御影石タイルとlixilで外壁・玄関を仕上げる選び方

御影石タイルとlixilで外壁・玄関を仕上げる選び方

記事内に広告を含む場合があります。

御影石タイルとlixilを使った外壁・玄関の施工と選び方

磁器質の御影石タイルは、撥水処理がなくても天然石よりはるかにメンテナンスが少ない。


この記事のポイント
🪨
LIXILの御影石タイルは接着剤専用

インテグレート セレクション[御影石タイプ]はモルタル施工が禁止されており、「はるかべ工法」専用の弾性接着剤での施工が必須。知らずにモルタルで施工すると剥離リスクが生じる。

💰
天然御影石との価格差は最大5倍以上

天然御影石は1㎡あたり9,000〜30,000円台。LIXILの御影石タイルは5,600円/㎡から。コスト・施工性・意匠性のバランスで選定する必要がある。

⚠️
磨き仕上げの屋外使用は滑落事故のリスクあり

御影石の本磨き仕上げは濡れると非常に滑りやすくなる。玄関ポーチや外構への採用は、防滑処理や表面仕上げの種類を慎重に選定することが安全上必須。


御影石タイルの基本特性とLIXIL製品ラインアップ


御影石(花崗岩)は、雲母・長石・石英などの鉱物結晶が集合してできた火成岩の一種です。建築業界では古くから外構・玄関・外壁などに幅広く使用されており、その重厚感と耐久性の高さから根強い人気を持ちます。天然御影石そのものは硬度が高く吸水率も低いため、屋外や水回りでも使用できる優れた建材ですが、施工の手間やコストが高い点が課題となってきました。


LIXILが展開する「インテグレート セレクション [御影石タイプ](品番:COM-A255)」は、こうした天然御影石の風合いを磁器質タイルで再現した外装壁用モザイクタイルです。材質はBⅠ(磁器質)・施釉仕上げとなっており、吸水率1%以下という性質を持ちます。これは、天然石全般に吸水性があるのとは異なる重要な特性です。天然御影石であっても採掘ロットによってはある程度の吸水性を示しますが、磁器質タイルは焼成温度1,200〜1,350℃の高温処理により内部が緻密化されているため、ほぼ水を吸いません。


カラーバリエーションはGN-1からGN-8の8色展開で、標準サイズ(目地共寸法300×300mm、実寸95×45mm)の50mm二丁紙張りタイプの他、コーナー部に使用する90°曲タイプや屏風曲タイプも用意されています。標準価格は5,600円/㎡(50mm二丁紙張りタイプ)と、天然御影石(1㎡あたり9,000〜30,000円台)と比べて材料費は大幅に抑えられます。たとえば30㎡の外壁を仕上げる場合、材料費だけで最大約73万円(天然石の高価格帯)と約17万円(本製品)という差が生じる計算です。これが条件です。


ただし重要な点として、全品番が注文生産品であるため、納期確認が必要です。また、300㎡以下の発注では価格割増が生じます。工期が厳しい現場では早めの発注・確認が欠かせません。


LIXILビジネス情報 | インテグレート セレクション [御影石タイプ] 製品仕様・副部材表・施工上の注意点が確認できる公式ページ


御影石タイルのはるかべ工法と施工上の絶対NGポイント

LIXILの御影石タイル(COM-A255シリーズ)は、接着剤張り専用商品です。これは単なる推奨ではなく、製品仕様書に明記された施工制限であり、モルタル施工およびタイル先付PCaパネル工法には適応していません。つまり、慣れた施工者がモルタル張りを選択した場合、剥離事故の原因になる可能性があります。これは知らないと損するポイントです。


LIXILが推奨する「はるかべ工法」は、変成シリコーン系接着剤(1液性)を下地にくし目コテで塗り付けてタイルを張る乾式工法です。モルタル施工との最大の違いは、接着剤の「弾性」にあります。モルタルは温度変化や乾燥収縮による下地の動きに硬直的に追随するため、せん断応力が高まると剥離に至るのに対し、はるかべ工法の弾性接着剤層は変形を吸収し、剥離に対して高い抵抗力を発揮します。外壁タイルの接着剤の耐用年数は一般的に20年程度とされており、長期的な安全性の観点からもモルタルより優位です。


はるかべ工法で注意すべき施工の実務的なポイントは以下のとおりです。


項目 内容
適用下地 コンクリート・モルタル・押出成形セメント板(60mm以上)・ALCパネル(100mm以上)
張付材オープンタイム 夏場:約30分 / 冬場:約60分
専用接着剤 EGR-V2SP または EGR-V2EW(屋外壁)
目地材 イナメジ(1.8〜2.4kg/㎡)
施工後の洗い 紙剥がし後、接着材硬化後に直ちに実施(紙糊の残存防止)


なお、はるかべ工法では深目地・細目地などの空目地意匠が可能になります。これはモルタル施工では実現が難しい意匠です。モルタルの場合、目地底部にせん断応力が集中して剥離しやすくなるため、JIS仕様ではタイル厚の1/2以上の目地詰めが求められますが、弾性接着剤は応力を大幅に緩和できるため、空目地仕上げの採用も現実的になります。これは使えそうです。


また、強くたたき押さえするとタイルが割れる原因になる点も、現場担当者が意識しておくべき注意点です。面段差の調整も「軽く押さえ付ける」動作で行うことが求められます。


御影石タイルの屋外・玄関施工で見落としがちな滑り対策

御影石は「耐久性が高く滑りにくい石材」と認識されている建築従事者も少なくありません。しかし実際には、磨き(本磨き)仕上げの御影石は乾燥時にはある程度の滑り止め効果がありますが、雨天時・濡れた状態では非常に滑りやすくなります。これは意外ですね。


実際に、黒御影石本磨き仕様の縁石が敷かれた建物外構で転倒事故が多発した事例が報告されています。長さ20mにわたって本磨きの御影石が歩道と並行に敷設された事例では、雨天時に多数の転倒者が発生し、防滑処理の専門業者が呼ばれるまでに至りました。屋内であれば入口付近のマットで対処できますが、屋外部分で事故が発生した場合、施工業者・設計者への損害賠償訴訟に発展するリスクも否定できません。


玄関ポーチや外構への御影石タイル採用を計画する場合は、表面仕上げの種類の選定が安全性に直結します。代表的な仕上げと特性を以下にまとめます。


仕上げ種類 特徴 屋外使用の安全性
本磨き仕上げ 鏡面光沢・高級感あり 🔴 濡れると滑りやすい
バーナー仕上げ 炎で表面を荒らした粗面加工 🟢 防滑性が高い
ジェットバーナー仕上げ バーナーより均一な粗面 🟢 屋外床に適する
割り肌仕上げ 自然な割れ面 🟡 凹凸が大きく歩行性に注意


LIXILの御影石タイルは壁面用製品が中心であるため、屋外床への転用は適切ではありません。屋外床・玄関床に御影石調の意匠を希望する場合は、LIXIL「外装床タイル」シリーズの中から、マイクロガードフロア加工やノンスリップ加工付きの商品を選定するのが基本です。


既存の御影石床に後から防滑処理を加える場合は、専用の防滑剤を塗布して石の表層に見えない微細な凹凸を作る工法(ASL工法等)が有効です。施工費用の目安は3,000〜7,000円/㎡程度で、美観をほぼ損なわずに防滑効果を付与できます。効果の持続性は5〜7年程度です。


ステップソリューション | 石材・タイルの滑り対策コラム ── 御影石・大理石の防滑処理工法と施工費用の目安が解説されているページ


御影石タイルと天然御影石のコスト・メンテナンス徹底比較

建築業従事者が御影石を採用する際の最大の判断基準は、天然御影石と御影石調タイルのどちらを選ぶかという点です。両者の違いを正確に理解することで、発注者への適切な提案と後のクレーム防止につながります。


天然御影石(300角)の材料費は1㎡あたり9,000〜30,000円台と幅があり、採掘産地や石種によって価格が大きく変わります。中国産や国内産などでランクが分かれており、同一の「御影石」でも見た目と価格が大きく異なる場合があります。


天然御影石の最大の懸念は「ロット差」です。御影石に限らず天然石全般において、採掘ロットが異なると色の濃淡や微妙な色調に差が出ます。追加発注が必要になった際、最初の施工と同じロットの石材を確保できない場合には、完成後に色ムラが目立つことがあり、施主クレームの原因になります。これが原則です。


一方、磁器質の御影石調タイル(LIXILのインテグレート セレクションを含む)は工業製品であるため、色合いや寸法のバラつきが天然石に比べて小さく、同色・同ロットでの供給安定性が高い点が強みです。ただし、LIXIL製品は全品番注文生産品のため、追加発注には事前に色番(GN-1〜GN-8)とロット番号の管理が必要です。


メンテナンス面では、磁器質タイルは吸水率1%以下のため撥水処理が不要で、ほとんどの汚れは中性洗剤で対応できます。天然御影石は比較的吸水率が低い石材ですが、定期的な保護剤の塗布が推奨される場合があります。以下に両者の主要な比較を示します。


比較項目 天然御影石 御影石調タイル(LIXIL)
材料費(目安) 9,000〜30,000円/㎡ 5,600円/㎡〜
色・寸法の安定性 ロット差が出やすい 工業製品のため安定
吸水率 低〜中(石種による) 1%以下(磁器質)
撥水処理の要否 推奨される場合あり 基本不要
施工の難易度 高め(加工・目地) 比較的容易(専用接着剤)
耐久性 半永久的(適切管理下) 磁器質で半永久的


天然御影石を採用する現場では「30年以上の耐久性と独自の高級感が強み」とされますが、施工費や工期がかかる点は設計・コスト管理において明確に伝えておく必要があります。


淡陶社 タイル研究室ー福ラボー |「天然石と石調タイル」── 石種別の特性・経済性・メンテナンス性が詳しく解説されたコラムページ


御影石タイルの色差・虹彩現象・コバ面問題と現場での対処法

現場でのクレーム回避という観点から、建築業従事者が必ず把握しておくべき問題が3つあります。それが「色差(ロット差)」「虹彩現象」「コバ面の白見え」です。


色差(ロット差)については前述のとおり、タイルは高温焼成工程の性質上、生産ロット単位で微妙な色合いの違いが出ます。LIXILの製品仕様にも「生産ロット単位、形状間、および1枚ごとに色合いが異なる場合があります」と明記されています。施工の際は、同一ロットのタイルを一括発注し、施工時にバラ積みしながらランダムに配置するのが基本的な対処法です。


虹彩現象とは、濃色タイルの表面に光が当たったとき、薄い油膜が広がったような七色の輝きが見える現象です。施釉タイル表面のガラス質の薄膜に光が干渉することで起こります。LIXILの製品仕様に「濃色のタイルは虹彩現象が目立つ場合があります」と記載されており、GN-6(濃グレー)やGN-8(黒系)など暗色系の御影石タイプを採用する場合には事前に発注者に説明しておく必要があります。引き渡し後に施主から「タイルが虹色に光っておかしい」と言われるケースが実際に発生しています。クレームを防ぐには見本張りによる確認が有効です。


コバ面の白見えは、切断加工を行った際にタイルの小口(断面)が白く目立つ問題です。コーナー部の役物を使用せず、平タイルを現場でカットしてコーナーを納めようとすると、この問題が顕在化します。LIXILはこの問題への対処として「コバ面用塗料ウェットタイプ(F-WCT100)」を使用することを推奨しています。また、そもそも役物(90°曲タイプ・屏風曲タイプ)の使用が第一の解決策です。これだけ覚えておけばOKです。


これら3点は、現場での完成品質に直接影響するにもかかわらず、図面段階では見落とされやすい問題です。設計・監理担当者は見本張りを行い、施工前に発注者の確認を取ることが現場トラブルの防止策として機能します。


なお、黒目地を使用する場合は目地残りによるタイル表面の汚れにも注意が必要で、目立たない場所でのテスト施工が推奨されています。空目地仕上げの場合は、タイルの表面色と小端面(コバ面)の色差が目立ちやすいため、事前の現物確認が必須です。


建材サーチ | LIXIL インテグレート セレクション [御影石タイプ] ── カラーバリエーションや規格・納期情報を一覧で確認できるページ




御影石 平板 10×10cm 5枚セット 本磨き加工