uボルト寸法一覧|配管用規格表と選び方ガイド

uボルト寸法一覧|配管用規格表と選び方ガイド

記事内に広告を含む場合があります。

uボルト寸法一覧

uボルト寸法選択のポイント
📏
配管径に対応した寸法表

8A~650Aまでの配管外径に対応したねじ径M6~M30の詳細寸法データ

🔧
材質と表面処理の選択

ステンレス・鉄材の特性と屋外環境に適した防錆処理の選び方

締結安全性と施工のコツ

ダブルナット工法と緩み止め対策による長期安定性の確保方法

uボルト寸法表|配管径別規格一覧

配管工事において最も重要なのが、管外径に適合するuボルト寸法の正確な選定です。以下に主要なサイズの寸法表を示します。

 

一般配管用uボルト寸法表(M6~M12)

呼び寸法 鋼管外径(mm) M6 P(mm) M6 H(mm) M8 P(mm) M8 H(mm) M10 P(mm) M10 H(mm) M12 P(mm) M12 H(mm)
8A(1/4) 13.2 21 27 25 33 28 43 - -
15A(1/2) 21.2 29.5 36 31 42 34 46 - -
25A(1") 34.0 41 49 44 54 46 59 48 68
50A(2") 60.5 70 80 72 80 74 85 76 90
80A(3") 89.1 97 107 99 109.5 101 117 103 119

この表からわかるように、配管径が大きくなるほどuボルトのPサイズ(幅)とHサイズ(高さ)も比例して増加します。特に注意すべきは、同じ配管径でもねじ径によって寸法が変わることです。

 

大口径配管用uボルト寸法(M16~M24)
大口径配管では、より強固な締結力が必要となるため、太いねじ径のuボルトを選択します。

 

呼び寸法 鋼管外径(mm) M16 P(mm) M16 H(mm) M20 P(mm) M20 H(mm) M24 P(mm) M24 H(mm)
100A(4") 114.3 134 151 - - - -
150A(6") 165.2 160 175 186 202 - -
200A(8") 216.3 236 254 239 263 - -
300A(12") 318.5 341 368 344 371 346 383
500A(20") 508.0 532 560 532 560 539 591

現場での選定時は、配管の材質や設置環境に応じて安全率を考慮し、一段階上のねじ径を選択することが推奨されています。

 

uボルト材質と表面処理の選択基準

uボルトの長期的な性能を左右するのが材質と表面処理の選択です。建築現場では設置環境に応じた適切な選択が不可欠です。

 

主要材質の特性と適用場面

  • ステンレス(SUS304/SUS316L)
  • 優れた耐食性で屋外配管に最適
  • 塩害地域ではSUS316Lを推奨
  • 初期コストは高いが長期的にはコストパフォーマンスが良好
  • 炭素鋼(SS400)
  • 一般的な屋内配管用途
  • 表面処理により耐食性を向上
  • コストパフォーマンスに優れる

表面処理の効果と選択基準
屋外環境での使用が多い配管工事では、表面処理による防錆対策が重要です。

 

  • 電気亜鉛メッキ(ユニクロ)
  • 一般的な屋内環境向け
  • 比較的安価で広く使用される
  • 湿度の高い環境では不向き
  • 溶融亜鉛メッキ(ドブメッキ)
  • 優れた防錆性能
  • 屋外配管の長期使用に適している
  • 膜厚が厚く耐久性が高い
  • 三価クロメート処理
  • 環境負荷が少ない表面処理
  • 中程度の耐食性
  • 近年の主流となっている

意外な事実として、同じメッキ処理でも施工環境の温度により密着性が大きく変わることがあります。冬季施工では特に注意が必要です。

 

uボルト締結時の注意点と安全性確保

uボルト施工における安全性確保は、配管システム全体の信頼性に直結します。適切な締結手順と緩み止め対策が重要です。

 

締結トルクの管理
ねじ径ごとの推奨締結トルクを遵守することで、過度な締付けによる破損や緩みを防止できます。

 

  • M6:8-12 N⋅m
  • M8:15-20 N⋅m
  • M10:25-35 N⋅m
  • M12:40-55 N⋅m
  • M16:85-120 N⋅m

ダブルナット工法の効果
振動の多い環境では、ダブルナット工法による緩み止めが効果的です。1つ目のナットで本締めを行い、2つ目のナットで緩み止めの役割を果たします。

 

ワッシャーの適切な使用

  • スプリングワッシャー:振動による緩みを防止
  • 平ワッシャー:接触面の応力分散
  • 樹脂ワッシャー:配管への傷防止

施工時の安全確認項目
✓ 配管の真直性確認
✓ uボルトの変形・亀裂チェック
✓ ねじ部の清掃状態確認
✓ 締結後の配管固定状態確認
興味深いことに、uボルトの締結順序も重要で、対角線上のナットを交互に締めることで均等な締付け力が得られます。

 

uボルト価格相場と購入時のコストパフォーマンス

建築プロジェクトにおけるuボルトの調達コストは、全体予算に意外な影響を与えることがあります。効率的な購入戦略で大幅なコスト削減が可能です。

 

サイズ別価格相場(2024年基準)

  • M6×15A:150-300円/個
  • M8×25A:200-400円/個
  • M10×50A:300-600円/個
  • M12×80A:500-900円/個
  • M16×150A:800-1,500円/個

材質による価格差
ステンレス製は炭素鋼の2-3倍の価格ですが、屋外環境では交換コストを考慮すると長期的にはコストメリットがあります。

 

まとめ購入のメリット

  • 100個単位:10-15%割引
  • 500個単位:20-25%割引
  • 1000個単位:30%以上の割引

購入先選定のポイント

  • 品質認証の有無
  • 納期の安定性
  • アフターサポート体制
  • 技術相談対応

意外な節約ポイントとして、異なるサイズでも同じねじ径であればナットは共通使用できるため、ナット単体での追加購入が効率的です。

 

宇都宮螺子など老舗メーカーの製品は品質安定性に優れており、重要な配管系統では信頼性を重視した選択が推奨されます。

 

宇都宮螺子の詳細なUボルト規格表と技術仕様

uボルト施工現場での意外な活用法と応用事例

建築現場でのuボルト活用は配管固定だけでなく、創意工夫により様々な用途に応用されています。ベテラン職人が実践する独自の活用法をご紹介します。

 

仮設構造物での応用

  • 足場パイプの連結補強
  • 仮設電源ケーブルの整理固定
  • 安全ネット支柱の固定
  • 資材置き場の区画パイプ固定

設備配管以外の構造用途
配管用として設計されたuボルトですが、その形状特性を活かして構造的な用途にも応用されています。

 

  • 手すりパイプの壁面固定
  • 空調ダクト支持材の固定
  • 看板支柱の壁面取付け
  • 避雷針ダウンコンダクターの固定

特殊環境での活用事例
海岸近接地域での対策
塩害環境では通常のメッキ処理では不十分なため、SUS316L材質のuボルトに樹脂コーティングを施した特殊仕様が使用されることがあります。

 

高温環境での選択

  • 100℃以上:ステンレス製必須
  • 200℃以上:特殊合金製の検討
  • 断熱材考慮:長めサイズの選択

振動環境での工夫
工場設備や交通量の多い道路沿いでは、通常の緩み止めに加えて以下の対策が効果的です。

  • ねじロック剤の使用
  • 振動減衰パッドの挟み込み
  • 定期点検スケジュールの策定

意外な品質管理ポイント
現場でよく見落とされがちですが、uボルトの保管方法も品質に大きく影響します。

  • 湿度管理:メッキの劣化防止
  • 積み重ね制限:変形防止
  • 定期的な在庫回転:長期保管による品質低下防止

トラブル事例から学ぶ教訓
実際の現場では、寸法選択ミスにより以下のような問題が発生することがあります。

  • 締結不足による配管の振動
  • 過締結による配管の変形
  • 材質選択ミスによる早期腐食

これらを防ぐため、施工前の寸法確認と材質適性の再チェックが重要です。

 

富田螺子などの専門商社では、現場の特殊要求に対応したカスタム仕様の製作も可能で、標準品では対応できない特殊環境での活用が広がっています。

 

富田螺子の配管用・船舶用Uボルト規格と特殊仕様の詳細情報
現場での創意工夫により、uボルトは単なる固定金具を超えた多様な可能性を秘めた建築部材として活用されており、職人の経験と知識が品質向上に直結する重要な要素となっています。