

建築の現場で「fbの規格」と言ったとき、まず確認すべきは“FB=平鋼(フラットバー)”の形状・寸法・質量・許容差を定めた規格体系です。JIS G 3194:2020は、熱間圧延で製造された平鋼について「形状,寸法及びその許容差並びに外観及び質量」を規定すると明記しています。さらに、平鋼の定義として「長方形の断面に四面とも熱間圧延された鋼で、幅500mm以下、厚さ100mm以下」を挙げています。これにより、図面にFBと書いてあっても、板(鋼板)や切板の感覚で扱うとズレが出ることが分かります。
寸法表記は、設計・発注・加工の伝達ロスが起きやすい箇所です。JIS G 3194:2020では、平鋼の寸法は「厚さ及び幅をミリメートル、長さをメートルで表す」としつつ、受渡当事者間の協定で長さをmm表記にしてもよい、としています。現場の会話では「t×b×L(mm)」表記が慣習的に多い一方、規格上は“長さm”が原則にあるため、発注書・加工図・ミルシート・納品票のどれで表記が揃っているかを先に合わせると事故が減ります。
規格上の「標準寸法」も、勘違いが出やすいポイントです。JIS G 3194:2020では標準厚さ(例:4.5, 6, 9, 12, 16, 19, 22, 25, 28, 32, 36mm)、標準幅(例:25〜200mm)、標準長さ(例:5.5〜12.0m)を表として示しますが、同時に「表に記載されていない寸法を用いてもよい」と書かれています。つまり、標準寸法=“それ以外は不可”ではなく、流通・在庫・圧延の都合で代表値が並んでいる、と捉えるのが実務的です。ここを誤解すると「規格外だから製作不可」と早合点し、余計な溶接組立や切板化でコストが跳ねることがあります。
・現場でのミス例(よくあるパターン)
✅ 図面:FB 9×50 とだけ記載 → 長さの前提が共有されず、加工側が6m定尺で見積もる
✅ 見積:重量計算を“実測質量”前提で詰める → 納入は“計算質量”でズレて揉める
✅ 詳細:端部の面取り・Rを勝手に当然視 → 「かど落ち」や許容差の考え方と混線する
参考リンク(JIS本文の根拠:適用範囲、寸法の表し方、標準寸法、許容差、質量計算まで確認できる)
JIS G 3194:2020 熱間圧延平鋼(形状・寸法・質量・許容差)
fbの規格で見落とされがちなのが、「厚さ・幅・長さ」だけでなく“形状”の許容差が明確に規定されている点です。JIS G 3194:2020の表4には、厚さ許容差(例えばtが6未満は±0.3、6以上12未満は±0.4…など)が示され、幅についてはwが50未満は±0.8、50以上500以下は±1.6%(最大±3.5mm)といった整理があります。ここで重要なのは「測定箇所は、かど落ち部分を除く任意の箇所」と書かれていることで、角部を当てて測ると“薄く見える”のは規格の前提に含まれている、ということです。
さらに、長さの許容差は「7m以下は+40/0(マイナス側0)」、7mを超えるとプラス側が増えるルールが定義されています。また注記として、受渡当事者間の協定でプラス側許容差を最大+100mmまでとしてもよい、とあります。建築では「切断して使うから長さ公差は緩くていい」と判断しがちですが、実際には“先行孔あき”“治具加工”“現場溶接最小化のためのプレカット”など、長さの確からしさが工程全体のスループットに効く場面が増えています。必要な場合は、協定(=発注時の取り決め)として明示しておくのが安全です。
そして、意外と施工不良の火種になるのが「かど落ち」「横曲がり」「平たん度」です。JIS G 3194:2020では、かど落ち(c)は厚さ9未満は規定せず、厚さ9以上は“厚さの15%以下、ただし最大4mm”とされています。横曲がりは全長の0.3%以下(任意の1mにつき4mm以下)、長さ方向の平たん度は全長の0.3%以下で最大10mm(任意の1mにつき3mm以下)といった形で示されます。開口枠・見切り・下地など「見た目が真っ直ぐ」に直結する使い方をする場合、これらの規格値を知らないと「材料が悪いのか施工が悪いのか」の議論が空転しやすいです。
・実務で効くチェック観点
✅ “通り”が必要な部位:横曲がり・平たん度を前提に、現場で矯正が要るか見込む
✅ 建具まわり:かど落ちでチリが変わるので、納まり寸法に安全側の逃げを確保
✅ 溶接組立:歪みが加わる前に、母材段階の形状許容差を把握して責任分界を明確化
fbの規格を積算・見積・発注で使うなら、質量の扱いを整理するだけでトラブルが激減します。JIS G 3194:2020では、質量は「計算質量又は実測質量」とし、計算質量の計算手順も表5で定めています。ポイントは、計算に使う寸法は“呼称寸法”であること、そして基本質量として「7.85×10−3(断面積1mm²、長さ1mの質量)」を使うことです。このため、許容差で実際の断面が上下しても、取引上は呼称寸法で計算する運用が成立します(協定で実測にする場合は別)。
現場では「単重表」を使う場面が多いですが、単重表の出どころが曖昧だと後で揉めます。例えば中村鋼材の単重表(平鋼FB)では、板厚と幅の組み合わせごとにkg/m相当の質量が一覧化されており、拾い出しの速度が上がります。こうした表は便利な一方、JISの“計算手順”を理解していないと、特殊寸法や協定条件(長さ表記、許容差等級など)が絡んだ時に検算できません。単重表は「早見」、JISは「根拠」として使い分けるのが建築実務として強いです。
ここで、あまり知られていないが地味に効くのが「丸め方」です。JIS G 3194:2020では、断面積は有効数字4桁、単位質量と1枚の質量は有効数字3桁など、計算結果の桁数の扱いを定義し、数値の丸め方はJIS Z 8401の規則Aによる、と明記しています。つまり「会社によって重量が0.1kg違う」問題は、計算式よりも“丸めルール不一致”が原因のことがある、ということです。特に複数社が絡む改修工事や分離発注では、積算の基準を合わせるだけで無駄な調整コストが減ります。
参考リンク(単重表:FBの板厚×幅ごとの質量が一覧で確認でき、拾い・見積の検算に使える)
中村鋼材:平鋼(FB)単重表(PDF)
fbの規格を「図面から発注、加工、現場取付」まで一気通貫で扱うには、発注書に“何を規格準拠とみなすか”を短くても書くのが効果的です。JIS G 3194:2020は、外観について「使用上有害な欠点があってはならない」とし、欠点がある場合の手入れとしてグラインダ手入れや溶接補修を条件付きで認めています。例えば、溶接補修前に欠点を完全除去すること、除去深さは呼称厚さの20%以下(端面は別条件あり)、補修面積は面積の2%以下など、細かい条件が並びます。ここは“工場が勝手に直していい”ではなく、“直すならこの範囲で”という管理のルールです。
建築従事者が現場で効かせるなら、次のような運用が実務的です。まず、意匠に触れる部位(見切り、枠、露出材)では、外観の欠点補修が許容される前提を理解したうえで「露出面は補修痕が出る可能性」まで織り込んで仕上げ指示を出します。次に、寸法公差と加工公差をごっちゃにしないことも重要です。JISの許容差は“材料としての許容差”で、加工(切断精度、孔位置、曲げ角度など)は別の管理項目なので、発注・加工の責任分界を工程表レベルで切っておくと揉めません。
・発注書/加工図に入れると効く一文例(そのままコピペは推奨しないが考え方の例)
✅ 「FBはJIS G 3194相当、寸法は呼称寸法、長さ表記はmm、長さ許容差は協定で+○mm/0とする」
✅ 「露出面は外観重視、補修は事前協議(補修痕の扱いを含む)」
✅ 「測定基準(かど落ち除外)を共有し、検収は規格の測定条件で実施」
このあたりは手間に見えますが、手戻りが出たときの損失(再手配、再塗装、工程遅延)に比べると圧倒的に安い“予防線”になります。
検索上位の解説は「寸法表」「重量表」に寄りがちですが、建築のコストと納期に効く独自視点として、“標準寸法”と“協定”をセットで使う発想があります。JIS G 3194:2020は標準厚さ・標準幅・標準長さを示しつつ、表にない寸法も使えるとしています。ここで重要なのは、表にない寸法を選べる自由がある一方で、流通や圧延の実態としては標準に寄せた方が早く安く入るケースが多い、という現場常識です。つまり「規格にある=必ず安い」でも、「規格にない=必ず高い」でもなく、在庫とミルの都合が支配する領域です。
そこで、設計段階からできる“効く調整”は次の通りです。例えば、見切りや下地で幅を数mm詰めても納まりが成立するなら、標準幅に寄せるだけで調達が安定しやすくなります。また、長さについても標準長さ(5.5m、6.0mなど)を意識して割付すれば、端材ロスと切断工数が下がります。さらに協定(受渡当事者間の取り決め)を活用し、必要なところだけ長さプラス許容差を絞る、逆に切断前提で緩める、といった“メリハリのある指定”をすると、過剰品質の買い方を避けられます。
・現場で効く「寄せ方」チェック
✅ 断面が同じ:長さ割付を標準長さの倍数・分割で考え、歩留まりを上げる
✅ 納まりが許す:幅を標準幅に寄せ、在庫調達の確率を上げる
✅ 精度が要る部位だけ:協定で長さプラス側を絞り、他は緩めてコストを抑える
fbの規格は“守るためのルール”であると同時に、“コストを落とすための共通言語”にもなります。寸法表や単重表だけで終わらせず、協定と標準寸法の発想を持ち込むと、図面・見積・現場の会話が一段スムーズになります。

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