ニップル規格配管用炭素鋼鋼管使用流体寸法

ニップル規格配管用炭素鋼鋼管使用流体寸法

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ニップル規格配管用基本要件

ニップル規格の重要ポイント
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JIS規格準拠

ねじ込み式鋼管製管継手はJIS B 2302で規定され、水・油・蒸気・空気・ガスなどの一般配管に使用されます

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配管用炭素鋼鋼管

材料はJIS G 3452またはJIS G 3454に規定される鋼管を使用し、優れた耐久性を確保しています

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管用テーパねじ

JIS B 0203に準拠したテーパおねじを採用し、高い気密性と接続信頼性を実現します

ニップル規格のJIS基準と適用範囲

ニップルは、配管同士をねじ込みで接続する重要な管継手です。JIS B 2302「ねじ込み式鋼管製管継手」では、水・油・蒸気・空気・ガスなどの一般配管に使用するニップルについて詳細な規格を定めています。この規格は主としてJIS G 3452に規定する配管用炭素鋼鋼管を使用する管を対象としており、高圧用や特殊な配管は除外されます。
参考)【配管継手】ニップルの種類 - ケムファク

規格で定められたニップルの種類は、形状によって「バレルニップル」「クローズニップル」「ロングニップル」「ソケット」の4種類に分類されます。表面の状態による分類では、無めっき(黒品)、めっき(白品)、コーティングの3種類が存在します。これらの規格品は建築現場での配管工事において標準的に使用され、互換性と品質が保証されています。
参考)JISB2302:2013 ねじ込み式鋼管製管継手

継手の材料はJIS G 3452またはJIS G 3454に規定する鋼管、もしくはこれと同等以上の品質のものを使用することが求められます。材料の化学成分、機械的性質、水圧試験特性などが規定に適合していることの確認が必要です。めっきを施す場合には、溶融亜鉛めっきによって行い、付着量は平均で500g/m2以上、各試料で450g/m2以上が要求されます。​

ニップル規格配管用寸法と呼び径体系

ニップルの大きさは、JIS B 0203による管用テーパねじの呼びに基づいて表示されます。継手の大きさの呼びには1/8から6までの範囲があり、それぞれ呼び径(A)として6Aから150Aに対応しています。例えば、1/2の継手は呼び径15A、外径21.7mmのパイプニップルとなります。
参考)https://ogawapipe.co.jp/pdf/catalog_all_NoBrand_ja.pdf

バレルニップルとクローズニップルの最小長さは規格で定められており、1/8バレルニップルは24mm、クローズニップルは22mmとなっています。ロングニップルの標準長さは50mm、65mm、75mm、100mm、125mm、150mm、200mm、250mm、300mmの9種類が規定されていますが、受渡当事者間の協定によってこれ以外の寸法も製作可能です。​

継手の大きさの呼び 呼び径A 外径(mm) バレルニップル最小長さ(mm) クローズニップル最小長さ(mm)
1/8 6A 10.5 24 22
1/4 8A 13.8 26 24
3/8 10A 17.3 28 26
1/2 15A 21.7 34 29
3/4 20A 27.2 38 35
1 25A 34.0 42 38
1 1/4 32A 42.7 50 41
1 1/2 40A 48.6 50 44
2 50A 60.5 58 51


ねじ寸法については管用テーパねじの規格に準拠し、テーパ角は全サイズ共通で1.7899°となっています。有効ねじ寸法は呼び径によって異なり、6Aでは3.97mm、50Aでは15.88mmとなっています。
参考)技術資料 - ステンレス・白黒|規格・特殊パイプニップル|規…

ニップル規格種類と形状特性の違い

バレルニップルは最も一般的なニップルで、樽(バレル)形の外観を持ち、中央部分が2~3mm程度ねじ切られていません。丸ニップルや短ニップルとも呼ばれ、両端に管用テーパおねじが加工されています。この形状により、工具を使わずに手で回転させることが可能で、狭い場所での作業性に優れています。
参考)ニップルとは?

クローズニップルは、バレルニップルと類似した構造ですが、全長がすべてねじ切られた構造になっています。バレルニップルよりも短く製作でき、配管を最も近接させて接続したい場合に使用されます。ただし、ねじ部が全長に及ぶため、工具を使用しなければ締め込みが困難です。
参考)https://www.eng-book.com/pdfs/b1a9bded2243bf1b85f8f9513433e291.pdf

ロングニップルは、ねじ切られていない胴部分が長いニップルで、配管間の距離を延長したい場合に使用されます。標準品として50mmから300mmまでの長さが用意されていますが、特注により任意の長さに対応可能です。胴部に六角構造を持たないパイプニップルに分類され、クローズニップルとともに汎用性の高い継手です。​
角ニップルは、ねじ切られていない胴部分に六角構造が設けられており、工具で回しやすくなっています。特に50A以上の径が大きい場合には八角ニップルが採用されることもあります。径違いニップルは両端の径が異なり、配管径を変更したい場合にレジューサとしての役割を果たします。​

ニップル規格配管用使用流体と性能要件

ニップル規格では使用流体として、水(雑用水、消火用水、工業用水、空調用冷温水、冷却水など)、油、蒸気、空気、ガスなどが想定されています。ただし、飲料用水は適用範囲から除外されており、別途専用の継手を使用する必要があります。ステンレス製ニップルの場合、使用流体として水、空気、蒸気、ガス、油などに対応し、より広範囲の用途に適用できます。
参考)ステンレス両ねじニップル(N/NL)

耐漏れ性については、JIS S 3200-1に規定される空気圧試験または差圧試験によって確認され、試験圧力0.5MPaで漏れがあってはならないとされています。耐圧性試験では静水圧2.5MPaを加え、破壊やその他の異常が発生しないことが求められます。これらの性能要件により、一般配管における十分な安全性が確保されています。​
ねじ軸線の狂いについても厳格な規定があり、バレルニップルおよびクローズニップルのねじ軸線間の角度の狂いは±0.5°以内でなくてはなりません。この精度により、配管接続時の気密性が確保され、漏れのリスクが最小限に抑えられます。有効ねじ部には有害な山やせ、山欠けなどの欠点があってはならず、JIS B 0253のねじゲージによる検査が実施されます。​
めっきを施したニップルでは、継手内面の亜鉛めっきが機械加工面を除き連続していなければならず、亜鉛の膨れ、ばり、非金属残留物があってはなりません。白品(めっき付き)の場合、亜鉛の付着量は平均値で500g/m2以上、最小値で450g/m2以上が要求されます。
参考)https://www.hagitec.co.jp/yy/yt/20200707_2.html

ニップル規格適合品選定時の独自視点

建築現場でニップルを選定する際、規格適合品であることの確認に加えて、施工環境や将来のメンテナンス性を考慮することが重要です。例えば、湿度の高い環境や腐食性ガスにさらされる場所では、白品(めっき付き)よりもステンレス製ニップルの採用を検討すべきです。ステンレス製はSUS304 TPAを素材とし、炭素鋼製と比較して耐食性に優れているためです。​
特に注目すべきは、配管の締付けトルクと接続部耐水圧力の関係です。呼び径15Aのニップルでは標準締付けトルクが39.2N・m(4kgf-m)、接続部耐水圧力が39.2MPa(400kgf/cm2)となっていますが、呼び径25A以上では耐水圧力が19.6MPa(200kgf/cm2)に低下します。このため、高圧用途では適切なサイズ選定と締付け管理が不可欠です。​
長期的なコスト削減の観点からは、初期投資は高くなりますが耐久性の高いステンレス製ニップルが有利な場合があります。炭素鋼製50A両短ニップルが約300gに対し、ステンレス製は225gと軽量で、取扱いや施工性にも優れています。また、ステンレス鋼管は内面ライジング管への対応も可能で、特殊な配管要求にも柔軟に対応できます。
参考)短ニップル規格配管用ねじ込み式管継手選定

JIS B 2302規格の詳細な寸法表や試験方法の解説(日本産業標準調査会)
現場での施工トラブルを避けるため、ねじの種類(管用テーパねじと管用平行ねじ)の違いを理解しておくことも重要です。一般的にニップルは管用テーパねじが採用されていますが、管用平行ねじのニップルは平行ニップルと呼ばれ、相手側の継手がソケットなど管用平行めねじの場合に使用されます。誤った組み合わせは気密不良や漏水の原因となるため、施工前の確認が欠かせません。
参考)https://xn--8uqs1nhvwv9e04m.com/topics/water-heater-how-to-choose-2/

さらに、特殊な用途では規格外のオーダーニップルの活用も検討に値します。標準規格品では対応できない長さや径、材質の組み合わせが必要な場合、特注製作によって最適な配管システムを構築できます。ただし、特注品は納期やコストが標準品と異なるため、設計段階での早期検討が推奨されます。
参考)https://www.hagitec.co.jp/yy/yt/20200707_1.html