

可塑剤フリーシーリング材は、塩ビ系などに使われる可塑剤そのものを配合しないことで、ブリード現象の根本原因を断つ設計思想のシーリング材です。
一方、ノンブリードシーリング材は「ブリードしにくい」ように可塑剤の種類や添加量を抑制したタイプで、少量の可塑剤を含むケースが多く、長期的にはわずかなブリードの可能性が残ります。
ブリード現象は、シーリング材中の可塑剤が表面や周辺の仕上げ材に移行し、べたつきや黒ずみ、塗膜の変色・ふくれを引き起こす劣化モードです。mbp-japan+1
外壁塗装やサイディング改修では、仕上げ塗材の高耐候化が進み塗膜寿命が延びているため、シーリング材側も長期にわたって可塑剤が移行しない可塑剤フリーが、意匠性と耐久性の両立の観点から注目されています。tosouyasan13+1
可塑剤フリーシーリング材の主流は、1成分形変成シリコーン系ノンブリードタイプで、塗装との密着性と上塗り適性に優れ、サイディング目地や外壁改修の塗装下地として広く使用されています。
変成シリコーン系はシリコン系の耐候性とポリウレタン系の密着性をバランスよく併せ持つため、可塑剤フリーかつ低モジュラス設計とすることで、目地の動きに追従しながら外観を長期維持しやすいのが特長です。
一方、ポリウレタン系のノンブリードタイプは、目地部の振動や伸縮に対する追従性と水密性に優れ、床まわりやALC目地など動きが大きい部位にも採用されています。autochem+1
ただし、ポリウレタン系は紫外線に弱い側面があるため、可塑剤フリーであっても原則として上塗り塗装や押え材との組み合わせが前提であり、露出使用では設計耐用年数に注意が必要です。masukawakensou+1
近年の窯業系サイディング改修では、サイディングの再塗装を前提に、既存シーリング材を完全撤去したうえで、可塑剤フリーの変成シリコーン系ノンブリードシーリング材を打設し、その後に高耐候シリコンやフッ素樹脂塗料で仕上げる仕様が一般化しています。
この場合、可塑剤フリーにより目地部からのブリード汚染を抑制し、塗膜の変色や黒ずみ、汚れの筋だれを抑えることで、外観の経年劣化を均一にできる点が大きなメリットです。
ALC外壁では、目地幅が大きく動きも大きいため、低モジュラスかつ可塑剤フリーのシーリング材が推奨されるケースが増えています。
参考)シーリング材料の種類、特徴と使用適所 - 東京の大規模修繕工…
特に30年クラスの長期耐久シーリング材では、可塑剤の代わりに特殊ポリマーを配合することで、長期間にわたって弾性を維持しつつ、ブリードを抑える高耐久タイプが登場しており、改修仕様の差別化要素にもなっています。
参考)オートンイクシード|30年長持ちする長寿命シーリング材
可塑剤フリーシーリング材であっても、既存シーリング材を完全に撤去せず上から増し打ちすると、下層の旧シールから可塑剤がブリードして塗膜汚染を起こすため、可塑剤フリーのメリットが十分に発揮されません。
特に改修工事では、劣化して硬化・亀裂が入った既存シーリング材がブリード起点となることが多く、メーカーの施工要領が「既存シーリング材の完全撤去」を強く求めている点は軽視できません。
また、窯業系サイディングやALCなど多孔質下地では、プライマーを省略したり不適合なプライマーを用いると、界面からの剥離や水の浸入を招き、可塑剤と無関係な経路で汚れや白華が発生するリスクがあります。epaint+1
プライマーはメーカーが指定する品番を守ることに加え、塗布量・乾燥時間・施工温度範囲を厳守し、特に冬期の低温時には硬化時間の遅れによる内部水分の閉じ込めに注意する必要があります。autochem+1
あまり知られていない点として、可塑剤フリーシーリング材は可塑剤による粘度調整を行わないため、樹脂設計だけで作業性と硬化後性能を両立させる必要があり、結果的に初期粘度がやや高めでも長期の弾性保持に優れた「長寿命寄り」の配合になっている製品が少なくありません。
このため、打設時のガン圧がやや高く感じられる一方で、硬化後の肉やせやひび割れが少なく、10年以上経過しても目地の追従性が高い事例が報告されており、ライフサイクルコストの面で優位に働くことがあります。
さらに、塗装業者の立場から見ると、可塑剤フリーシーリング材を選定することで、塗膜汚染によるクレーム発生リスクが低減し、足場再設置や塗り直しといった高コストな再施工を回避しやすくなります。mbp-japan+1
発注者に対しても「可塑剤フリー・ノンブリード仕様」を仕様書や見積書に明記しておくことで、他社との差別化要素として提示しやすく、長期保証を付ける際の裏付けにもなる点は、現場管理者にとって大きなメリットです。bond+1
可塑剤フリーシーリング材とブリード現象・ノンブリードシーリング材の基礎解説に役立つ参考資料です。
シーリング材のノンブリードとは何か(コニシ株式会社 施工Q&A)