

スキスムSのカタログは「1冊眺めるだけで提案が完結する」と思われがちですが、実はカタログに連動する無料のCADデータや見積システムを使わないと、提案精度で他社に1件あたり数万円分の差をつけられます。
2026年版のスキスムS製品カタログは総ページ数748ページ、発行は2025年12月22日です。A4判でまとめると、辞書1冊分を超えるボリュームになります。すべてを最初から読もうとすると、現場の忙しい業者にとっては時間的なロスが大きくなります。
カタログの冒頭にあるのが「新製品紹介」セクションです。ここには当年の新製品と仕様変更品がまとめられており、前年のカタログから何が変わったかを短時間で把握できます。新人スタッフへの共有資料としても使えます。
続いて「カタログご利用の手引き」があり、品番の読み方・価格表の見方・オプション対応表の読み方を一通り説明しています。これを読んでおくと、その後の製品ページを半分以下の時間で読み解けるようになります。製品ページの読み方が変わります。
カタログ全体の構成は以下の通りです。
| セクション | 主な内容 | 建築業者にとっての活用ポイント |
|---|---|---|
| スキスムについて | SとTの違い、ブランドコンセプト | 施主説明用の訴求ポイントを把握 |
| Color Line-up | 色柄一覧・コーディネート推奨例 | 全アイテムを同色で揃えるための基準確認 |
| 新製品紹介 | 年度新製品・仕様変更品 | 前年比較・切り替えタイミングの判断 |
| フローリング | シートタイプ・ツキ板タイプ | 床暖房対応品の確認・性能比較 |
| 室内階段 | セット品・廻り部材・設計基準 | 法的な階段設計基準との照合 |
| 室内ドア | 42種類のデザイン・各ドア形式の仕様 | 開口アイテム・サイズ一覧で発注ミス防止 |
| クロゼット・収納 | 折れ戸・開き戸・ビルトイン収納 | グランドハイト対応確認・特注対応範囲 |
| シューズボックス | プラン一覧・ユニット一覧 | 玄関廻りのコーディネート提案に活用 |
| 造作材・カウンター | 室内窓・間接照明部材・和室造作材 | 細部まで同系色で揃える際の品番確認 |
| 巻末資料 | 設計施工情報・換気規制・バリアフリー | 法規対応・保証条件の事前確認 |
特に「巻末資料」にある換気規制(シックハウス対策)やバリアフリー対応情報は、法令準拠の観点から見落としがちですが、設計段階で確認しておくべき内容です。これが原則です。後から仕様変更が発生すると、追加費用と納期遅延の両方が生じるリスクがあります。
参考:永大産業公式の建築・設計資料データ集(CADデータ・納まり図・説明書ダウンロード)はこちらから確認できます。
スキスムSの最大の強みは、室内ドア・クロゼット・フローリング・室内階段・シューズボックス・造作材を「同じ色柄」で揃えられる点です。これがスキスムSの基本です。
室内ドア・クロゼット・シューズボックスに対応するカラーは、定番の木目7柄+単色1柄の計8柄です。代表的な色柄の名称は以下の通りです。
フローリング(ツキ板・シート)と室内階段については、上記8柄に加えてさらに多彩なカラーバリエーションが存在します。なお、ドア枠・クロゼット枠・造作材については、これら8柄のほかに「ノーブルホワイト柄」「ノーブルベージュ柄」「ノーブルグレー柄」「マットブラック柄」も選択できます。意外ですね。
コーディネートの選び方で建築業者が迷いやすいのが、床(フローリング)とドアの色の合わせ方です。永大産業のEIDAIコーディネーターが推奨する組み合わせ4選として公式に紹介されているのは以下のパターンです。
「同じ色柄で揃えれば無難」と思いがちですが、床と建具を同一色にすると空間にメリハリがなくなることがあります。EIDAIコーディネーターの組み合わせ例を参考に、あえて異なるトーンを組み合わせることで空間に深みが生まれます。これは使えそうです。
施主への提案時に色合わせの組み合わせ根拠を示せると、打ち合わせの時間が短縮でき、変更オーダーが減る効果が期待できます。公式のカラーコーディネートシミュレーションを事前に活用して、玄関・リビング・寝室などシーン別のイメージを作成して持参するだけで、打ち合わせの質が大きく変わります。
参考:EIDAIのスキスムSカラーラインナップと組み合わせ例の詳細はこちらです。
スキスムSの室内ドアには、高さのグレードが3段階あります。建築業者がカタログを見るとき、サイズを「標準品」だけと思って発注してしまうと、竣工後に「天井との隙間が大きい」というクレームにつながることがあります。
3段階のドア高さは次の通りです。
グランドハイトは天井高2,400mm以上の住宅向けの仕様です。近年の注文住宅では天井高2,400mmが一般的になりつつあり、グランドハイトは施主からの要望が増えているカテゴリでもあります。標準品との価格差や施工上の注意点は、カタログの「ハイドア・グランドハイトの仕様と特長」ページで確認が必要です。
また、室内ドアの形式は開きドア・引き戸・吊り戸・アウトセット吊り戸・スライドインドア・吹抜用両開き窓ドア・戸襖・リビング階段部ドアと多岐にわたります。各形式ごとに「デザイン別オプション対応一覧表」があり、選んだデザインが希望の開き方に対応しているか事前に確認できます。
カタログの「開口アイテム・サイズ一覧表」は発注ミス防止に非常に重要です。これは必須です。幅サイズの呼称と実寸法のズレを把握していないと、壁の開口部との不一致が起きます。例えば片開きドアでは、幅呼称750mmに対して枠外幅は750mmですが、ドア本体幅は694mm、有効間口幅は625mmと三者が異なります。この数字の違いを理解してから発注するだけで、現場での手戻りリスクを大幅に下げられます。
さらに「施工ポイント」ページには開きドア・スライドインドア・引き戸・吊り戸それぞれの施工ポイントが掲載されています。施工説明書と合わせてチェックしておくと、下請け業者への指示出しがスムーズになります。
参考:スキスムS室内ドアの仕様・ハイドア・グランドハイト詳細はこちらです。
スキスムSのカタログを「紙またはPDFで見るもの」と認識している建築業者は多いですが、それだけでは活用の半分しか使えていません。これが現実です。EIDAIのデータダウンロードサイトには、カタログ以外にも業務直結のデータが複数用意されています。
建築・設計向けに提供されているデータの種類は以下の通りです。
デジタルカタログは、スキスムS製品カタログ2026(748ページ)を章ごとに分割してPDFダウンロードができます。全ページまとめてダウンロードすると176.74MBになるため、必要なセクションだけを選択して取得するほうが実用的です。
また、収納プランニングについては「PC版見積シミュレーション」が提供されており、希望の収納をプランニングしてお見積を作成できます。これをそのまま施主向けの提案資料に転用することが可能です。
カタログアプリは現場での使い勝手が特に高いツールです。打ち合わせ中に品番確認をしたいとき、A4カタログを持ち歩かなくてもスマートフォン1台で対応できます。特に足場が限られる現場検査の際に重宝します。
参考:EIDAIの建築・設計資料データ集(納まり図・CADデータ・デジタルカタログ等)はこちらで一括確認できます。
永大産業 DATA for BUILDERS | 建築・設計資料データ集
EIDAIとの取引がある登録代理店や建築会社向けに、「EDnet+(イーディネットプラス)」というクローズドシステムが提供されています。スキスムSのカタログを活用している建築業者であれば、このシステムの存在を知っているだけでも営業担当との連絡コストを大幅に削減できます。
EDnet+が提供する機能は4つです。
特に注目すべき点が「見積・設計・提案機能」の利用可能時間です。平日・土日・祝日を問わず6時〜24時まで利用できます。営業担当者の業務時間外でも、夜間に見積を仕上げて翌朝早々に施主へ送付するといった使い方が可能になります。
一方、発注機能は平日の7時〜22時(弊社営業日)のみです。発注には期限があります。週末に見積を仕上げても、発注は翌平日以降になる点は把握しておく必要があります。
EDnet+を利用するには、EIDAIの担当営業または最寄りの営業所に問い合わせてIDを取得するステップが必要です。すでにスキスムS製品を発注実績がある業者であれば、まず営業担当者に「EDnet+のID発行を希望する」と一言伝えるだけでプロセスが動き始めます。
なお、動作環境はWindows PC・Microsoft EdgeまたはGoogle Chrome・画面解像度1366px×768px以上が必要です。スマートフォンからの利用は想定されていないため、現場での使用ではなく事務所での業務処理ツールとして位置付けるのが適切です。
参考:EDnet+の機能詳細・利用条件・申し込み方法はこちらで確認できます。
EDnet+のご紹介 | EIDAI 建築・設計関係のお客様向けサポートシステム
スキスムSのカタログには、スキスムTに関する紹介ページも掲載されています。「SとTは別カタログだから別物」と捉えている建築業者も多いですが、実は1冊のスキスムS製品カタログの中にスキスムTの概要も収録されています。これを知らないと一冊損します。
SとTの違いを簡潔にまとめると以下の通りです。
| 項目 | スキスムS | スキスムT |
|---|---|---|
| コンセプト | 流行に左右されない定番スタイル | 上質な素材感と色合い。こだわりのスタイル |
| 価格帯 | ボリュームゾーン(標準~中価格) | 中高級ゾーン |
| カラーバリエーション | 木目7柄+単色1柄の計8柄 | mode 1〜4αの4シリーズ、より多彩な色柄 |
| ドアデザイン数 | 42種類 | より多彩・個性的なデザインを展開 |
| 主な訴求ポイント | 統一感・コーディネートのしやすさ | 素材感・触感・空間の個性 |
スキスムTはmode 1(ヨーロッパの伝統的なデザイン)、mode 2(北欧デザイン〜低彩度カラー)、mode 3(ソリッドで存在感のある空間)、mode 4α(木目の温もりを体現したシリーズ)という4つのシリーズに分かれています。個性が光る空間に仕上げたい施主には、スキスムTのほうが刺さりやすいです。
建築業者としての実践的なアドバイスをするなら、まずスキスムSで全体のコーディネートプランを固め、予算に余裕がある部屋や施主がこだわりを持つ空間にだけスキスムTを導入する「SとTの混在提案」が効果的です。この方法であれば、コスト管理をしながら施主の満足度を高めやすくなります。
スキスムSのカタログ内にあるスキスムTの紹介ページを確認してから、スキスムT製品カタログ(2026年版は総ページ数がスキスムSを上回る規模)を別途参照するという順番で進めると、無駄なく情報収集ができます。
EIDAIは東証スタンダード市場に上場する総合建材メーカーであり、フローリング・室内ドア・収納・キッチンと取扱品目が多く、住宅内のLDK空間をトータルで提案できることが強みです。また、パーティクルボードを自社製造しているため、原材料から製品まで品質管理が一貫している点も信頼性の根拠になります。施主への説明に使える情報です。
参考:スキスムSとスキスムTの違い、2025年版カタログ発刊のお知らせ(製品コンセプト・構成詳細)はこちらで確認できます。
2025年版 Skism(スキスム) カタログ発刊のお知らせ | EIDAI公式