外壁水性塗料の特徴と選び方|メリットや耐久性

外壁水性塗料の特徴と選び方|メリットや耐久性

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外壁水性塗料とは

 

外壁水性塗料の特徴
💧
水を溶剤として使用

有機溶剤の代わりに水を使用し、環境にやさしい

🌿
低VOC

揮発性有機化合物の放出が少なく、臭いが軽減

🏠
優れた耐候性

紫外線や雨風に強く、長期間美観を維持

 

外壁水性塗料は、水を主な溶剤として使用する塗料です。従来の溶剤系塗料と比較して、環境への負荷が少なく、施工時の臭いも軽減されるという特徴があります。近年、環境意識の高まりとともに、外壁塗装における水性塗料の使用が増加しています。

 

水性塗料は、樹脂(バインダー)、顔料、水、添加剤などから構成されています。水が蒸発することで塗膜を形成するため、乾燥時間が溶剤系に比べてやや長くなる傾向がありますが、その分、塗膜の密着性や耐久性に優れているとされています。

外壁水性塗料の種類と特徴

 

外壁水性塗料には、主に以下の種類があります:

  1. アクリル樹脂系水性塗料

    • 耐候性に優れ、色褪せしにくい
    • 柔軟性があり、ひび割れに強い

  2. シリコン樹脂系水性塗料

    • 撥水性が高く、汚れが付きにくい
    • 耐候性が非常に優れている

  3. ウレタン樹脂系水性塗料

    • 耐摩耗性に優れ、傷つきにくい
    • 耐薬品性が高い

  4. フッ素樹脂系水性塗料

    • 最も高耐候性を誇る
    • 超撥水性で、セルフクリーニング効果がある

 

これらの中から、建物の立地環境や予算、求める性能などを考慮して選択することが重要です。

外壁水性塗料のメリットとデメリット

 

水性塗料には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。

 

メリット:

  • 環境への負荷が少ない
  • 臭いが少なく、施工時の近隣への配慮が容易
  • 塗膜の密着性が高く、耐久性に優れる
  • 乾燥後の塗膜が柔軟で、建物の動きに追従しやすい

 

デメリット:

  • 乾燥時間が長い(特に湿度の高い環境下)
  • 低温時の施工が難しい
  • 初期コストが溶剤系に比べてやや高い

 

これらのメリット・デメリットを踏まえ、現場の状況に応じて適切な塗料を選択することが重要です。

外壁水性塗料の耐久性と寿命

 

水性塗料の耐久性は、使用する樹脂の種類や添加剤によって大きく異なります。一般的に、高品質な水性塗料は10〜15年程度の耐用年数を持つとされていますが、フッ素樹脂系水性塗料などの高機能タイプでは20年以上の耐久性を誇るものもあります。

 

塗料の耐久性に影響を与える要因:

  • 紫外線
  • 雨風
  • 温度変化
  • 大気汚染物質

 

適切なメンテナンスを行うことで、塗膜の寿命をさらに延ばすことが可能です。定期的な清掃や点検、必要に応じた補修塗装を行うことをおすすめします。

 

外壁塗装の耐用年数に関する国土交通省の資料
国土交通省が公開している外壁塗装の耐用年数に関する詳細な情報が記載されています。

外壁水性塗料の環境性能と安全性

 

水性塗料の最大の特徴は、その環境性能の高さです。従来の溶剤系塗料と比較して、VOC(揮発性有機化合物)の放出量が大幅に少なく、地球温暖化やオゾン層破壊、シックハウス症候群などの原因となる有害物質の排出を抑制します。

 

水性塗料の環境性能:

  • 低VOC:大気汚染の原因となる物質の放出が少ない
  • 無臭・低臭:施工時の臭気が少なく、近隣への配慮が容易
  • リサイクル可能:一部の水性塗料は、乾燥前であればリサイクルが可能

 

また、水性塗料は人体への安全性も高く評価されています。有機溶剤を含まないため、施工時の作業者の健康被害リスクが低減されます。さらに、居住者にとっても、シックハウス症候群のリスクが軽減されるというメリットがあります。

 

環境省によるVOC排出抑制のためのガイドライン
環境省が公開しているVOC排出抑制に関するガイドラインで、水性塗料の環境性能について詳しく解説されています。

外壁水性塗料の選び方とポイント

 

適切な水性塗料を選ぶことは、外壁塗装の成功の鍵となります。以下のポイントを考慮して、最適な塗料を選びましょう。

  1. 建物の立地環境

    • 海沿い:塩害に強い塗料を選択
    • 都市部:排気ガスや酸性雨に強い塗料を検討

  2. 求める性能

    • 耐候性重視:シリコンやフッ素系を検討
    • コスト重視:アクリル系が適している

  3. 色調と光沢

    • 濃色:耐候性の高い塗料を選択
    • 光沢:メンテナンス性を考慮して決定

  4. 施工時期

    • 冬季:低温硬化型の塗料を検討
    • 梅雨時:速乾性のある塗料が有利

  5. 予算

    • 初期コストと長期的なメンテナンスコストを比較

  6. メーカーの信頼性

    • 実績や保証内容を確認

 

これらのポイントを総合的に判断し、専門家のアドバイスも参考にしながら、最適な水性塗料を選択することが重要です。

外壁水性塗料の施工方法と注意点

 

水性塗料の施工は、溶剤系塗料とは異なる特性があるため、適切な方法で行うことが重要です。ここでは、外壁水性塗料の一般的な施工手順と、施工時の注意点について解説します。

外壁水性塗料の施工手順と下地処理

  1. 下地調査

    • 既存塗膜の状態確認
    • ひび割れや剥離の有無をチェック

  2. 洗浄

    • 高圧洗浄機で外壁の汚れを除去
    • カビや藻の発生箇所は専用の洗浄剤で処理

  3. 下地補修

    • ひび割れ部分はUカットしてシーリング材で充填
    • 剥離箇所はケレン作業で除去し、パテ埋め

  4. 養生

    • 塗装しない部分をマスキングテープやシートで保護

  5. 下塗り

    • 水性シーラーを使用し、塗料の密着性を向上

  6. 中塗り

    • 均一に塗布し、色むらを防止

  7. 上塗り

    • 仕上げとなる最終層を丁寧に塗布

  8. 検査・補修

    • 塗り残しや塗りむらがないか確認し、必要に応じて補修

 

下地処理は特に重要で、適切な処理を行わないと塗膜の剥離や早期劣化の原因となります。専門業者による入念な下地処理が、長期的な塗装の品質を左右します。

外壁水性塗料の施工時の注意点と対策

 

水性塗料の施工には、以下のような注意点があります:

  1. 気温と湿度の管理

    • 推奨温度:5〜35℃
    • 推奨湿度:85%以下
      ➡ 適切な環境下で施工し、必要に応じて送風機などを使用

  2. 乾燥時間の確保

    • 溶剤系より乾燥に時間がかかる
      ➡ 層間の十分な乾燥時間を確保し、天候を考慮して工程を組む

  3. 塗料の希釈

    • 過度の希釈は塗膜性能の低下を招く
      ➡ メーカー指定の希釈率を厳守

  4. 塗り重ね

    • 水性塗料同士の重ね塗りは問題ないが、溶剤系との併用には注意
      ➡ 既存塗膜が溶剤系の場合は、適切な下塗り材を選択

  5. 道具の管理

    • 使用後は水で洗浄可能だが、乾燥すると除去が困難
      ➡ 使用後はすぐに道具を洗浄

  6. 塗料の保管

    • 凍結すると使用不可になる
      ➡ 冬季は凍結しない場所で保管

 

これらの注意点を踏まえ、適切な施工管理を行うことで、高品質な塗装仕上がりを実現できます。

 

国土交通省による外壁・屋根等の改修工事に関する指針
外壁塗装を含む改修工事の適切な施工方法について、詳細なガイドラインが記載されています。

外壁水性塗料のメンテナンス方法

 

水性塗料で塗装された外壁を長持ちさせるためには、適切なメンテナンスが欠かせません。以下に、効果的なメンテナンス方法をご紹介します。

  1. 定期的な清掃

    • 年1〜2回の高圧洗浄を推奨
    • 汚れの蓄積を防ぎ、塗膜の劣化を抑制

  2. 点検

    • 半年に1回程度、目視で塗膜の状態をチェック
    • ひび割れや剥離の早期発見が重要

  3. タッチアップ

    • 小さな傷や剥がれは、早めに補修塗装
    • 同じ塗料を使用し、部分的に塗り直し

  4. 水切りの確認

    • 雨樋や庇の水切りが適切に機能しているか確認
    • 水の流れが悪いと、塗膜の劣化を早める

  5. 植栽の管理

    • 外壁に接触する植物は定期的に剪定
    • 植物の酸などが塗膜を傷める可能性がある

  6. 再塗装の計画

    • 塗装後10年程度で再塗装を検討
    • 早めの対応で大規模な補修を回避

 

適切なメンテナンスを

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