点として、アンモニア系流体や高温スチームには使用できないため、事前の流体適合性確認が必須です。
実際の現場でボールバルブを選定する際の寸法確認ポイントを、実務経験に基づいて詳しく解説します。
設置スペース確認の重要項目
寸法公差と実装時の注意点
一般的にボールバルブの寸法公差は±2mm程度ですが、以下の点で実際の設置に影響します。
既設配管への追加設置時の検討事項
施工現場では、カタログ値だけでなく、実測による最終確認を行うことが品質確保の鍵となります。特に重要配管では、事前の現場確認とモックアップ検証を推奨します。
メーカー技術資料の活用方法として、寸法図面とあわせて質量データも必ず確認し、配管サポート設計に反映させることが重要です。
バルブ選定時の寸法確認は、単なる数値の照合ではなく、システム全体の機能と安全性を左右する重要な工程として位置づけ、十分な時間を確保して実施することが求められます。