寸切りボルト規格と定尺品選び方

寸切りボルト規格と定尺品選び方

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寸切りボルト規格と定尺品

寸切りボルト規格の基本情報
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定尺285mmと1000mm

一般的な規格寸法で現場調整が可能

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材質選択

ステンレス・鉄・特殊材質に対応

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表面処理

ユニクロメッキや生地仕上げを選択

寸切りボルト定尺規格の基本仕様

寸切りボルトの標準規格は285mmと1000mmの2種類が定尺として広く使用されています。これらの定尺品は、現場での調整用として最適な長さに設定されており、建築業界では欠かせない基本アイテムです。
定尺寸切りボルトの特徴。

  • 285mm定尺品 - 軽工作品や小規模な建築工事に最適
  • 1000mm定尺品 - メーター寸切りとも呼ばれ、大型構造物に使用
  • 頭部なし構造 - 通常のボルトでは製造困難な長尺ネジを実現

定尺品以外にも、お客様の要望に合わせた特寸品(定尺・メーター以外)の製造も可能です。数メートル近い長さの寸切りボルトも製造できるため、大規模な建築プロジェクトでも対応できます。

寸切りボルト材質規格と強度保証

材質選択は使用環境に大きく影響するため、規格に応じた適切な材質選択が重要です。

 

主要材質規格。

  • ステンレス(SUS304) - 一般的な耐食性要求に対応
  • SUS316L - 海洋環境や化学工場での高耐食性
  • 鉄(ユニクロメッキ) - コストパフォーマンスに優れた標準仕様
  • A2-90強度保証 - 高強度が必要な構造物に使用

特殊材質としては、耐熱用のSNB7や高強度・高耐食のSUS329J4Lも用意されています。これらの材質は航空機産業や化学プラントなど、極限環境での使用を想定した規格です。
樹脂製寸切りボルト(ポリカーボネート)も絶縁性が必要な電気工事で重要な役割を果たしています。

 

寸切りボルト表面処理規格と防食性能

表面処理は寸切りボルトの耐久性を大きく左右する要素です。使用環境に応じた適切な表面処理選択が規格化されています。

 

標準表面処理規格。

  • ユニクロメッキ - 最も一般的で経済的な防錆処理
  • 生地仕上げ - ステンレス材で使用、追加処理不要
  • ドブメッキ - 屋外使用での長期耐食性を重視
  • パシベート処理 - ステンレスの耐食性をさらに向上

高耐食性が要求される場合は、白・黒の特殊表面処理も選択可能です。これらの処理は海洋構造物や化学工場での使用を想定した高性能規格となっています。
表面処理の選択基準は使用環境の塩分濃度、湿度、化学物質の有無によって決定されます。

 

寸切りボルトサイズ規格と型番体系

寸切りボルトのサイズ規格は、ねじの呼び径(M径)と全長(L)の組み合わせで表記されます。

 

標準サイズ規格(定尺285mm)。

  • M3からM48まで - 幅広いサイズ展開
  • 型番表記例 - 3ZN12-285(ステンレスM12×285mm)
  • 材質識別 - 3ZN(ステンレス)、5ZN(鉄)、316LZN(SUS316L)

メーター寸切り規格(1000mm)では、さらに大径のM64まで対応可能です。型番体系は材質と表面処理を組み合わせて構成されており、発注時の混乱を防ぐシステムになっています。

 

特殊用途向けには、ケミカル用寸切りボルトや絶縁寸切りボルトも規格化されており、それぞれ専用の型番が設定されています。
建築関連の専門情報が詳しく掲載されている日本建築学会の技術資料
https://www.aij.or.jp/

寸切りボルト規格外製品と特注加工

標準規格では対応できない特殊な要求に対して、規格外製品や特注加工が重要な選択肢となります。

 

特注製品の種類。

  • 異形棒鋼ねじ切り特注品 - 通常の丸棒以外の断面形状
  • 片ねじ・両ねじボルト - 部分的なねじ加工が必要な場合
  • 台形ねじ - 送り精度が要求される機械部品用
  • 先端二面割加工 - 特殊工具での取り付けに対応

これらの特注品は、建築現場での特殊な取り付け条件や、機械設備での精密な位置決めが必要な場合に使用されます。

 

意外な特注例として、数メートルを超える超長尺寸切りボルトや、特殊な材質(チタンや耐熱合金)での製造実績もあります。大型インフラ工事や宇宙航空産業での需要が背景にあります。

 

製造可能な最大長さは材質や径によって異なりますが、一般的には8メートル程度まで対応可能で、これは建築業界では橋梁や高層建築の大型構造部材として活用されています。

 

日本工業標準調査会のJIS規格詳細情報
https://www.jisc.go.jp/