キー溝規格とJISと平行キー寸法公差

キー溝規格とJISと平行キー寸法公差

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キー溝規格とJISと平行キー

キー溝規格の要点(現場で困る所だけ)
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寸法は「b×h」だけで終わらない

キー溝は幅b1/b2だけでなく、深さt1/t2、底R(r1/r2)、形(滑動形/普通形/締込み型)まで規格で前提が変わります。

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軸とハブで「当たり」を作る思想

JIS表の注記どおり、太い軸に流用するならt1/t2を修正して側面当たりを均等化するのが基本です。

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括弧付き呼び寸法は新設計で避ける

(7×7)(15×10)等の括弧付きは国際規格に無いので「新設計には使用しない」前提で設計・調達を揃えます。

キー溝規格のJISと平行キーの基本(b×hと軸径)


建築設備でも、送風機・ポンプ・減速機まわりの回転体は「軸」と「ハブ(プーリやカップリング等)」を確実に結合する必要があり、その代表が平行キーとキー溝です。キー溝規格の核は、キーの呼び寸法(例:10×8)を軸径の範囲と結び付けて標準化し、互換性と調達性を確保する点にあります。
JIS B 1301(キー及びキー溝)の表では、キーの呼び寸法b×hに対して「適応する軸径d(目安)」が示され、たとえば10×8は軸径30~38mm、12×8は38~44mmといった対応関係を読み取れます(一般用途の目安でありトルク条件で変わる、という注記も重要です)。
ここで混乱しやすいのが「b×h=キー材のサイズ」だけを見て、キー溝加工まで同一だと思い込むことです。実際はキー溝側にも、幅(b1/b2)・深さ(t1/t2)・底R(r1/r2)・許容差(例:H9、D10など)が定義されており、図面や発注でそこを曖昧にすると、現場で“入らない”“ガタが出る”“当たりが偏る”に直結します。

  • 覚え方:呼び寸法b×hは「キー材側の基準」、b1/b2やt1/t2は「溝側の成立条件」。
  • 建築従事者の実務:設備更新で既設軸を流用する場合ほど、規格表(特にt1/t2と許容差)を見ずに部品だけ手配しがち。

参考:JIS B 1301(1996)に基づく沈みキーとキー溝の寸法表(b1/b2、t1/t2、許容差、適応軸径の読み取りに有用)
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td01/a0061.html

キー溝規格の寸法公差(b1 b2 t1 t2 H9 D10)

キー溝規格を“規格”たらしめているのは、寸法の数値そのものよりも「公差の考え方」です。JISの表では、キー溝幅がb1/b2として示され、形態(滑動形・普通形・締込み型)に応じて許容差記号が変わります(例:滑動形はH9、普通形はN9、締込み型はP9など)。
この違いは、現場感で言うと「動かして抜き差ししたい(滑動)」のか「通常の固定(普通)」なのか「締め込んでガタを極小化したい(締込み)」なのか、運用思想そのものです。公差の選択を誤ると、同じ呼び寸法でも“入らない側”や“ガタが大きい側”に転びます。特に据付後に分解整備があり得る機器(ポンプの軸封周り、ファンのプーリ交換など)では、滑動形を選ぶメリットが出る一方、トルクや衝撃が大きい用途では別のリスクも出ます。
さらに、深さt1/t2にも許容差が与えられており、表では「t1及びt2の許容差」がまとめて規定されています。 ここを軽視してキー溝を“見た目の深さ”で加工すると、キー側面でなく上面・下面で当たってしまい、締結が不安定になります(トルクが伝わっているように見えて、実は局所当たりで潰れていくパターンが起きやすい)。

  • 発注で最低限書く:呼び寸法(例:12×8)+形(滑動/普通/締込み)+適用規格(JIS B 1301準拠)
  • 検査で見る:b1/b2の実測だけでなく、キーの側面当たり(塗料・光明丹などで当たり確認)もセットで考える

キー溝規格の底Rと面取り(r1 r2 C)

キー溝は直角コーナーに見えて、規格上は「底R(r1/r2)」がきちんと設定されます。JIS表でも、キー溝の項目としてr1及びr2が示され、サイズ帯により0.08~0.16、0.16~0.25…のように範囲指定されています。
底Rを見落とすと、加工はできても成立しないことが起きます。たとえばキー材の角が立っている(または面取りが不足している)場合、溝底のRに干渉して“最後まで入らない”のに、現場ではハンマーで叩いて無理やり入れてしまうことがあり、これがキーの座屈やハブ側のバリ噛み、さらには分解不能につながります。
また、こう配キーの表では「45°面取り(C)の代わりに丸み(r)でもよい」と注記されており、端部の処理が規格の一部として扱われています。 つまり、端部面取りは“美観”ではなく、組立性・かじり防止・応力集中の緩和という機能要件です。

  • 現場のコツ:キー材の両端に軽い面取り(または丸み)を入れるだけで、組立性と再分解性が一気に上がる。
  • 図面の落とし穴:キー溝幅だけ描いて、底Rや面取り条件を書かないと、加工者の慣習に委ねられてばらつく。

参考:JIS B 1301(1996)抜粋で、こう配キーのC(面取り)やキー溝寸法がまとまっている(面取り注記の確認に便利)
https://www.nbk1560.com/resources/other/article/technical-09-keys-and-their-corresponding-keyways/

キー溝規格のこう配キーと滑動形(保全と据付の観点)

キー溝規格は平行キーだけでなく、こう配キー(テーパキー)も同じ枠組みで整理されています。こう配キーの表では、キー本体寸法(b、h、h1)、長さℓの推奨系列、キー溝の幅・底R・深さがまとまっており、さらに軸径の目安も示されます。
建築設備の据付・保全という観点では、こう配キーは“抜きやすさ・締めやすさ”がメリットになる一方、扱いを誤ると芯出しやガタ管理が難しくなります。たとえば現場で「緩いから追い込む」といって過剰に叩き込むと、ハブが軸方向にずれてプーリ位置が変わり、Vベルトの平行度や張力に影響して異音・偏摩耗を誘発します(キー溝の成立はしても、設備全体の成立が崩れる)。
また、滑動形の発想は“分解整備が前提”の設備ほど効きます。JISの表は滑動形・普通形・締込み型の溝幅許容差を区別しているため、保全方針(定期分解の有無、現場での抜き差し頻度)とセットでキー溝規格を選ぶのが、結果的にライフサイクルコストを下げます。

  • 据付チェック:ハブの軸方向位置(プーリの位置決め)とキーの締結を分けて管理する。
  • 保全チェック:次回分解を想定し、キー頭や端面に工具が掛かる余地を確保する。

キー溝規格の独自視点:既設流用でt1 t2を修正する判断

検索上位の解説では「表の寸法を使う」が中心になりがちですが、実務で本当に効くのは“既設流用の判断”です。JISの注記には、適応軸径より太い軸を用いてもよいが、その場合はキーの側面が軸およびハブに均等に当たるようにt1及びt2を修正するのがよい、と明記されています。
ここが意外と知られていない理由は、キー溝を「幅公差の世界」だと思い込んで、深さ(t1/t2)を“固定値”として扱ってしまうからです。ところが、更新工事では「既設軸は太い」「でも手配できたハブは標準穴加工」「キー材は手に入る」など、規格同士の整合が現場で崩れます。そのときにt1/t2を“当たりを作る調整量”として扱えるかどうかで、仕上がりの信頼性が分かれます。
具体的には、キーが上面で当たっている(浮いている)状態は、側面でトルクを受けるはずの設計思想から外れます。逆に、側面当たりが均等なら、多少の寸法差があっても安定しやすく、かじりや局所潰れのリスクを下げられます(もちろん、過度な修正は強度や肉厚にも影響するため、加工前にハブ側の有効肉厚や応力集中も確認が必要です)。

  • 現場での簡易確認:仮組み→当たり確認→t1/t2の調整指示、の順に進めると手戻りが減る。
  • 発注の言い方:キー溝規格(JIS B 1301準拠)+「側面当たり均等を優先」など、機能要求を一言添える。




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