ケーブル用防火パテと防火区画貫通部施工要領

ケーブル用防火パテと防火区画貫通部施工要領

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ケーブル用防火パテと防火区画

ケーブル用防火パテの要点
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法令と認定を先に決める

防火区画の貫通部は「不燃材料で埋める」か「国土交通大臣認定工法」など、根拠を先に固定すると手戻りが減ります。

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施工は清掃・密着・厚み

開口部の清掃、隙間ゼロの充填、所定の厚み確保が性能の芯です。見た目が良くても内部に空隙があると危険です。

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占積率と追加通線を管理

認定工法では占積率など付帯条件が重要です。後日の追加通線で条件逸脱しやすいのでラベル・写真・台帳で管理します。

ケーブル用防火パテの防火区画と国土交通大臣認定工法の基本


防火区画(壁・床)をケーブルが貫通する部分は、火炎や煙の通り道になりやすく、区画の性能を維持するために「区画貫通部」の防火措置が必要です。
建築基準法施行令では、防火区画を貫通する配管等について「隙間をモルタルその他の不燃材料で埋める」等の考え方が示され、ケーブルの区画貫通部も同様の枠組みで整理されています。
さらに、規定以外の材料・工法で成立させる場合は、性能試験を経て国土交通大臣認定を取得した工法であることが求められる、という運用が明確に示されています。
現場で混同しやすいのが「不燃材料認定の材料」と「区画貫通部としての工法認定」です。たとえば耐火パテの製品ページには不燃材料認定(例:NM番号)をうたうものがありますが、区画貫通部としては“材料そのもの”ではなく“構成(壁種・開口寸法・充填厚・占積率など)込み”で適合確認するのが基本です。


参考)製品情報

要点は、ケーブル用防火パテを選ぶ前に「どの区画を貫通しているか」「求められる時間(例:60分等)」「採用できる工法の認定範囲」を先に確定させることです。


・参考(区画貫通部の法令・大臣認定の考え方、占積率、性能条件の説明)
CFAJ「ケーブル配線の区画貫通部防火措置工法 Q&A(2020)」PDF

ケーブル用防火パテの施工方法と隙間・清掃・厚みの実務

耐火パテの基本動作はシンプルで、「ケーブルや配管を通した後、貫通穴の隙間をパテで埋める」という工程になります。
ただし実務では、性能差の大半は“埋め方の丁寧さ”に出ます。施工要領書では、作業前に開口部を清掃し、ボード内面まで隙間なく充填すること、さらに開口部に対してパテの被り(例:10mm以上)を確保することなど、空隙を作らない指示が明記されています。
この「被り」「内面まで」「隙間なく」は、完成後に外観だけ見ても判定しにくいので、施工中の写真(充填途中→仕上げ)を残すと検査・引渡しが強くなります。
施工で起きがちな不具合と対策は次の通りです。


  • ❌ 開口周辺に粉じん・油分が残る:密着低下や剥離の原因になり得るため、清掃を工程として固定する。

    参考)https://www.nitto-kasei.co.jp/file_viewer/NewsFile/22

  • ❌ 仕上げ面だけ埋まって中が空洞:要領書どおり内面まで詰め、押し込む回数を決めて施工者ごとの差を減らす。​
  • ❌ ケーブル周囲に“細い隙間”が残る:ケーブル束の根元は特に残りやすいので、ケーブル周囲を重点的に確認する。​
  • ❌ 厚み不足:認定工法では厚み条件が性能に直結するため、定規やゲージを使って数値で確認する運用が有効です。

なお、貫通部の条件によっては「パテ単体でOK」ではなく、補助金具や別材料(モルタル等)との組合せ、片側・両側の施工条件が指定されます。施工マニュアルには、鋼製電線管が両側1m以上突出している条件や、不燃材料での埋め戻しなど、条件分岐が具体的に書かれています。


参考)https://www.taihei-shoko.co.jp/pdf/product/product02_manual_pate.pdf

・参考(具体的な施工条件・分岐、鋼製電線管の突出条件など)
「防火区画貫通部におけるパテの使用方法」PDF

ケーブル用防火パテの占積率と開口部管理(追加通線で壊れるポイント)

ケーブル貫通部では、開口面積に対するケーブル断面積の比率として「占積率」が定義され、認定工法では最大占積率などの付帯条件が定められています。
占積率は \(占積率(%)=(ケーブル総断面積/開口面積)×100\) の考え方で整理され、認定工法の条件を守って施工することが求められます。
つまり、初回施工が完璧でも「後からケーブルを追加した瞬間に条件逸脱」しやすく、そこが現場トラブル(是正・やり直し・工期遅延)の温床になります。
追加通線で崩れないための運用(施工者・監理者・元請が合意しやすい現実解)は次です。


  • 🧾 工法表示ラベル・施工情報の残置:大臣認定番号、施工会社、施工年月等を表示するラベル制度が紹介されており、改修時の手掛かりになります。
  • 📷 写真台帳:開口寸法、充填材料のロット、厚み確認、施工完了面の写真を残すと、追加工事時に「どこまで触っていいか」が判断しやすいです。
  • 🧮 追加前の占積率チェック:追加するケーブル仕様が確定した段階で占積率を再計算し、必要なら開口を分割・増設して“認定範囲内”に戻します。

意外と見落とされるのが「ケーブル撤去」でも密度や充填状態が変わりうる点です。協議会資料では、撤去により充填密度が低下するため追加充填が必要になる旨が述べられており、撤去=リスクゼロではありません。


ケーブル用防火パテの不燃材料・難燃材料と配管条件(PF管・CD管・金属管)

区画貫通部では、ケーブルだけでなく「一緒に通る配管種別」が適否を左右します。特に樹脂管(PF管・CD管など)は扱いが厄介で、資料では防火区画の貫通部にPF管を直接貫通させて使用できない、と明記されています。
一方で、両側1m以内を不燃材料の管にする等の条件を満たし、隙間を不燃材料(モルタル等)で埋める構成なら成立する、という整理も示されています。
この「1m」という数字は設計・施工の早い段階で押さえておかないと、後から納まり変更が起きて痛い出費になりがちです。
また、金属管(鋼製電線管等)の扱いでは、両側1m以上突出などの条件を満たす場合と、満たさない場合で必要な対応が変わることが施工マニュアルに書かれています。

条件を満たさない場合は国土交通大臣認定工法による施工が必要になる、という注意書きがあり、「パテで埋めたからOK」とはならない点が重要です。

材料名としての「不燃」「準不燃」「難燃」も誤解されがちですが、協議会資料では不燃材料の技術的基準(燃焼しない・有害な損傷がない・有害な煙やガスを発生しない等)が整理されています。


現場では、材料のグレード表記だけで判断せず、「その材料が“どの工法の一部”として評価されているか」を確認する癖を付けると事故が減ります。


ケーブル用防火パテの独自視点:検査で強い「触らない運用」と表示・改修設計

検索上位の解説は施工手順中心になりやすい一方、実際に揉めるのは“施工後”です。協議会資料では、工法表示ラベルに「上に乗らない」「追加・除去は相談」等の注意が例示され、運用まで含めて品質を維持する発想が示されています。
この観点を現場に落とすと、ケーブル用防火パテは「作った瞬間に完成」ではなく、「改修・更新が前提の設備として維持管理される部位」になります。
そこで効くのが、次の“触らない運用”です。


  • 🚧 物理的に触れにくい納まり:点検口の位置、EPS内の作業姿勢、支持材の配置を調整し、防火措置部に体重が乗らない動線を作る。
  • 🏷️ 貫通部の識別性:ラベル、番号付け、図面へのプロットで「どの認定で、どこが対象か」を一目で分かる状態にする。
  • 🔁 改修の“前提”を契約・手順に入れる:追加通線時は占積率と付帯条件を再確認し、必要なら認定取得社や確認検査機関へ事前相談する流れが推奨されています。

意外な落とし穴として、施工後に別業者が「隙間が気になるから」とシーリング材等を足してしまい、認定工法の前提材料が変わるケースがあります。資料では、性能評価書に記載された材料を使ってその通り施工して初めて大臣認定工法と言える、という趣旨が明確に述べられています。


つまり、善意の“追いパテ”“追いシール”が、法的・品質的にはリスクになる可能性があるため、追加措置は認定取得社に確認してからが安全です。




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