ゴムパッキン規格の種類とサイズ選定方法

ゴムパッキン規格の種類とサイズ選定方法

記事内に広告を含む場合があります。

ゴムパッキン規格の基本知識と選定

ゴムパッキン規格の重要ポイント
📏
JIS規格の種類

B2401(Oリング)、B2404(フランジ用)などの標準規格

🔧
サイズ選定基準

内径・外径・線径の正確な測定と適用条件の確認

🏗️
建築用途での応用

配管接続、フランジ継手、設備機器での密封性確保

ゴムパッキン規格のJIS基準と分類体系

ゴムパッキン規格は、日本工業規格(JIS)において体系的に定められています。主要な規格としてJIS B2401Oリング)とJIS B2404(管フランジ用ガスケット)があり、建築分野での配管工事や設備施工において標準的に使用されています。
JIS B2401規格のOリングは、P番と呼ばれる番号体系で管理されており、内径2.8mmから79.6mmまでの幅広いサイズがラインナップされています。この規格では線径(Oリング断面の太さ)と内径の組み合わせによって呼び番号が決定され、設計者や施工者が容易に選定できる仕組みになっています。sk-co-ltd
建築現場で頻繁に使用される管フランジ用パッキンは、JIS B2404に準拠し、5K・10K・16K・20Kなどの呼び圧力ごとに寸法が規定されています。特に全面パッキン(FF型)と内面パッキン(RF型)の2種類があり、用途に応じて使い分けが必要です。

ゴムパッキン規格のサイズ測定と選定手順

正確なサイズ選定には、内径・外径・線径の3つの寸法を正確に測定することが重要です。建築現場では既存設備の交換作業が多いため、現物確認による寸法測定が推奨されます。
Oリングの場合、線径から寸法規格を絞り込み、その後内径から呼び番号を決定するのが合理的な選定方法です。例えば、線径が2.0mmの場合はP-2~P-24番の範囲から選択し、要求される内径に最も近い規格品を選定します。
フランジ用パッキンでは、配管の呼び径(A)圧力等級を確認後、JIS規格表から対応する内径・外径を決定します。建築設備では呼び径15A~300Aの範囲が一般的で、圧力等級は5Kまたは10Kが主流となっています。

ゴムパッキン規格における材質特性と選択基準

ゴムパッキンの材質選択は使用環境に大きく左右されます。最も一般的な**ニトリルゴム(NBR)**は、優れた耐油性と耐摩耗性を持ち、使用温度範囲は-30℃から100℃です。建築設備の一般的な配管用途に適しています。
**エチレンプロピレンゴム(EPDM)**は耐水性・耐候性に優れる一方、耐油性に劣るため、用途を選ぶ必要があります。屋外配管や給水設備での使用に適しており、最高使用温度80℃の製品が多く流通しています。
高温・高圧環境には**フッ素ゴム(FKM)**が使用されます。深井戸用パッカーでは215℃/105MPaの過酷な条件に対応する特殊フッ素ゴム配合が開発されており、建築設備でも特殊な高温用途で採用されることがあります。

ゴムパッキン規格の品質管理と公差基準

JIS規格では、ゴムパッキンの寸法公差が厳格に定められています。一般的なニトリルゴム(NBR)の場合、線径や内径に対して±0.1~±0.3mm程度の公差が設定されており、これにより確実な密封性能が確保されます。
硬さの測定にはタイプAデュロメータが使用され、ISO(国際標準化機構)準拠の測定が国際的な取引では主流となっています。建築用途では一般的に硬さ63°(デュロメータA)程度の製品が多く使用されています。
圧縮永久歪試験では、70℃・22時間の条件で22%以下という厳しい基準が設けられており、長期間の使用においても密封性能を維持することが求められています。これらの品質基準により、建築設備の信頼性向上が図られています。

ゴムパッキン規格の特殊用途と独自開発動向

建築分野では標準規格だけでなく、メーカー独自規格の製品も数多く存在します。特に建築金物メーカーでは、ポリカ折板用にクロロプレン(CR)ゴム、耐火認定物件用にブチルゴムを使用した専用パッキンを開発しています。
サカタ製作所では、M8・5/16用(PBU7.5×24×005GRX)やM10・3/8用(PBU9.5×30×005GR)のブチルゴムパッキンを耐火認定物件向けに供給しており、建築基準法への適合性を重視した製品開発が進んでいます。
近年注目されるのは複合材料技術です。ガムベース/ポリビニルアルコール系フィルムにナノ銀粒子を配合した食品包装用フィルムの技術を応用し、建築用パッキンでも抗菌性や耐久性向上を目指した研究開発が進められています。この技術により、湿度の高い建築環境でのカビや細菌の繁殖を抑制する効果が期待されています。