角ニップル寸法一覧|配管継手規格表完全ガイド

角ニップル寸法一覧|配管継手規格表完全ガイド

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角ニップル寸法一覧

角ニップル寸法一覧の基本情報
📐
JIS規格準拠の寸法表

JIS B 2301およびJIS B 2308に基づく標準寸法

🔧
材質別寸法差異

ステンレス、黄銅、可鍛鋳鉄の材質による寸法の違い

⚙️
施工時の寸法管理

現場での正確な寸法確認と取り付け時の注意点

角ニップル寸法表|材質別規格比較

角ニップルの寸法は材質によって微細な違いがあります。以下は主要な材質別寸法表です。

 

白・黒ねじ込み式管継手(可鍛鋳鉄製)

呼び径 全長(L) ねじ込み深さ(E) 六角対辺(B) 八角対辺(B)
6A 32mm 11mm 14mm
8A 34mm 12mm 17mm
10A 36mm 13mm 21mm
15A 42mm 16mm 26mm
20A 47mm 18mm 32mm
25A 52mm 20mm 38mm
32A 56mm 22mm 46mm
40A 60mm 23mm 54mm
50A 66mm 25mm 63mm

ステンレス製ねじ込み式管継手(SUS304)

呼び径 全長(L) ねじ込み深さ(E) 六角対辺(S) 八角対辺(S)
6A 28mm 10mm 12mm
8A 34mm 12mm 14mm
10A 36mm 13mm 17mm
15A 42mm 16mm 22mm
20A 47mm 18mm 27.5mm
25A 52mm 20mm 34.5mm

ステンレス製は耐食性に優れており、特に水道設備や化学プラントで重宝されます。可鍛鋳鉄製と比較すると、同じ呼び径でも若干寸法が異なる場合があるため、交換時は必ず寸法確認が必要です。

 

角ニップル選定時の寸法確認ポイント

角ニップル選定時の寸法確認は施工品質を左右する重要な工程です。以下のポイントを押さえることで、現場でのトラブルを未然に防げます。

 

🔍 必須確認項目

  • 呼び径(A)と実際の内径寸法の対応
  • 全長(L)と設置スペースの適合性
  • ねじ込み深さ(E)による有効ねじ長の確保
  • 六角対辺または八角対辺寸法と工具の適合性

⚠️ 注意すべき寸法差異
角ニップルは製造メーカーによって微細な寸法差が存在します。特にステンレス製と黄銅製では、同一呼び径でも以下の差異が生じる場合があります。

  • 全長:±2mm程度の差異
  • 六角対辺:±1mm程度の差異
  • ねじ込み深さ:±0.5mm程度の差異

これらの差異は、特に狭小スペースでの施工や精密な配管システムにおいて問題となる可能性があります。そのため、設計段階から余裕を持った寸法計画を立てることが重要です。

 

🛠️ 実測による確認方法
現場では以下の計測器具を使用した実測確認を推奨します。

  • ノギス:±0.1mm精度での寸法確認
  • ねじゲージ:ねじ精度の確認
  • 六角レンチセット:対辺寸法の実際確認

角ニップル施工での寸法管理のコツ

角ニップルの施工において、寸法管理は漏水防止と施工効率向上の両面で極めて重要です。経験豊富な配管工が実践している寸法管理のコツをご紹介します。

 

📏 ねじ込み深さの管理
ねじ込み深さ(E)は、接続の信頼性を決定する最重要寸法です。JIS規格では有効ねじ山数が規定されており、これを下回ると接続強度が不足します。

  • 小径(6A-15A):最低5山以上のねじ込み
  • 中径(20A-40A):最低6山以上のねじ込み
  • 大径(50A以上):最低7山以上のねじ込み

実際の施工では、規定値の1.2倍程度のねじ込み深さを確保することで、経年変化による緩みを防止できます。

 

🔧 トルク管理と寸法の関係
角ニップルの締付けトルクは寸法精度に直接影響します。

呼び径 推奨締付けトルク 六角対辺寸法
15A 40-50N・m 26mm
20A 60-70N・m 32mm
25A 80-90N・m 38mm
32A 100-120N・m 46mm

過度な締付けは角ニップル本体の変形を招き、結果として寸法精度の悪化や漏水の原因となります。

 

⭐ 現場での寸法トラブル回避術

  • 事前計測:施工前に全ての角ニップルを実測し、図面寸法との整合性を確認
  • 予備品確保:寸法不適合時の即座対応のため、各サイズの予備品を現場に常備
  • 施工記録:使用した角ニップルの実寸法を記録し、メンテナンス時の参考資料として保管

角ニップル寸法規格|JIS基準解説

角ニップルの寸法規格は、主にJIS B 2301「ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手」とJIS B 2308「ねじ込み式ステンレス鋼製管継手」によって規定されています。

 

📋 JIS B 2301準拠寸法(可鍛鋳鉄製)
この規格は最も一般的な角ニップルの基準となっており、以下の寸法体系で構成されています。

  • 呼び径:6A~150A(1/8"~6")
  • 全長公差:±2mm以内
  • ねじ精度:PT(管用テーパねじ)JIS B 0203準拠
  • 六角対辺公差:±0.5mm以内

🔬 JIS B 2308準拠寸法(ステンレス鋼製)
ステンレス製角ニップルは、耐食性を重視した設計となっており、可鍛鋳鉄製とは一部寸法が異なります。

  • 材質:SCS13A(鋳造品)またはSUS304(鍛造品)
  • 耐圧性能:常温で2.0MPa、150℃で1.5MPa
  • 表面仕上げ:Ra3.2μm以下の精密仕上げ

🏭 製造公差と品質管理
JIS規格では、角ニップルの寸法精度について厳格な基準が設定されています。

  • 全長寸法:基準値の±2%以内
  • ねじ精度:6H級(中級精度)
  • 真円度:直径の0.5%以内
  • 表面粗さ:Ra6.3μm以下

これらの基準を満たすため、製造メーカーでは以下の品質管理を実施しています。

  • 三次元測定機による全数検査
  • ねじ精度の専用ゲージによる確認
  • 材質証明書の発行と追跡管理

角ニップルメーカーの品質管理体制について詳細情報
https://www.ckmetals.co.jp/

角ニップル寸法不具合トラブル対策

角ニップルの寸法不具合は、配管システム全体の性能に重大な影響を与える可能性があります。現場で発生しやすいトラブルとその対策方法について解説します。

 

⚠️ 主要な寸法不具合パターン
1. ねじ込み不足による漏水

  • 原因:ねじ込み深さ不足、ねじ山の摩耗
  • 症状:接続部からの微量漏水、圧力低下
  • 対策:規定深さの120%まで追加ねじ込み、シールテープの適切な使用

2. 過大トルクによる変形

  • 原因:規定値を超える締付けトルク
  • 症状:六角部の変形、ねじ山の損傷
  • 対策:トルクレンチの使用、段階的締付け

3. 寸法不整合による接続不良

  • 原因:異なるメーカー品の混在使用
  • 症状:ねじ込み困難、ガタつき
  • 対策:同一メーカー品での統一、互換性事前確認

🛠️ 現場での応急対策
寸法不具合が発生した場合の応急対策として、以下の方法が有効です。

  • ねじ込み深さ不足:高品質シールテープの重ね巻き(3-5回転)
  • 軽微な変形:専用工具による形状復元
  • ねじ精度不良:ねじ修正ダイスによる再加工

📊 予防保全の重要性
定期点検による予防保全では、以下の寸法チェックを実施します。

点検項目 点検頻度 許容値 交換基準
ねじ込み深さ 年1回 規定値±10% ±20%超過時
六角変形 年1回 ±0.5mm ±1mm超過時
表面腐食 半年1回 軽微な変色 明確な腐食時

💡 長期使用における寸法変化
角ニップルは使用環境により寸法変化が生じます。

  • 熱膨張:100℃環境で約0.1%の寸法増加
  • 腐食による減肉:年間0.01-0.05mmの減少(環境依存)
  • 締付け応力:長期使用で六角部に0.1-0.2mmの永久変形

これらの変化を考慮した設計マージンの確保と、定期的な寸法測定による状態監視が重要です。

 

配管継手の長期信頼性に関する技術資料
https://www.monotaro.com/