
角ニップルの寸法は材質によって微細な違いがあります。以下は主要な材質別寸法表です。
白・黒ねじ込み式管継手(可鍛鋳鉄製)
呼び径 | 全長(L) | ねじ込み深さ(E) | 六角対辺(B) | 八角対辺(B) |
---|---|---|---|---|
6A | 32mm | 11mm | 14mm | - |
8A | 34mm | 12mm | 17mm | - |
10A | 36mm | 13mm | 21mm | - |
15A | 42mm | 16mm | 26mm | - |
20A | 47mm | 18mm | 32mm | - |
25A | 52mm | 20mm | 38mm | - |
32A | 56mm | 22mm | 46mm | - |
40A | 60mm | 23mm | 54mm | - |
50A | 66mm | 25mm | - | 63mm |
ステンレス製ねじ込み式管継手(SUS304)
呼び径 | 全長(L) | ねじ込み深さ(E) | 六角対辺(S) | 八角対辺(S) |
---|---|---|---|---|
6A | 28mm | 10mm | 12mm | - |
8A | 34mm | 12mm | 14mm | - |
10A | 36mm | 13mm | 17mm | - |
15A | 42mm | 16mm | 22mm | - |
20A | 47mm | 18mm | - | 27.5mm |
25A | 52mm | 20mm | - | 34.5mm |
ステンレス製は耐食性に優れており、特に水道設備や化学プラントで重宝されます。可鍛鋳鉄製と比較すると、同じ呼び径でも若干寸法が異なる場合があるため、交換時は必ず寸法確認が必要です。
角ニップル選定時の寸法確認は施工品質を左右する重要な工程です。以下のポイントを押さえることで、現場でのトラブルを未然に防げます。
🔍 必須確認項目
⚠️ 注意すべき寸法差異
角ニップルは製造メーカーによって微細な寸法差が存在します。特にステンレス製と黄銅製では、同一呼び径でも以下の差異が生じる場合があります。
これらの差異は、特に狭小スペースでの施工や精密な配管システムにおいて問題となる可能性があります。そのため、設計段階から余裕を持った寸法計画を立てることが重要です。
🛠️ 実測による確認方法
現場では以下の計測器具を使用した実測確認を推奨します。
角ニップルの施工において、寸法管理は漏水防止と施工効率向上の両面で極めて重要です。経験豊富な配管工が実践している寸法管理のコツをご紹介します。
📏 ねじ込み深さの管理
ねじ込み深さ(E)は、接続の信頼性を決定する最重要寸法です。JIS規格では有効ねじ山数が規定されており、これを下回ると接続強度が不足します。
実際の施工では、規定値の1.2倍程度のねじ込み深さを確保することで、経年変化による緩みを防止できます。
🔧 トルク管理と寸法の関係
角ニップルの締付けトルクは寸法精度に直接影響します。
呼び径 | 推奨締付けトルク | 六角対辺寸法 |
---|---|---|
15A | 40-50N・m | 26mm |
20A | 60-70N・m | 32mm |
25A | 80-90N・m | 38mm |
32A | 100-120N・m | 46mm |
過度な締付けは角ニップル本体の変形を招き、結果として寸法精度の悪化や漏水の原因となります。
⭐ 現場での寸法トラブル回避術
角ニップルの寸法規格は、主にJIS B 2301「ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手」とJIS B 2308「ねじ込み式ステンレス鋼製管継手」によって規定されています。
📋 JIS B 2301準拠寸法(可鍛鋳鉄製)
この規格は最も一般的な角ニップルの基準となっており、以下の寸法体系で構成されています。
🔬 JIS B 2308準拠寸法(ステンレス鋼製)
ステンレス製角ニップルは、耐食性を重視した設計となっており、可鍛鋳鉄製とは一部寸法が異なります。
🏭 製造公差と品質管理
JIS規格では、角ニップルの寸法精度について厳格な基準が設定されています。
これらの基準を満たすため、製造メーカーでは以下の品質管理を実施しています。
角ニップルメーカーの品質管理体制について詳細情報
https://www.ckmetals.co.jp/
角ニップルの寸法不具合は、配管システム全体の性能に重大な影響を与える可能性があります。現場で発生しやすいトラブルとその対策方法について解説します。
⚠️ 主要な寸法不具合パターン
1. ねじ込み不足による漏水
2. 過大トルクによる変形
3. 寸法不整合による接続不良
🛠️ 現場での応急対策
寸法不具合が発生した場合の応急対策として、以下の方法が有効です。
📊 予防保全の重要性
定期点検による予防保全では、以下の寸法チェックを実施します。
点検項目 | 点検頻度 | 許容値 | 交換基準 |
---|---|---|---|
ねじ込み深さ | 年1回 | 規定値±10% | ±20%超過時 |
六角変形 | 年1回 | ±0.5mm | ±1mm超過時 |
表面腐食 | 半年1回 | 軽微な変色 | 明確な腐食時 |
💡 長期使用における寸法変化
角ニップルは使用環境により寸法変化が生じます。
これらの変化を考慮した設計マージンの確保と、定期的な寸法測定による状態監視が重要です。
配管継手の長期信頼性に関する技術資料
https://www.monotaro.com/