スウェーデン式サウンディングとは何か・調査方法と費用を解説

スウェーデン式サウンディングとは何か・調査方法と費用を解説

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スウェーデン式サウンディングとは・調査の仕組みから費用まで徹底解説

地盤調査は1種類あれば十分」と思っていると、後で数百万円の補修費を請求されることがあります。


この記事の3つのポイント
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スウェーデン式サウンディングとは?

先端にスクリューポイントを付けたロッドを地中に貫入させ、地盤の硬さを数値で把握する調査方法。戸建て住宅の地盤調査では最も普及しており、1敷地あたり5点測定が標準です。

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費用の相場は?

1敷地あたり3〜5万円程度が相場。ただし地盤改良が必要と判定された場合、改良工事費は数十万〜200万円超になるケースもあります。

⚠️
調査結果の落とし穴は?

「N値」や「換算N値」の読み方を誤ると、地盤改良の要否判断が変わります。数値だけでなく、土質や地下水位との組み合わせ確認が不可欠です。


スウェーデン式サウンディングとは・調査の基本原理と概要


スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験、旧称:スウェーデン式サウンディング=SS試験)は、先端にスクリューポイントを取り付けたロッドを地表から垂直に押し込み、地盤の貫入抵抗を測定する調査方法です。JIS A 1221に規定されており、住宅の地盤調査では日本国内で最も広く使われる標準的な手法となっています。


名前の由来はスウェーデンで開発された試験方法にあります。日本には1976年頃に導入され、その後「地盤調査=スウェーデン式サウンディング」と言えるほど普及しました。


測定の仕組みはシンプルです。まず段階的に荷重をかけながら(25N・50N・75N・100N・150N・250N・500N・750N・1,000N)ロッドを押し込みます。荷重だけでは貫入しない場合は、ロッドを回転させながら押し込み、そのときの半回転数(Wsw)と貫入量を記録します。この記録から「換算N値」を算出し、地盤の強さを評価します。


つまり「荷重+回転数」で地盤の硬さを数値化するということですね。


1回の調査で5点測定するのが一般的です(建物4隅+中央)。測定深度は通常10m程度まで対応でき、住宅の基礎設計に必要な情報を短時間で取得できます。機材も比較的コンパクトで、重機が入りにくい狭小地や傾斜地でも対応できる点が現場で重宝される理由の一つです。


スウェーデン式サウンディングの調査手順・現場で何が行われているか

現場では調査員が専用の機材を搬入し、まず測定点の位置確認から始めます。5点測定の場合、建物の配置計画図をもとに敷地内の測定位置を決め、地表面を平らに整えてからロッドを設置します。


調査の流れは大きく4段階です。


  • 📌 荷重貫入:段階的に荷重をかけ、ロッドが自然に沈み込むかどうかを確認する
  • 📌 回転貫入:荷重だけで貫入しない場合、ロッドを半回転させながら押し込み、25cm貫入するごとの半回転数を記録する
  • 📌 記録:荷重・回転数・貫入量を1点あたり数分〜20分程度で記録する
  • 📌 引き抜き:測定終了後にロッドを引き抜き、孔を埋め戻す


現場での作業時間は5点で2〜3時間程度が目安です。ただし、軟弱地盤や礫(れき)が多い地盤では時間がかかることがあります。


これは使えそうです。


注意が必要なのは「ロッドの共回り」と呼ばれる現象です。礫や根などの障害物に当たると、ロッドが正確に貫入せず、実際より硬い地盤と誤判定される場合があります。また、地盤に礫が多い場合や、N値が大きい(硬い)地盤では測定不能になるケースもあり、その場合はボーリング調査との併用が推奨されます。


調査後は「地盤調査報告書」が発行されます。報告書には測定データのグラフ(ボーリング柱状図に似た形式)と換算N値、推奨地盤対策の判定結果が記載されます。建築業従事者はこの報告書を設計・施工計画に反映させることになります。


スウェーデン式サウンディングの結果の読み方・換算N値と地盤判定の基準

調査報告書を正しく読むには「換算N値(Nc)」の意味を理解することが欠かせません。換算N値とは、標準貫入試験(ボーリング調査で得られるN値)と対比できるよう、SWS試験のデータを変換した数値のことです。


換算N値の計算式は以下のとおりです(砂質土の場合の代表式)。


$$Nc = 2W_{sw} + 0.067 \times N_{sw}$$


ここで、Wswは荷重(kN)、Nswは25cm貫入あたりの半回転数です。


換算N値の目安として、N値3未満は軟弱地盤とされ、地盤改良の検討が必要になります。N値3〜5は要注意ゾーン、N値5以上であれば一般的な住宅の基礎として問題ないとされています。


ただし換算N値は万能ではありません。注意が必要です。


換算N値だけを見て「改良不要」と判断するのは危険です。土質(砂・粘土・有機質土など)や地下水位圧密沈下の可能性を組み合わせて評価する必要があります。たとえば、換算N値が3以上でも腐植土(有機質土)が混在している場合、長期的な沈下リスクが残ります。これは数値だけでは見えない落とし穴です。


実務上の判定基準として、国土交通省が公表している「小規模建築物基礎設計指針」も参照することをおすすめします。設計指針では地盤の種類別に基礎形式の選定フローが示されており、現場での判断根拠として活用できます。


国土交通省 住宅・建築行政に関する情報(基礎設計指針の参照先として活用できます)


また、一般財団法人日本建築センターが発行する「建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針」も地盤判定の参考になります。


スウェーデン式サウンディングの費用・相場と調査会社の選び方

費用の相場は、1敷地・5点測定で3万〜5万円程度です。調査会社によっては2万円台の低価格プランも存在しますが、報告書の精度や保証内容に差がある場合があるため注意が必要です。


費用の内訳は主に以下の3項目です。


  • 💰 調査費用:機材搬入・現地作業・データ解析の費用(2〜4万円程度)
  • 💰 報告書作成費:調査データの整理・地盤判定レポートの作成費(0.5〜1万円程度)
  • 💰 地盤保証費:地盤保証(10年・2,000万円補償など)が付帯する場合の保証料(1万円前後)


地盤保証が標準セットの会社を選ぶと、万が一の不同沈下発生時に補修費用が保証されます。特に建て売り住宅や注文住宅を扱う建築会社にとっては、引き渡し後のリスクヘッジとして有効です。


調査会社を選ぶ際には、①地盤保証の有無と補償内容、②報告書のフォーマット(グラフの見やすさ・土質コメントの充実度)、③追加点測定への対応可否の3点を確認することが基本です。


安さだけで選ぶと後悔することがあります。


地盤改良が必要と判定された場合の改良工事費は、工法によって大きく異なります。表層改良で30〜60万円、柱状改良で60〜150万円、鋼管杭工法では100〜200万円超になるケースも珍しくありません。地盤調査費の数倍〜数十倍のコストが後から発生することを念頭に置いて、初期の調査費をケチりすぎないことが重要です。


地盤情報の事前確認として、国土地理院の「地形分類」や各都道府県の地質・地盤情報を活用することも選択肢の一つです。ハザードマップや旧地形図で過去の地形を把握しておくと、軟弱地盤リスクの大まかな見当がつきます。


防災科学技術研究所 地震ハザードステーション(地盤の揺れやすさ・地盤分類の確認に活用できます)


スウェーデン式サウンディングとボーリング調査の違い・使い分けの判断基準

スウェーデン式サウンディングとボーリング調査(標準貫入試験)は、どちらも地盤の強さを調べる方法ですが、目的・コスト・精度が大きく異なります。


違いを整理します。


項目 スウェーデン式サウンディング ボーリング調査(標準貫入試験)
費用 3〜5万円(5点) 15〜40万円(1本あたり)
調査時間 2〜3時間(5点) 半日〜2日程度(1本)
土質サンプル 取得不可 取得可能(土質の詳細確認ができる)
適用地盤 軟弱〜中程度の地盤に向く 硬い地盤・礫層・深層調査に向く
規格 JIS A 1221 JIS A 1219


一般的な戸建て住宅の地盤調査では、スウェーデン式サウンディングで十分なケースがほとんどです。しかし、以下の状況ではボーリング調査の追加・併用を検討する必要があります。


  • 🏗️ スウェーデン式サウンディングで測定不能(礫層・硬質地盤)になった場合
  • 🏗️ 建物規模が大きく(3階建て以上・重量鉄骨造など)、詳細な支持層確認が必要な場合
  • 🏗️ 近隣で不同沈下の報告がある、または旧地形が沼・河川跡地などのリスク地盤の場合
  • 🏗️ 地盤改良工法(特に杭工法)の支持層深度を正確に把握しなければならない場合


判断基準が明確になりましたね。


近年は「地盤解析ソフト」を活用した自動判定も普及していますが、ソフトの判定結果はあくまで参考値です。最終的な地盤評価は、現地状況・周辺地歴・設計条件を踏まえた技術者の総合判断が原則です。


建築業従事者として実務で差をつけるためには、調査報告書の数値を「読み解く力」を身に付けることが重要です。地盤工学会が発行する「地盤調査の方法と解説」(第二改訂版)は、実務者向けの標準的な参考書として現場でも活用されています。


公益社団法人地盤工学会(地盤調査・解析に関する技術情報・出版物の確認に活用できます)






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