

リチウム系コンクリート硬化剤は、ケイ酸リチウムなどのリチウムシリケートを主成分とし、コンクリート表層に浸透して内部の水酸化カルシウムと反応し、緻密なC-S-H系の生成物を形成することで床の強度と緻密性を高める材料です。
この反応により毛細管空隙が充填されるため、耐摩耗性の向上だけでなく、粉塵発生の抑制や汚れ付着の低減といった効果が期待でき、物流倉庫・工場・大型店舗などフォークリフトが頻繁に走行する環境で多く採用されています。
一般的なケイ酸塩系表面強化材と比べ、リチウム系は粘度が低く微細な毛細管まで浸透しやすく、内部から改質するイメージで床の寿命を引き延ばす点が特徴です。surugakogyo+2
また、白華の原因となるナトリウム・カリウムイオンが少ないため、着色コンクリートや雨掛かりのある外部床にも適用しやすいとされ、着色仕上げやライン塗装を組み合わせる床計画との相性も良好です。abc-t+2
箇条書きで整理すると、リチウム系コンクリート硬化剤の代表的な性能は以下のようになります。mypage.atpress+2
浸透性コンクリート表面強化剤には、ナトリウムシリケート系・カリウムシリケート系・リチウムシリケート系などがあり、それぞれコストや性能バランスが異なります。
ナトリウム・カリウム系は比較的安価で歴史も長い一方、塩類が表面に析出しやすく白華が問題になるケースがあり、特に雨掛かりや高湿度環境では意匠性を損ねるリスクがあります。
これに対してリチウム系は、イオン半径が小さく粘度も低いため、コンクリート内部へ深く浸透し、ひび割れや細孔の内部まで改質しやすいと報告されています。bircs-kankyo+2
また、リチウムイオンはアルカリシリカ反応における膨張生成物の形成を抑制する効果が知られており、適切な配合と施工条件のもとではASR対策の一助になる点が、他のアルカリ金属系シリケートとの重要な違いです。data.jci-net+1
以下のような観点で、リチウム系を選定する現場が増えています。abc-t+3
リチウム系コンクリート硬化剤は「塗るだけで硬くなる万能材」と誤解されがちですが、浸透性を十分に発揮させるには下地処理が極めて重要であり、表層のレイタンスや汚れ、油分が残っていると性能が大きく低下します。
多くのメーカーが共通して、塗布前には高圧洗浄などの湿式洗浄によってホコリやレイタンスを除去し、吸水が阻害されない状態にしておくことを推奨しています。
また、中性化が進んだ古いコンクリートでは、ケイ酸塩系表面強化材だけを施工しても期待通りの反応が進まない場合があり、専用の前処理材によるpHの調整や表層改質が必要になるケースがあります。abc-t+1
特に、ライン塗装やトップコートを併用する計画では、硬化剤と上塗り材の相性や施工順序を誤ると付着不良や剥離につながるため、仕様書で乾燥時間・拭き取り要否・塗布量を事前に確認することが重要です。ipros+1
現場で押さえておきたいチェックポイントの例は次の通りです。bircs-kankyo+2
リチウム系コンクリート硬化剤は、物流倉庫・工場・大型店舗などの一般床だけでなく、研磨コンクリート(ポリッシュコンクリート)の下地強化や、駐車場スロープ、通路の粉塵対策としても使われています。
特にポリッシュ仕上げでは、研磨工程の途中で硬化剤を浸透させてから再研磨することで、表層が引き締まり、光沢の保持性と耐摩耗性が高まるため、国内でも複数の研磨システムがリチウム系を標準仕様に組み込んでいます。
一方で、クリーンルームや静電気対策がシビアなエリアでは、硬化剤の種類によっては導電性や帯電挙動に影響が出ることがあり、メーカーによっては「クリーンルームやその周辺には不向き」と明記している製品もあります。abc-t+1
また、地下水に硫酸塩や炭酸塩を多量に含む地域で、練り混ぜ水や洗浄水にそのまま地下水を使うと、コンクリート表面に塩類結晶が析出しやすくなり、意匠性を損なうだけでなく硬化剤の浸透を妨げるリスクがある点も見落とされがちな注意事項です。
参考)エルキュア(ケイ酸リチウム系コンクリート表面強化材)
施工後の「育て方」によっても性能の発現が変わる点は、あまり知られていないポイントです。bircs-kankyo+1
リチウム系コンクリート硬化剤は施工後も長期間にわたり化学反応を続けるため、適度に使い込むことで表面がさらに緻密化し、フォークリフト走行による摩耗がむしろ表面の光沢と緻密さを高める方向に働く場合があります。bircs-kankyo+1
現場でよくあるトラブルとして、リチウム系コンクリート硬化剤を「防水材」と同じ感覚で使ってしまい、ひび割れや打継ぎ部からの漏水対策として期待しすぎるケースがあります。
表層の緻密化により水の浸透はある程度抑制できますが、構造的なひび割れや打継ぎ不良までは補えないため、漏水対策には別途止水材や注入材を組み合わせる設計が必要です。
一方、意外な活用例として、細かいクラックが多数発生した古いスラブで、リチウム系改質材を複数回に分けて浸透させることで、クラック先端部にまで反応生成物を形成し、ひび割れ進行を抑えつつ表層の強度を回復させた事例が報告されています。data.jci-net+1
ナノレベルの粒径を持つリチウムシリケートが微細ひび割れ内部まで入り込み、内部から接着性や剛性を高めることで、従来なら全面打ち替えを検討していた床を部分補修で延命できる可能性がある点は、リニューアル案件で検討する価値があります。surugakogyo+2
設計・施工者側の独自の工夫としては、次のようなアイデアも考えられます。surugakogyo+3
こうした特性を理解したうえで、床の用途・荷重条件・メンテナンス体制に合わせてリチウム系コンクリート硬化剤を「どこに」「どの程度」使うか設計段階から織り込むことが、長期的な床性能を左右する重要なポイントになります。mypage.atpress+4
工場・倉庫床の施工例と性能比較の参考資料です(リチウム系と他のケイ酸塩系強化材の違いを確認したい場合)。
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