

バルブの「グランドナット」まわりからの漏れは、グランドナットでパッキン(グランドパッキン)を圧縮してシールしている構造のため、パッキンの状態に強く依存します。ゲートバルブでは、一定期間パッキンを圧縮し続けると時間経過でパッキンが変形(応力緩和)し、面圧が低下して漏れにつながることがあるとメーカーFAQでも説明されています。
そのため、据付け後の「初期増し締め」や、使用中の定期点検・増し締めが推奨されます(製造時は十分締めてあっても、使用環境と時間で状況が変わるため)。
漏れの出方も判断材料になります。例えば、ハンドル操作時だけ滲むのか、常時ポタポタなのか、乾いた結晶やサビ汁の筋(漏れ筋)ができているのかで、増し締めで収まる可能性が変わります。特に長期間放置して漏れ癖がつくと、増し締めで止めにくくなるという注意喚起もあります。
また、意外に見落とされがちなのが「グランド部の汚れ・堆積物」です。産業用の一般弁のメンテナンス資料では、グランド部に堆積物があると操作時に内部へ入り込みやすいので除去が必要、といった観点で説明があります。家庭の水回りでも、硬水スケールや赤水由来の堆積があると、パッキンの当たりや弁棒(ステム)の状態に影響することがあるため、増し締め前に外周の清掃を挟むと失敗が減ります。
参考:ゲートバルブのグランドナット漏れの典型原因(応力緩和の説明)
https://www.benkan.co.jp/faq/32681.html
増し締めは「少しずつ・均等に」が原則です。一般弁のメンテナンス資料では、グランド漏れを止めるには2つのグランドナットを均等に締めることが重要で、締め付けの目安として「1/6~1/2回転程度」といった考え方が示されています。ここで大切なのは、いきなり止まるまで回すのではなく、“回して→様子を見る→また回す”の小刻み運用です。
家庭の止水栓や屋外の仕切弁でも、左右2本ボルトでパッキン押さえ(グランド)を締める構造が多く、片締めになると弁棒の片当たり・操作力増大・パッキンの偏摩耗につながります。結果として、短期的には漏れが止まったように見えても、後日また漏れやすくなる(あるいはハンドルが重くなる)パターンが起きます。
具体的には次の順で進めると安全です。
・作業前準備
・増し締めのやり方(左右2ナット想定)
「締め過ぎ」には明確なデメリットがあります。漏れ止め目的で過剰に締め込むと操作力が大きくなる、過剰締付は不具合の原因になる、という趣旨の注意は、バルブ取扱説明書でも示されています。つまり“止まったから正解”ではなく、“止まって、かつ動きが不自然に重くない”が合格ラインです。
参考:増し締めは配管内を大気圧にしてから(安全注意)
https://www.showavalve.co.jp/wp-content/themes/showavalve/products/pdf/manuals/SH-033-02.pdf
増し締めでも漏れが収まらない、あるいは増し締め限界(ナットがこれ以上回らない)なら、次はグランドパッキン交換が現実的です。一般弁のメンテナンス資料でも、増し締めで止まらない場合はメーカー指定の新品パッキンに交換する必要がある、という方向性で説明があります。
交換作業の難所は「古いパッキンの除去」と「新しいパッキンの入れ方」です。パッキンを外す際、スタッフィングボックス(パッキン室)に屑が残ると、新しいパッキンの当たりが悪くなり、すぐに滲みが再発します。古いパッキンの取り残しは“交換したのに漏れる”の典型原因なので、ここは丁寧に時間を使う価値があります。
入れ方のコツとして、切り口(継ぎ目)を同じ位置に揃えないことが重要です。一般弁のメンテナンス資料では、エンドレスパッキンを切断して入れる場合、切断部を120度ずつずらして挿入していく要領が示されています。ポンプ用途の取り扱いガイドでも、切り口が同一位置にこないよう120度ずらして挿入する、と明記されています。家庭用でも“継ぎ目をずらす”は漏れを減らす基本です。
・交換の基本ステップ(概要)
ここでの“意外なポイント”は、締め込みを一発で決めないことです。締めるほどシール性は上がりやすい一方、弁棒への当たりが強くなり摩耗や操作力増大を招きます。バルブ用途のグランドパッキンは、回転機器ほど潤滑・放熱優先ではなく、シール性が重視されるという整理もあり、余計に「適正面圧の範囲で止める」意識が重要になります。
参考:パッキン切断部を120度ずつずらして挿入(一般弁のメンテ資料)
https://j-valve.or.jp/pdf/valve/vm02.pdf
参考:切り口は120度ずらして挿入(取り扱いガイドの具体記載)
https://www.idopump.com/basic-guidelines2.html
DIYで一番避けたいのは、漏れ自体より「圧力が残ったまま触って噴出させる」事故です。複数のバルブ取扱説明書で、運転中(加圧状態)のグランドナット等を増し締めする時は配管内を大気圧にすること、運転状態のまま作業すると破損して流体が噴出する危険がある、といった注意が示されています。水道でも同様で、元栓を閉めて圧を抜く、が基本動作になります。
次に多い失敗が「締め過ぎ」です。締め過ぎると操作力が大きくなり、弁棒を傷めたり、パッキンの寿命を縮めたりします(結果として“止めたつもりが別の不具合を作る”)。漏れが止まる最小限の締め付けで止め、止まった後にハンドルの重さや引っかかりが出ていないか確認して下さい。
・締め過ぎを疑うサイン
・無理をしない判断基準(交換・依頼に切替)
参考:運転状態のまま増し締めすると噴出の危険(安全注意)
https://www.showavalve.co.jp/wp-content/themes/showavalve/products/pdf/manuals/SH-031-02.pdf
検索上位の多くは「漏れたら増し締め/止まらなければ交換」という直線的な説明ですが、DIYの成功率を上げるなら“点検の記録”をセットにするのが効きます。理由は、応力緩和で面圧が落ちて漏れるタイプの不具合は「ある日突然」より「じわじわ」進むことが多く、前回の締め位置・締め量を覚えていないと、締め過ぎ/片締めのリスクが上がるからです(特に家族が触る場所は、いつの間にか誰かが回していることもあります)。
・おすすめの記録項目(スマホメモで十分)
・予防の考え方(“増し締め不要”を過信しない)
一般弁のメンテナンス資料では、V形パッキン+スプリングなど「グランド増し締め不要タイプ」や、Oリングを使用したバルブでグランド漏れが発生した場合は、すぐにパッキン交換が必要になる、といった注意が書かれています。つまり構造によっては「締めて直す」より「交換が早い」ケースがあり、DIY側の判断が重要です。家庭用でも、部品供給の有無や規格が分からない機種ほど、無理に締め続けるより交換(止水栓・バルブ本体)へ切り替えた方が、結果的に安全で確実なことがあります。
・意外に効く小技(やり過ぎない範囲で)
参考:増し締めの回転量目安・均等締め・増し締め不要タイプの注意(一般弁のメンテ資料)
https://j-valve.or.jp/pdf/valve/vm02.pdf

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