水道法 水質基準 11項目 と 水質検査 基準値

水道法 水質基準 11項目 と 水質検査 基準値

記事内に広告を含む場合があります。

水道法 水質基準 11項目

水道法 水質基準 11項目:現場で迷わない要点
🧪
「11項目」は法令の“51項目”とは別文脈

水道法の水質基準は原則「51項目」だが、現場では用途や契約により「11項目検査」が使われる場面があるため、混同しない。

📌
設計・施工・維持管理の責任分界を意識

「給水栓の水質」をゴールに、受水槽・高置水槽・給水管・末端蛇口まで、どこが原因になり得るかを切り分ける。

🛠️
異常時は“測り直し”より先に“止め方”を決める

濁度・臭気・大腸菌などは、再検査の段取りと同時に、供給停止・代替水・バイパス可否などの運用設計が安全側。

水道法 水質基準 11項目 と 51項目 の関係

建築の現場で「水道法の水質検査=11項目」と理解されることがあるが、制度としての水道水は、水道法第4条にもとづく「水質基準に関する省令」の基準に適合している必要があり、基準項目は51項目として体系化されている。
環境省の公開資料でも、水質基準項目と基準値(51項目)が一覧化され、微生物(一般細菌・大腸菌)、重金属(鉛・ヒ素など)、有機塩素化合物、味・臭気・濁度など広い範囲が規定されている。
一方で「11項目検査」は、すべての水道事業者に一律で課される“51項目の代替”ではなく、用途(例:飲用井戸の簡易チェック、簡易な汚染スクリーニング、物件引渡し時の確認など)で採用されやすい“実務パッケージ”として流通しているケースが多い。
このズレを放置すると、施主・管理会社・施工会社の間で「法令適合の確認をしたつもりだったが、実際は11項目しか見ていない」という説明不整合が起きやすいので、契約書・仕様書・検査報告書の表現(何の根拠で何項目か)を揃えることが重要になる。
また、11項目という言い方が出る背景として、「次回検査で省略できる項目がある」「基本セットがある」といった運用上の都合が語られることがあるが、少なくとも“水質基準そのもの”の全体像は51項目で設計されている点を軸に整理しておくと、説明が破綻しにくい。


参考)水道法の一部改正(水質基準)

実務では、51項目のうちどれがリスクになりやすいかは、原水の性状・浄水処理・建物側の貯留や管材・滞留時間で変わるため、「11項目で足りる/足りない」を一般論で断定せず、現場条件で根拠を作る姿勢が安全である。

水道法 水質基準 11項目:検査項目 の考え方

「11項目」を採用する案件では、どの11項目かを先に固定しないと、見積・採水・報告書の読み合わせで揉めるため、検査機関が提示する“飲料水11項目”の内訳を必ず確認するのが出発点になる。
一般に、簡易セットは微生物(一般細菌・大腸菌など)と、生活影響が顕在化しやすい外観・臭気・濁度、消毒の状況に関係する指標(例:残留塩素)などが中心になりやすく、短納期・低コストで「まず異常がないか」を見る狙いが強い。
ただし水質基準(51項目)には、トリハロメタン類や1,4-ジオキサン、金属類など、人体影響や長期曝露を想定した項目が含まれており、簡易セットでは拾えないリスクが残ることを、関係者間で明示しておくべきである。
建築従事者の立場では、リスク説明を「専門家に丸投げ」せず、受水槽の有無、増圧給水か直結か、管材、末端の滞留が起きる系統(テナント休止区画等)といった“水質が崩れる条件”を合わせて説明できると、検査項目の妥当性が通りやすい。
見落としがちなのは、11項目で「異常なし」でも、味・臭気・色度などのクレームが出るケースがある点で、これは水質基準の枠(異常でないこと、基準値)と、利用者の感受性(閾値)に差があるため起こる。

そのため、引渡し前の検査が“法令の最低ライン確認”なのか、“クレーム予防の品質確認”なのかを分け、後者なら水質管理目標設定項目(例:臭気強度、腐食性指標等)まで視野に入れる設計・運用も検討対象になる。

水道法 水質基準 11項目:基準値 と 判定の読み方

水質基準の読み方で重要なのは、「検出されないこと」と「数値以下」が混在している点で、微生物(大腸菌)は“検出されないこと”として基準化されている。
数値基準の例として、鉛は0.01mg/L以下、ヒ素は0.01mg/L以下、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素は10mg/L以下、濁度は2度以下、pH値は5.8以上8.6以下などが示されている。
建築側の説明で実務的に効くのは、「どの値が“設備不具合”に直結しやすいか」を添えることで、たとえば濁度の上昇は配管内の剥離・赤水、貯水槽内の堆積物の巻き上げ、工事後フラッシング不足などと結び付けて原因推定がしやすい。
またpHや硬度は、腐食・スケール・赤水といった配管トラブルの“誘因”になり得るため、単に合否だけでなく、経年の推移を見て予防保全(更新時期の目安、ライニングの要否)に落とすと現場価値が上がる。
「基準値に近いが適合」という結果は、直ちに不適合ではない一方、設備更新や運用条件の変化(滞留増、温度上昇、流速低下)で簡単に逸脱する可能性があるため、施工側としては“安全余裕が薄い系統”を先に手当てする優先順位付けが有効である。

加えて、PFOS/PFOAは水質管理目標設定項目から水質基準項目へ引き上げられる改正が示されており(基準値は0.00005mg/L以下、施行は令和8年4月1日と記載)、今後「どこまで測るか」の議論が実務でも増える。

水質基準(51項目)一覧と基準値の確認(鉛・濁度・pH等)。
https://www.env.go.jp/water/water_supply/kijun/kijunchi.html

水道法 水質基準 11項目:水質検査 の頻度 と 採水ポイント

水質検査は「どこで採るか」で結論が変わるため、建物側設備(受水槽・高置水槽・増圧ポンプ・末端給水栓)のどの区間の品質を証明したいのかを先に決め、採水点を設計図・系統図に落とし込む必要がある。
特に改修工事後やテナント入替時は、末端側で滞留していた水が入れ替わる過程で濁りや臭気が一時的に出ることがあり、フラッシングの工程と採水タイミングを切り離して設計しないと、設備は正常でも検査だけ落ちる事故が起きやすい。
簡易な11項目検査は短納期で回せる一方、原因究明まで踏み込むなら、51項目の該当カテゴリ(例:金属、揮発性有機化合物、消毒副生成物等)へ拡張できるよう、採水量・容器・保存条件を検査機関と事前に合意しておくと手戻りが減る。
また、採水前の「蛇口の火口清掃」「吐水口の消毒」「一定時間の捨て水」などは結果に影響し得るため、誰がどの手順で採ったかを作業記録として残し、報告書とセットで保管する運用が監査・クレーム対応に強い。
実際の頻度は施設区分や運用ルールに依存するが、少なくとも“水道法の水質基準は継続的に適合していることが前提”という理解に立ち、検査結果を単発イベントにせず、点検(槽清掃、弁類、末端滞留の解消)と連動させると不具合が早期に顕在化する。

なお、水質基準には「味は異常でないこと」「臭気は異常でないこと」も含まれるため、数値だけでなく利用者の体感クレームを“異常の兆候”として扱い、苦情受付→系統切替→採水→是正の手順をテンプレ化しておくと現場が回る。

水道法 水質基準 11項目:独自視点として“工事中の水”を管理する

検索上位の一般解説は「検査項目の説明」に寄りがちだが、建築従事者の事故は“完成後”より“工事中”に起点があることが多く、仮設給水・断水復旧・配管切回しの瞬間に水質が崩れるシナリオを先に潰す方が効果的である。
たとえば、断水復旧時に一気に通水すると、配管内の剥離物や堆積物が末端に押し出されて濁度・色度クレームが出やすく、結果として「11項目」以前に“利用者が飲めない”状態を作ってしまう。
その対策として、以下のように「水質のための施工段取り」を標準化すると強い。
- 🧰 通水は段階的に行い、末端から系統順にフラッシングして濁りを抜く。
- 🧯 受水槽・高置水槽が絡む場合、槽内の巻き上げを避けるため水位変動を抑えて復旧する。
- 🧴 消毒が必要な工事(配管更新・延長等)では、消毒→接触時間→中和→再フラッシングの工程を先に工程表へ固定する。
- 📝 採水前の手順(捨て水時間、蛇口清掃、採水容器の扱い)を写真付きで残す。
意外に効くのは「水の滞留を生む設計・施工の癖」を点検項目にすることで、例えば“使われない枝管”“行き止まり配管”“非常用系統の長期不使用”は、残留塩素の低下や臭気につながりやすいので、11項目の合否とは別に、配管計画そのものを改善した方が根本対策になる。

さらに、環境省の資料では水質管理目標設定項目として腐食性(ランゲリア指数)等も整理されており、赤水・漏水・ライフサイクルコストまで視野に入れるなら、単なる「11項目でOK」ではなく“腐食・スケールの管理”まで踏み込む提案が差別化になる。