タイミングベルト長さ計算とプーリ軸間距離設計

タイミングベルト長さ計算とプーリ軸間距離設計

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タイミングベルト長さ計算と軸間距離

タイミングベルト長さ計算:設計で迷う3点
🧮
「周長」をどの基準で扱うか

内周長・ピッチ長・外周長が混ざると、同じ“長さ”でも発注や現物測定がズレます。

⚙️
歯数とピッチの整合

歯付ベルトは歯数×ピッチが基礎です。プーリ歯数やピッチ円直径の扱いを先に固定します。

📏
軸間距離の“調整しろ”

設計計算が合っていても、製作長さ・伸張率・取付張力で現物は動きます。調整代を織り込むのが安全です。

タイミングベルト長さ計算の周長とピッチ長


タイミングベルト長さ計算で最初に整理したいのは、「どの長さを指しているか」です。現場では“ベルト長さ”と言いながら、内周長(Li)・ピッチ長(Lc)・外周長(Lo)が混在し、同じベルトでも測り方で値が変わります。ベルトメーカーの解説でも、内周長は内側面、外周長は外側面、ピッチ長は心体中心を通るピッチ円の円弧長として区別されています。特に歯付ベルトの設計計算はピッチ長の考え方に寄ることが多く、ここが曖昧だと「計算は合うのに組めない」という事故につながります。


現場測長の注意点として、プーリ上で測ると内周長側の値になりやすく、ベルト表面(プーリー面でない側)で測れば外周長側になる、といった具体的な違いが示されています。さらに、ベルトが張られたままの状態で測ると、伸張率で伸びた状態の長さになり、摩耗や経年伸びがあれば“伸びた後の長さ”も含みます。逆に、機械から外して転がしながら測る、あるいは切断して測る場合はピッチ長になる、という実務的な基準も押さえておくと混乱が減ります。


このため、タイミングベルト長さ計算の手順は「設計値としてのピッチ長(=設計計算の周長)」と「現場で測る長さ(どこを当てたか)」を分離して管理するのがコツです。発注時の表記が内周長基準なのかピッチ長基準なのかは、ベルト種類やメーカーで異なる場合があるため、仕様書やカタログの表記ルール確認が前提になります。ここを最初に固めるだけで、再手配やプーリ位置のやり直しがかなり減ります。


・ポイントまとめ
✅ 周長には「内周長・ピッチ長・外周長」がある
✅ 張った状態で測ると伸張率や伸びが混ざる
✅ 設計計算は“どの長さ基準か”を先に固定する
参考:内周長・ピッチ長・外周長、現場測長の注意点(周長の定義と測り方の違い)
https://www.nitta.co.jp/product/belt-conv/belt-mini-course/length/

タイミングベルト長さ計算で使うプーリ歯数とピッチ円直径

タイミングベルト長さ計算の核心は「歯数」と「ピッチ(ベルトピッチ)」です。歯付ベルトは滑りにくい一方で、歯数とピッチが噛み合わないと成立しません。設計の流れとしては、まず伝達比や必要回転数から大小プーリの歯数を決め、次に使用するベルトピッチを選びます。そうすると、プーリのピッチ円直径(ピッチ円で見た直径)が、歯数Nとピッチpに基づいて決まる、という関係になります。


実務では「外径」ではなく「ピッチ円直径」で計算する点が重要です。外径でベルト経路を見積もると、歯が噛み合う位置(ピッチ円)とズレて、ベルト長さの誤差が出ます。計算式や選定計算ツールでも、入力値として“プーリ歯数”と“ベルトピッチ”を与え、ピッチ円直径を求める構成になっている例が一般的です。つまり、タイミングベルト長さ計算は「歯数N・ピッチp・ピッチ円直径Dp」を同じ基準で揃えるのが前提条件です。


また、建築設備や搬送系で“静かに回す”だけの用途でも、プーリ歯数を小さくし過ぎると噛み合い条件(巻付け角と噛み合い歯数)が厳しくなり、歯飛びや偏摩耗のリスクが増えます。長さ計算だけでなく、噛み合い歯数や巻付け角まで同じ計算系で確認できる資料・計算式があるため、設計段階で合わせて確認すると安全側になります。


・現場でよくあるミス
⚠️ 外径で長さ計算してしまう(ピッチ円直径で統一すべき)
⚠️ 歯数とピッチを決めずに周長だけ先に決める(後で噛み合いが破綻)
⚠️ 小プーリを小さくし過ぎて巻付け・噛み合いが不足する
参考:プーリ歯数・ピッチ円直径、ベルト長さ、噛み合い歯数などの計算式(入力項目の考え方が整理できる)
http://beltdesign.tsubakimoto.co.jp/beltFormula/timingbeltPullyFormulaController.html

タイミングベルト長さ計算の軸間距離と2プーリ公式

2プーリ(駆動・従動)の基本レイアウトでは、軸間距離Cと、大小プーリのピッチ円直径Dp・dpが分かれば、ベルト長さLを近似式で求めるのが定番です。逆に、ベルト長さ(周長)を既製品から選びたい場合は、LからCを解いて「軸間距離をどこに置けばよいか」を決めます。メーカーの計算式ページでも、入力値としてC・Dp・dpを与えてLを求めたり、L・Dp・dpからCを求めたりする項目が用意されています。つまりタイミングベルト長さ計算は「長さを出す」だけでなく、「置きたい軸間距離に対してベルトが選べるか」を往復で見るのが実務向きです。


建築設備では、据付後に微調整しにくい箇所(狭い天井内、機械室の固定架台など)ほど、軸間距離を“ぴったり”に作りたくなります。しかし、実際にはベルトの製作ばらつき、取付張力、運転後の伸び、温度による寸法変化などが積み重なり、机上のCは現物で吸収しきれないことがあります。計算上のCを出したら、次に「調整しろ(アジャスト代)」を確保できる構造にしておくことが、施工性と信頼性を上げます。


もう一段踏み込むと、軸間距離が短い構成では、ベルトの直線部分が短くなり、巻付け角が減りやすいです。巻付け角が減ると噛み合い歯数が減り、同じトルクでも歯面荷重が上がりやすくなります。長さ計算をしたら、噛み合い歯数の計算までセットで確認できる計算式体系を使うと、単なる“寸法合わせ”から一歩進んだ設計になります。


・設計時チェックリスト
✅ C→L計算、L→C計算の両方で整合確認
✅ 調整しろ(アジャスト代)を機構として確保
✅ 巻付け角と噛み合い歯数も同時に確認
参考:軸間距離Cとベルト長さL、巻付けや噛み合い歯数の計算式(2プーリ設計で必要な式が一通りある)
http://beltdesign.tsubakimoto.co.jp/beltFormula/timingbeltPullyFormulaController.html

タイミングベルト長さ計算の測定と伸張率

タイミングベルト長さ計算で“最後に効く”のは、現場での測り方と、取付時の伸張率(張り)です。メーカーの解説でも、ベルトが取り付けられたまま(張られた状態)では、伸張率で張られた状態の長さになり、さらにベルトに伸びが出た場合の長さになる、と注意されています。つまり、現場でメジャーを当てて出た数値をそのまま「必要ベルト長さ」と信じると、既に伸びたベルトの値を新規手配に使ってしまい、次のベルトが緩い・張れないといったズレが起きます。


また、テンション機構がある場合は、テンションを緩めてアジャスト代を十分確保できる状態で測長する、という指針も示されています。これは、測定値の精度というより「据付後に張れる余白を残す」という施工上の安全策です。建築設備の更新工事では、既設のベルトを基準に採寸しがちですが、既設が既に伸びている前提で“短めに作る/調整しろを確保する”という考え方が有効です。


意外と見落とされるのが、測長ポイントの違いです。プーリ上で測ると内周長寄り、ベルト表面側で測ると外周長寄り、外して転がすとピッチ長、と基準が変わるため、測定方法と報告値をセットで残すと次の人が助かります。例えば、点検報告書に「テンションを緩めた状態で外周側を測定」など一言添えるだけで、後工程の手配ミスを減らせます。


・現場で役立つメモ例(そのまま記録欄に)
📝「測長方法:テンション緩め/ベルト外し転がし/ピッチ長基準」
📝「取付状態:張りあり・張りなし、経年:交換前(伸びあり想定)」
📝「測定位置:プーリ上(内周長寄り)/ベルト表面(外周長寄り)」
参考:伸張率・測長ポイント・テンション機構の扱い(測定時の注意点がまとまっている)
https://www.nitta.co.jp/product/belt-conv/belt-mini-course/length/

タイミングベルト長さ計算の独自視点:施工でズレる「基準面」

ここは検索上位であまり強調されにくい点ですが、建築従事者の実務では、タイミングベルト長さ計算が正しくても「基準面の取り方」で据付が崩れることがあります。たとえば、同じ“軸間距離C”でも、図面上は軸芯間、現場はブラケット穴芯、あるいはスライドベースの端面基準で墨を出してしまい、結果として軸芯が数ミリずれます。歯付ベルトは歯数・ピッチで“合う/合わない”が出やすく、Vベルトのようにある程度滑って吸収する世界とは違うため、この数ミリが張り代を食い尽くします。


このズレを減らす実装上の工夫は、計算式の手前にあります。具体的には、施工図(または製作図)に「軸芯基準」「ピッチ円基準」「テンション調整方向とストローク」を明記し、測る人の基準を固定することです。さらに、測長時の注意点として“張った状態の測定は伸張率を含む”という指針がある以上、現場採寸で得た数値を採用するなら、必ず「テンションを抜いた状態での測長」へ寄せる運用が合理的です。テンション機構があるなら、緩めてアジャスト代を確保できる状態で測る、という手順を“現場標準”にしてしまうのが強いです。


また、更新工事で既存のプーリやベースを流用するケースでは、既設側の摩耗や微妙な芯ずれが前提にあります。だからこそ、ベルト長さの再計算だけで完結させず、「据付で再現できる基準」→「測長方法の統一」→「調整しろ確保」という三点セットで設計・施工を繋ぐと、トラブルが減ります。検索上位の計算記事は“式”中心になりがちですが、現場で強いのは“どの状態で測り、どの基準で寸法を決め、どこで逃がすか”を文章で固定する運用設計です。


・現場で効く対策(入れ子なし)
🧱 図面に「軸芯基準」「調整方向」「調整ストローク」を書く
📏 測長はテンションを緩め、アジャスト代が残る状態で行う
🔧 “既設ベルト長”は伸びを含む前提で扱い、手配値は基準を分けて記録する
参考:テンション機構を緩めて測長し、アジャスト代確保を推奨(施工でズレる前提の実務ルールに落とし込める)
https://www.nitta.co.jp/product/belt-conv/belt-mini-course/length/




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