可塑剤 種類 と フタル酸エステル 規制

可塑剤 種類 と フタル酸エステル 規制

記事内に広告を含む場合があります。

可塑剤 種類

可塑剤の種類を建築目線で選ぶ要点
🧪
まず「系統」で当たりを付ける

フタル酸エステル/アジピン酸/トリメリット酸/リン酸/クエン酸など、原料(酸)の違いが性能の癖に直結します。

🏗️
建材トラブルは「移行・揮発」が原因になりやすい

ベタつき・汚れ・白化・他材へのにじみは、可塑剤が“動く”ことで起きやすく、選定と施工の両方で対策が必要です。

📜
規制と調達条件を先に確認

EU REACHではDEHP/DBP/BBP/DIBPが成形品の可塑化材料で0.1重量%未満など、用途によって縛りが出ます。

可塑剤 種類 と フタル酸エステル(DEHP DINP DIDP BBP)の特徴


可塑剤は化学構造としては「酸×アルコール」で作られるエステル化合物で、原料の組み合わせが増えるほど種類が増えます。代表的な酸にはフタル酸・アジピン酸・トリメリット酸・リン酸・クエン酸などが挙げられます。特に建築で遭遇頻度が高い軟質PVC(床材・壁紙・シート類など)の“柔らかさ”は、この可塑剤の選択と配合量で大きく決まります。
フタル酸エステル系は、相溶性(PVCになじむ)、可塑化効率、加工性のバランスが良く、長年「汎用の第一選択」になってきました。具体例として、DEHPは床材・壁紙・一般フィルム/シート等、DINPはフィルム/シート・高級レザー・電線、DIDPは低揮発性や耐熱老化性を活かして電線・レザー・床材等、BBPは相溶性や耐熱・耐候性を活かして床壁用タイル等に使われる、と整理できます。


参考)https://metall-mater-eng.com/index.php/home/article/download/768/439

建築従事者が押さえるべき実務ポイントは「同じPVCでも、可塑剤が違うと別物」という点です。例えば寒冷地の曲げ割れ対策なら“耐寒性”に強い系統が有利になりやすい一方、温度が上がる部位や長期使用では“耐揮発性(低揮発)”が効いてきます。現場で見える性能(硬さ・施工性)だけで決めると、数カ月〜数年後に表面汚れやべたつきとして回収されることがあるため、「種類」を性能の癖として覚えるのが安全です。

可塑剤 種類 と フタル酸エステル以外(DOA TOTM TCP ATBC)の使い分け

「フタル酸エステル以外」の代表例として、アジピン酸系DOA、トリメリット酸系TOTM、リン酸系TCP、クエン酸系ATBCなどがあります。各種の特徴と用途がある程度“型”で決まっているため、建材・設備用途ではこの型を知っておくと選定が速くなります。
たとえばDOA(アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル)は耐寒性やプラスチゾル粘度安定性が特徴とされ、塩ビシートやゴム加工などに使われます。TOTM(トリメリットトリオクチル)は耐熱電線被覆材や自動車内装材など、熱が絡む用途で名前が挙がりやすい可塑剤です。

TCP(リン酸トリクレシル)は難燃性可塑剤としての位置づけがあり、樹脂やエンプラ用途などにも使われます。ATBC(アセチルクエン酸トリブチル)は食品包装用フィルムなどに用途が示されており、いわゆる“用途制約が強い現場”で候補に入ることがあります。

参考:代表的可塑剤の種類・特徴・用途の表(フタル酸/非フタル酸の一覧)
http://www.kasozai.gr.jp/plasticizer/

可塑剤 種類 と 規制(REACH フタル酸 DEHP DBP BBP DIBP)を建材調達に落とす

建築材料は「材料そのもの」だけでなく、現場に入る副資材(シーラント接着剤、仕上げコート等)まで含めてサプライチェーンが長く、規制対応の確認漏れが起きがちです。EUのREACH規則では、フタル酸の制限対象がDEHP/DBP/BBPの3種からDEHP/DBP/BBP/DIBPの4種に拡大され、対象も玩具等から「全ての成形品」の可塑化材料へ拡大する改正が示されています。
基準値は、可塑化材料中の対象フタル酸(合計またはそれぞれ)が0.1重量%未満といった形で運用されます。さらに「可塑化材料」の定義にはPVC等のポリマーだけでなく、表面コーティング、仕上げコーティング、プリント、接着剤、シーラント、塗料、インクなども含まれると整理されており、建築の“周辺材”まで範囲に入る点が実務上重要です。


参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9002721/

調達時は、SDSの記載確認だけで終わらせず、混合物・成形品の含有証明(閾値、対象物質、用途)をセットで揃えるのが安全です。特に海外案件や施主のグリーン調達条件がある案件では、材料選定の早い段階で「フタル酸エステルが含まれる可能性のある部位」を洗い出し、代替(ノンフタル酸系・別材料・設計変更)まで含めて判断すると手戻りが減ります。

参考:REACHのフタル酸規制改正点(対象・基準値・定義・免除の整理)
https://www.kaken.or.jp/topics/detail/152

可塑剤 種類 と 移行・揮発・汚れ(建築クレームの原因)

建築で厄介なのは、可塑剤が“添加剤”であり、樹脂に化学結合して固定されているわけではない点です。この前提を知っているだけで、床材の黒ずみ、壁紙のべたつき、目地材の汚染、塗膜の軟化といった「原因が特定しづらい不具合」を、可塑剤起点で疑えるようになります。
現場で起きやすい現象は大きく2系統あります。


  • 揮発:時間と温度で表面から抜け、硬化・脆化や臭気につながる(耐揮発性がキー)。​
  • 移行:隣接材料(ゴム、塗膜、接着層、汚れ粒子など)へ移って、べたつき・汚染・密着不良を誘発する(相溶性や分子量、系統がキー)。​

意外に見落とされがちなのが「見た目の清掃性」と可塑剤の関係です。表面が微妙に軟化していると、粉じんが刺さるように付着し、通常の洗剤では落ちにくい“くすみ汚れ”になります。クレーム対応では清掃方法の議論になりやすいですが、材料側(可塑剤種類・配合)の時点で汚れ方の傾向が変わるため、要求性能に「防汚」「耐移行」を明記してサプライヤーと擦り合わせるのが有効です。

可塑剤 種類 と 施工の独自視点(現場での簡易チェックと仕様書の読み方)

独自視点として、現場での「やってはいけない判断」を先に挙げます。可塑剤の種類は、製品名や“ノンフタル”表示だけでは特定できないことが多く、同じ「PVC床材」でも配合設計が違えば、耐汚染・耐熱・耐寒・臭気・経時硬化の出方が変わります。だから「似ているから代替できる」「同等品だから大丈夫」という置換は、後から効いてくるクレーム要因になります。
実務で効くのは、仕様書とSDSの読み方をルール化することです。


  • 用途温度が高い/熱源が近い:低揮発(耐揮発性)・耐熱の系統を優先候補にする(例:TOTMが耐熱電線被覆材用途として示されている)。​
  • 寒冷地・可とう性重視:耐寒性の特徴が示される系統を候補に入れる(例:DOAが耐寒性の特徴として示されている)。​
  • 接着・塗装・シーリングが絡む:REACHの定義上も接着剤・シーラント・塗料が可塑化材料に含まれ得るため、供給元に含有証明を要求する。​

現場の簡易チェック(“確定”ではなく切り分けの当たり付け)としては、同一環境での経時のべたつき、拭き取り時の油膜感、周辺材へのにじみの有無を記録し、材料ロット・施工条件(温湿度、養生、洗剤)とセットで追うのが有効です。可塑剤は「入れた瞬間の性能」より「時間とともに動く挙動」が怖いので、仕様決めの時点で“経時の汚染・移行”を要求性能に入れておくと、後追いコストを抑えられます。




塩ビゾル コバゾール 塩ビ:可塑剤=10:10 450ml 雷魚 ライギョ フロッグ カバーゲーム チューニング