

ねじ接合部の水漏れは、闇雲に締めるほど直りにくくなります。まず「漏れている場所」が、ねじ山の隙間(ねじ部)なのか、パッキンで密封する面(ナットの座面)なのかを見分けます。ここを間違えると、シールテープを増やしても止まらない、逆に悪化する、ということが起きます。
見分けの手順は次の通りです。
ねじ接合部は、ねじ同士を噛み合わせただけでは完全に密着できず、わずかな隙間が残ります。その隙間から水が抜けるのを防ぐために、シールテープが使われます。つまり、ねじ山側が原因なら「シール材の不備」、座面側が原因なら「パッキン・ナット・締付の不備」という切り分けが基本です。シールテープは“万能の漏れ止め”ではなく、あくまでねじ山の隙間を埋める用途だと理解しておくと判断がブレません。
さらに、意外に見落とされるのが「ズレ(偏心)」です。地震や振動、温度変化などで配管がわずかに動くと、接合部に隙間ができて漏れることがあります。締め直しだけで一時的に止まっても、配管の位置が不自然なままだと再発しやすいので、手で触れて応力(突っ張り)がかかっていないか確認してください。漏れの根本が“材料の劣化”ではなく“力のかかり方”だった、というケースはDIYでもそこそこ遭遇します。
作業上の注意点も先に書きます。
ねじ接合部の修理は、原因が合っていれば短時間で決着します。逆に、原因が違うまま作業すると「回してはいけないところ」を回し続けることになり、部品交換コースへ進みやすくなります。まずは観察に時間を使うのが、結果的に最短です。
ねじ接合部のDIYで、成功率を最も左右するのがシールテープです。ポイントは「巻く位置」「巻く方向」「巻く回数」「なじませ方」の4つで、どれかが欠けると漏れやすくなります。
シールテープは、ねじの先端から巻き始めません。先端から巻くと、切れ端が配管内へ入り込んだり、異物混入・目詰まり・接続不良の原因になり得ます。実務的には「ねじ山を1山(または先端から1つ目のねじ山)残す」考え方が安全です。位置の目安として、先端から2つ目のねじ山あたりを狙う、という説明がわかりやすいです。
一般的な配管は右ねじが多く、締め付け方向は時計回りです。シールテープも同じく時計回りに巻きます。逆向きに巻くと、ねじ込む途中でテープがほどけたり、めくれて噛み込みの原因になります。左ねじの場合のみ反時計回りにする必要があるので、回転方向が不明なときは要注意です。
巻数の目安は複数の説明がありますが、代表的には6〜7回という扱いやすい目安があります(呼び径に応じて加減する前提)。一方で、一般向けの修理解説では8〜13回程度を推奨するケースもあり、テープ厚やねじの粗さ、締め込み量で最適が変わる現場感があります。結論としては「薄いテープなら回数を増やし、厚いテープなら減らす」「締め込めないほど巻くのはNG」という調整が正解です。
巻いた直後のテープは、ねじ山の山側に浮いていることがあります。指で軽く押して、ねじ山の谷へ食い込ませると密封性が上がります。爪で強くやると破れやすいので、指で圧をかけるやり方が無難です。また、ねじ山で手を切る恐れがあるため、手袋を使う注意喚起もあります。
シールテープの“ありがちな失敗”も先に潰します。
作業の流れ(ねじ接合部の巻き直し)は次の通りです。
「一度逆回転したら巻き直し」というルールは面倒ですが、ねじ接合部の再現性を上げるには効きます。ねじ込み中の“戻し”でテープがズレると、見た目は締まっているのに微小リークが残る、という状態になりがちです。DIYではここが原因不明の“じわ漏れ”になりやすいので、手順で封じるのが得策です。
ねじ接合部の水漏れ修理では「締め付け不足」と「締め過ぎ」の両方が敵です。特に締め過ぎは、ナットの変形、ねじ山の損傷、樹脂部品の割れなどで修理難度を一段上げます。止めたい気持ちが強いほど締め過ぎやすいので、作業ルールでコントロールします。
まず工具の基本です。
ナットを回すときの考え方は、「手で回るところまで回す→工具で少しだけ増し締め→通水して確認」です。いきなり工具で最大トルクをかけない方が、部品へのダメージを避けられます。水漏れが止まらないからといって無限に締め増していくのは危険で、別原因(パッキン不良、ねじ山側のシール不足、座面の傷、部品の規格違い)が潜んでいる可能性が高いです。
ねじ接合部には「ねじ山で止める接合」と「パッキン面で止める接合」が混在します。たとえば、パッキンで止めるタイプに対して、ねじ山へシールテープを大量に巻いても根本解決しないことがあります。逆に、ねじ山で止める接合でパッキンのように“当たり”を期待して締め過ぎると、ねじが死にます。どの方式かの見分けは、分解したときにパッキン(ゴムリング等)が入っているか、座面が平面で当たる構造か、で判断できます。
また、締め付けの途中で「異常に硬い」「途中から急に軽い」などの感触が出たら要注意です。
独学DIYで一番避けたいのは“斜め噛み”です。最初にねじ込むときは、必ず手で回して、スムーズに入ることを確認してから工具を使います。ここを怠ると、漏れだけでなく部品交換が必要になります。
最後に、通水テストのやり方も重要です。
この「段階的に通水して観察」ができると、ねじ接合部の作業はかなり安定します。焦って全開にすると、漏れ箇所が広がって原因が見えにくくなることがあるため、テストも丁寧にやる方が結果的に速いです。
ここからは検索上位の“巻き方・回数”だけでは触れられにくい、再発防止の視点をまとめます。ねじ接合部の水漏れは「シールテープを正しく巻いたのに、なぜかまた漏れる」という形で再登場することがあり、そこには“施工後の状態”が関係していることが多いです。
独自視点1:配管にかかる応力(引っ張り・ねじれ)をゼロに近づける
ねじ接合部は、密封材だけでなく“面の当たり方”で安定します。配管が突っ張っていたり、無理な角度で接続していると、接合部に常に力がかかり、微小な隙間が生まれます。温度変化や振動が加わる環境では、この隙間が成長しやすいです。
この一手間で、同じ巻き方でも寿命が伸びることがあります。
独自視点2:「戻し」をしない段取りを作る
シールテープは、締める方向に巻いて、締める方向にねじ込むことで性能が出ます。途中で位置合わせのために戻すと、テープがズレて薄い部分ができ、そこがリークパスになります。
独自視点3:清掃の質が、シール材の性能を決める
テープの巻数や方向ばかりに意識が向きますが、汚れ・水分・古いテープ片が残っていると、そこが隙間になり漏れます。特に古いテープは“粉”のように残りやすく、見た目では除去できたつもりになりがちです。
独自視点4:巻数の“正解”は一つではなく、再現性は「厚み感」で作る
実務的には、同じテープでもロットや保存状態で伸び・密着が違うことがあります。そこで、回数だけでなく「ねじ込みの感触」と「締め込み量」で評価する方が失敗しにくいです。
この調整ができると、現場対応力が上がります。
独自視点5:微小リークは“時間差”で出る前提で観察する
通水直後は止まっていても、数分〜数十分で滲むことがあります。理由は、内部圧の安定や、テープのなじみ、配管の微小な動きなどです。
こうした視点は、検索上位に多い「巻き方・回数」だけでは補いにくい部分です。ねじ接合部を“直す”だけでなく、“戻らない状態にする”ために、施工後の力のかかり方と確認手順をセットで設計してください。
DIYで水道を触るときは、漏れの有無だけでなく「安全」と「後戻りできる手順」が大事です。特に、ねじ接合部は一見簡単そうに見えて、締め過ぎや斜め噛みで一気に破損へ進むことがあります。安全と再点検をルール化すると、ミスが減ります。
最低限の安全手順です。
再点検の観点は次の通りです。
また、ねじ接合部を触ったあとに「別の場所が漏れ始めた」ように見えることがあります。実際には、最初の漏れが止まったことで水が別経路に滲む、あるいは作業時の触れ・振動で別の弱い箇所が顕在化することがあります。こういうときは、焦って一気に全系統を分解せず、「どこが最初に濡れたか」をまた同じ手順で切り分けるのが安全です。
最後に、権威性のある参考として、シールテープの役割や巻き方(先端のねじ山を一山外して6〜7回、締める方向と同じ向き、はみ出しは故障原因、手袋推奨等)を確認できるページを置いておきます。DIY記事を書く際に“根拠のある一般則”として引用しやすい部分です。
シールテープの役割・巻き方(巻数目安、方向、はみ出し注意、手袋推奨)の根拠。
シールテープとは 役割と巻き方 【通販モノタロウ】
シールテープの巻き位置(先端から2つ目のねじ山、1つ目は残す)・方向(右ねじは時計回り)・回数目安(8〜13回)。
https://www.kaunet.com/kaunet/column/000185.html