旧jis ネジ規格 違い ピッチ 判別 現在

旧jis ネジ規格 違い ピッチ 判別 現在

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旧jis ネジ規格 基本知識と現在の状況

旧JISネジ規格の基本概要
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規格の歴史と移行

1960年代に現在のISO規格へ移行した古いJIS規格のメートルネジ

⚙️
主な違い

M3・M4・M5のピッチが現行規格より大きく設定されている

🔧
現在の使用状況

特定の業界や古い設備で依然として使用されている

JISネジ規格は、1960年代まで使用されていた日本の工業規格で、現在のISO規格(新JIS規格)とは異なる寸法基準を持っています。正式には「JISねじ」と呼ばれ、昭和39年まで使用されていた規格の略称です。
現在では基本的に使用されることはありませんが、建築関係や船舶用品、文房具の一部で依然として利用され続けています。これは、ISO統合以前の日本特有の規格が実務上まだ多くの業界で必要とされているためです。
旧JIS規格が現在でも残存している理由として、古い設備や建造物のメンテナンス時に、既存のネジ穴に適合するネジが必要になるケースが挙げられます。特に建築業界では、リノベーションや改修工事において、元の仕様と同じ規格のネジを使用する必要性が高いのです。

 

旧jis ネジ規格 ピッチ 寸法表と詳細データ

旧JIS規格の最大の特徴は、M3、M4、M5におけるピッチの違いです。以下の表は、旧JIS規格と現行ISO規格(新JIS規格)のピッチ比較です:
ピッチ比較表

ねじの呼び 旧JIS規格 新JIS規格(ISO)
M3 0.6mm 0.5mm
M4 0.75mm 0.7mm
M5 0.9mm 0.8mm

旧JIS規格のメートル並目ねじの詳細寸法は以下の通りです:
旧JIS規格メートル並目ねじ寸法表(抜粋)

ネジの呼び ピッチ P ヒッカカリの高さH1 外径d 有効径d2 谷の径d1
M3 0.6 0.325 3.000 2.610 2.350
M4 0.75 0.406 4.000 3.513 3.188
M5 0.9 0.487 5.000 4.415 4.026
M5.5 0.9 0.487 5.500 4.915 4.526

これらの寸法は、現在の建築現場でも時折必要となることがあります。例えば、昭和時代に建設された建物の改修工事では、既存の金具やブラケットが旧JIS規格で作られているケースが散見されます 🏗️。

 

旧jis ネジ規格 判別方法と見分け方のポイント

旧JIS規格のネジを現行規格と判別する方法は複数あります。最も確実な方法は、ピッチの違いを利用した判別です。
視覚的判別方法

  • ナベ小ねじの頭部に注目する 🔍
  • 新JIS規格のナベ小ねじには頭部に窪みが付いている
  • 旧JIS規格には窪みがない(ただし現行JISでは窪みの規定は削除されている)

物理的判別方法

  • 両者のねじ部を重ねてピッチの違いを確認する
  • 旧JISの方がピッチが大きいため、ねじ山が合わない
  • メートルねじなのにピッチが合わない場合は旧JIS規格の可能性が高い

刻印による判別

  • 新JIS規格には特定の刻印がある場合が多い
  • ただし、刻印がないからといって必ずしも旧JIS規格とは限らない

建築現場では、既存の設備に合うネジを選定する際、まずピッチゲージで確認することが重要です。特に電気設備や配管工事において、古い建物では旧JIS規格のネジが使用されていることが多く、適切な判別が工事の品質に直結します ⚡。

 

興味深いことに、旧JIS規格のネジは現在でも限定的に市販されています。ナベ、皿、トラスの小ねじは小箱単位で販売されており、キャップスクリュー六角ボルトも少量在庫が残っているメーカーがあります。

旧jis ネジ規格 現在の入手方法と市場動向

旧JIS規格のネジは現在でも入手可能ですが、市場での取り扱いは限定的になっています。
現在の入手状況

  • ナベ小ねじ、皿小ねじ、トラス小ねじ:小箱単位で市販されている
  • キャップスクリュー、六角ボルト:在庫限りの販売
  • 六角ナット:特定のメーカーでバラ売り対応

販売チャネル

  • 専門のネジ販売店での取り扱い 🏪
  • 工業用品商社の特注対応
  • オンラインでの専門業者からの購入

価格動向
旧JIS規格のネジは製造量が少ないため、一般的なISO規格のネジと比較して価格が高めに設定されています。例えば、六角ナット(旧JIS M3)は1個あたり1.61円(税込)で販売されているケースがあります。
建築業界では、改修工事や補修工事において旧JIS規格のネジが必要になるケースが多いため、事前に在庫状況を確認し、必要数量を計算しておくことが重要です。特に大規模な改修プロジェクトでは、調達期間を考慮した工程管理が必要となります 📊。

 

旧jis ネジ規格 建築現場での実用的な活用場面

建築現場において旧JIS規格のネジが必要となる具体的な場面は多岐にわたります。

 

主な使用場面

  • 昭和時代建築物の改修・補修工事 🏢
  • 古い電気設備の配線器具交換作業
  • 既存金具の交換・補強工事
  • 文化財建築物の修復作業

工事種別による使用頻度

  • リノベーション工事:高頻度で遭遇
  • 設備更新工事:配管支持金具で使用
  • 耐震補強工事:既存アンカーとの接続
  • メンテナンス工事:交換部品として必要

特殊な用途例
船舶用品や文房具の一部で使用されている細目規格の場合、建築関連では船舶内装工事や特殊設備の設置で遭遇することがあります。また、産業機械の古い型式では、メンテナンス部品として旧JIS規格のネジが指定されているケースも存在します ⚙️。
実務上の注意点として、旧JIS規格のネジを使用する際は、強度計算や耐久性の検討が必要です。現行規格と微妙に寸法が異なるため、安全率の再計算や構造的な影響を慎重に評価する必要があります。

 

調達における工程管理のポイント

  • 工事開始前の事前調査で使用ネジの規格確認
  • 旧JIS規格が判明した場合の調達期間の確保(通常より2-3週間長め)
  • 予備数量の確保(再入手困難なため10-20%多めに調達)
  • 代替案の検討(可能な場合は現行規格への変更も視野に)

旧jis ネジ規格 品質管理と検査方法の実践

建築現場で旧JIS規格のネジを使用する際の品質管理は、現行規格以上に慎重に行う必要があります。

 

品質検査の重要ポイント

  • ねじゲージによる寸法確認 📏
  • ピッチの正確性チェック
  • ねじ山の摩耗状態確認
  • 材質・表面処理の適合性検査

検査機器と方法

  • メートルネジプラグゲージ(旧JIS2級ねじ用)の使用
  • 限界式による合否判定方式
  • 通り側ゲージと止まり側ゲージでの二段階検査

現場での実践的検査手順

  1. 外観検査:傷、変形、腐食の確認
  2. 寸法検査:ゲージによるピッチ確認
  3. 嵌合検査:実際のねじ穴との適合性確認
  4. 締付トルク確認:適正な締付力の確認

古い規格のネジは製造時期によって品質にばらつきがある可能性があるため、現場での全数検査が推奨されます。特に構造上重要な箇所に使用する場合は、抜取検査ではなく全数検査を実施することが安全管理上重要です 🔒。

 

品質記録の管理
旧JIS規格のネジを使用した場合は、使用箇所、規格、数量、検査結果を詳細に記録し、将来のメンテナンス時に参照できるよう管理することが重要です。これにより、次回の改修工事でも適切な部材選定が可能となります。

 

品質管理の観点から、旧JIS規格のネジは「特殊材料」として扱い、一般的なネジとは別の管理フローで取り扱うことが建築現場での実務上の重要なポイントとなります。