フジキン ダイヤフラムバルブ 半導体 医薬 化学プラント 高気密性 選定

フジキン ダイヤフラムバルブ 半導体 医薬 化学プラント 高気密性 選定

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フジキン ダイヤフラムバルブ 特徴 用途

この記事で分かること
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フジキン ダイヤフラムバルブの構造的特長

隔膜構造による高気密性とメンテナンス性を解説

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産業分野別の最適な選定方法

半導体・医薬・化学プラントでの適用事例を紹介

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メンテナンスとトラブル対策

ダイヤフラム交換手順と故障予防の実践的知識

フジキン ダイヤフラムバルブの基本構造と気密性の優位性

フジキン製ダイヤフラムバルブは、ゴムやフッ素樹脂などの弾性体でできたダイヤフラム(隔膜)を駆動部で上下させることにより流体を制御する構造を持っています。この構造の最大の特長は、弁棒などの駆動部と流路がダイヤフラムで完全に遮断されている点です。そのため、駆動部のグリス(潤滑油)などの不純物が流体に混入することがなく、逆に流体が駆動部のすき間に入り込むこともありません。
参考)株式会社フジキン『ダイヤフラムバルブ』

ダイヤフラムとボディの接触部分にはタッチラインという構造が設けられており、内部漏洩および外部漏洩が起こりにくい設計となっています。この高いシール性により、特にデリケートな流体を扱う場面でダイヤフラムバルブが選択されます。流体通路部にポケット部がなく流線形であるため、液溜まりが少なく洗浄性にも優れています。
参考)バルブにはどんな種類があるの? - 一般社団法人日本バルブ工…

フジキンは精密バルブのトップ企業として、超純水配管用や高圧水素ガス用など、特殊な用途に対応した製品開発で知られています。同社のダイヤフラムバルブは、BNWシリーズ(ウエアダイヤフラムバルブ)、BSWシリーズ(ウエアレスダイヤフラムバルブ)など、複数のシリーズがラインナップされています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/36094a84f5342c66cb6526ae98be368bf800fd44

フジキン ダイヤフラムバルブの半導体・医薬分野での適用実績

半導体製造分野では、ダイヤフラムバルブの持つ流体汚染防止構造と自浄性が高く評価されています。高純度薬液製造設備、フォトレジスト、ウエハー製造プロセス、洗浄液ラインなどで幅広く採用されており、クリーン性と耐薬品性の両立が求められる環境に最適です。フジキンの製品は、ステンレス製やふっ素樹脂ライニング製など、用途に応じた材質選定が可能です。
参考)電子工業・半導体|日本ダイヤバルブ|高品質なダイヤフラムバル…

医薬品製造においては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ダイヤフラムバルブが長期的なビジネスメリットをもたらします。その耐薬品性と耐久性により、汚染リスクやダウンタイムが収益性に大きく影響する医薬品製造環境で理想的な選択となります。腐食性または高純度流体の取り扱いにおけるシャットオフ、絞り、流量制御に適しており、シロップや懸濁液、生物製剤によく見られる結晶化や粘性媒体のハンドリングにも最適です。
参考)Ptfe ダイヤフラムバルブが製薬会社にもたらす長期的なビジ…

化学プラントでは、一般化学から機能性化学、製薬原料プロセスまで様々な分野でダイヤフラムバルブが使用されています。フジキンの製品は、気密性、洗浄性、メンテナンス性、耐汚染性に優れ、食品・化学・半導体関連のプラントでの活躍が目立ちます。医薬・化学・半導体・製鉄等の産業分野から、原子力・火力発電、上下水道・廃棄物処理設備等の公共的な分野まで幅広く提供されています。
参考)ダイヤフラムバルブ

株式会社フジキン『ダイヤフラムバルブ』製品情報 - 医薬・食品・化学分野での気密性とメンテナンス性の詳細

フジキン ダイヤフラムバルブの選定における重要ポイント

バルブ選定の際には、まず目的、運転条件、運転制御方法を明確にする必要があります。ダイヤフラムバルブは、使用温度が200℃以下、圧力が1.0MPa以下の油、水、酸媒体、懸濁粒子を含む媒体に適していますが、有機溶剤媒体や強酸化剤媒体には適していません。
参考)工業用バルブの選択:工業用バルブメーカーの決定版

具体的な選定基準としては、以下の点が重要です。堰式ダイヤフラムバルブは研磨性のある粒状媒体用に選択され、ストレートスルーダイヤフラムバルブは粘性流体、セメントスラリー、沈殿物などの媒体に使用されます。呼び径の選択においては、フジキン製品は15~250mmの範囲に対応しており、流量調整が必要な場合は開度に比例したリニアな流量制御が可能な点が優位性となります。
参考)https://www.asahi-yukizai.co.jp/datas/news/10000/qDaWb1wRGk.pdf

材質選定では、耐食性の要求に応じてシール材にPTFEを選択可能であり、高い耐食性が求められる用途に最適です。フジキン製品のラインナップには、通常のソフトダイヤフラムバルブに加え、メタルダイヤフラム構造により高気密性、高耐久性を実現したPUREメタルダイヤフラムバルブもあり、デッドスペースフリーでコンパクトな設計が特徴です。
参考)https://www.monotaro.com/s/q-%E3%83%95%E3%82%B8%E3%82%AD%E3%83%B3%20%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%96/

配管設置時には、水平配管に正立に取り付けるとダイヤフラムの交換作業が容易になります。また、配管内に流体が残らないようにする場合は、バルブを傾斜させて設置する「最小液溜り角度」の考慮が重要で、呼び径や本体材料によって適切な傾斜角度が異なります。
参考)ダイヤフラムバルブの「最小液溜り角度」について教えてください…

フジキンのダイヤフラムバルブ製品シリーズ一覧 - 用途別・スペック別の詳細仕様

フジキン ダイヤフラムバルブのメンテナンス手順とダイヤフラム交換

ダイヤフラムバルブの最大の利点の一つは、メンテナンス性の高さです。本体とボンネット(駆動部)を締結しているボルト・ナットを取り外すだけでダイヤフラムが交換でき、バルブボディを配管したままの状態でメンテナンスを行うことができます。
参考)https://www.io-technologies.co.jp/pdf/instructions/SD_T_L.pdf

ダイヤフラム交換の具体的な手順は以下の通りです。まず、アクチュエータに駆動流体を供給してバルブを「開」の状態にします。次に、バルブボディとアクチュエータをつないでいるボルトを取り外すと、ダイヤフラムアッシーがアクチュエータに組み込まれた状態で外れます。手動操作弁の場合、ダイヤフラムの外側エッジを持ち、手で反時計回りに回してアクチュエーター・ハウジングから取り外します。
参考)https://www.swagelok.com/downloads/webcatalogs/jp/ms-crd-0088.pdf

新しいダイヤフラムを取り付ける際は、ネジ部の損傷を防ぐため斜めにならないよう慎重に合わせ、アクチュエーター・ハウジング内部のシャフトにねじ込みます。ダイヤフラムのハウジング側の面がシャフトに確実に当たるまで時計回りに回して取り付けますが、締め付け過ぎないよう注意が必要です。組み立て後は、必ず耐圧検査で漏れのないことを確認する必要があります。
参考)https://www.ndv.co.jp/vc-files/support/faq/B71-31-04-10.pdf

定期的なメンテナンスは必須で、長期保管・休転時または使用中の温度変化や経時変化により漏れが発生する場合があります。点検項目としては、外観上のサビや塗装の劣化、各ねじ部の締まり具合、開閉操作音の異常、エア漏れの有無などを確認します。バルブ本体については、キズ・ワレ・変形・変色の有無、外部漏れの有無、全閉時の漏れの有無をチェックします。​

フジキン ダイヤフラムバルブのトラブル対策と長寿命化のコツ

ダイヤフラムバルブで最も一般的なトラブルは、ダイヤフラムの損傷や破損です。過度の圧力、摩耗、化学的腐食、または物理的な損傷によって引き起こされることがあり、流量低下や漏れ、効率の低下といった症状が現れます。対策としては、ダイヤフラムの定期的な点検と必要に応じた交換、適切な材質のダイヤフラムの選定が重要です。
参考)ダイヤフラムポンプ使用中の故障について

配管設置時の注意点として、配管用ボルトは対角線上を交互、且つ均等に締め付ける必要があります。配管用ボルトの片締めがあると、接続フランジ面から漏れが発生したり、ライニングの損傷につながる可能性があります。また、バルブを取り付ける配管系は清浄で異物がないことを事前に確認することが重要です。
参考)https://www.ndv.co.jp/vc-files/support/faq/B71-31-07-7.pdf

フジキン製品では、使用温度範囲が一般的に-10~80℃、最高使用圧力が1MPaとなっており、これらの範囲内で使用することが長寿命化の基本です。温度範囲を超える場合は、Oリングやハンドルを変更することにより対応可能な製品もあります。バルブの形状はニードルタイプもあり、流量調整ができる点が特徴です。
参考)https://www.monotaro.com/g/00494180/

メンテナンスの繰り返しにより、ボルト・ナットのねじ部に傷などがあると、所定のトルクで締め付けても適切な締め付け力が得られない場合があるため、ボルト類の状態確認も重要です。長寿命により頻繁なバルブ交換による無駄を削減でき、低摩擦によるエネルギー効率の高い運転はグリーン製造イニシアティブに合致します。​

フジキン ダイヤフラムバルブの価格帯と製品シリーズ別の比較検討

フジキン製ダイヤフラムバルブの価格は、製品シリーズや仕様により大きく異なります。NEW MEGA-ONE LM 低圧マニュアルオペレーションバルブのFUNDシリーズは、9.52mmサイズで税込23,465円(税抜21,332円)程度から購入可能です。一方、FINE PUREベローズ・メタルダイヤフラムバルブは、税込32,604円からとなっており、高性能製品はそれなりの価格設定となっています。
参考)FINE PURE ベローズ・メタルダイヤフラムバルブ|ベロ…

SUS鋼製ダイレクトダイヤフラムバルブのFUNDシリーズは、UJRメス6.35mm仕様で税抜41,900円(2025年4月以降は46,090円に改定予定)となっており、価格改定にも注意が必要です。メタルダイヤフラムバルブFUDFシリーズなど、より高度な仕様の製品はさらに高価格帯に位置します。
参考)Fujikin SUS鋼製ダイレクトダイヤフラムバルブ_1M…

製品選定においては、単純な価格比較だけでなく、ライフサイクルコストを考慮することが重要です。初期投資は高くても、PTFEダイヤフラムバルブのような長寿命製品は、頻繁な交換による無駄を削減し、メンテナンス要件が低いため、長期的には製薬会社や化学プラントにとって戦略的な投資となります。​
フジキンの製品は、BNWシリーズ(ウエアダイヤフラムバルブ)、BSWシリーズ(ウエアレスダイヤフラムバルブ)、LPSシリーズ(ウエアレスダイヤフラムバルブ)、BVPシリーズ(サニタリーピンチバルブ)など、用途別に最適化されたシリーズが用意されており、各シリーズの特性を理解した上で選定することが推奨されます。サイズ100mmのフランジ式でU-PVC/EPDM仕様の場合、重量は約11.5kgとなります。​

製品シリーズ 主な特徴 適用分野 価格帯
FUNDシリーズ 低圧マニュアルオペレーション 一般化学プラント 2万円台~
FINE PUREメタルダイヤフラム 高気密性・高耐久性 半導体・医薬 3万円台~
SUS鋼製ダイレクト 耐食性・耐圧性 化学・製薬プロセス 4万円台~
BNWシリーズ ウエアタイプ・標準仕様 汎用化学プラント 用途により変動

フジキン ダイヤフラムバルブ通販 - 各種仕様と価格の最新情報