
配管工事において最も重要なのが、管外径に適合するuボルト寸法の正確な選定です。以下に主要なサイズの寸法表を示します。
一般配管用uボルト寸法表(M6~M12)
呼び寸法 | 鋼管外径(mm) | M6 P(mm) | M6 H(mm) | M8 P(mm) | M8 H(mm) | M10 P(mm) | M10 H(mm) | M12 P(mm) | M12 H(mm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8A(1/4) | 13.2 | 21 | 27 | 25 | 33 | 28 | 43 | - | - |
15A(1/2) | 21.2 | 29.5 | 36 | 31 | 42 | 34 | 46 | - | - |
25A(1") | 34.0 | 41 | 49 | 44 | 54 | 46 | 59 | 48 | 68 |
50A(2") | 60.5 | 70 | 80 | 72 | 80 | 74 | 85 | 76 | 90 |
80A(3") | 89.1 | 97 | 107 | 99 | 109.5 | 101 | 117 | 103 | 119 |
この表からわかるように、配管径が大きくなるほどuボルトのPサイズ(幅)とHサイズ(高さ)も比例して増加します。特に注意すべきは、同じ配管径でもねじ径によって寸法が変わることです。
大口径配管用uボルト寸法(M16~M24)
大口径配管では、より強固な締結力が必要となるため、太いねじ径のuボルトを選択します。
呼び寸法 | 鋼管外径(mm) | M16 P(mm) | M16 H(mm) | M20 P(mm) | M20 H(mm) | M24 P(mm) | M24 H(mm) |
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100A(4") | 114.3 | 134 | 151 | - | - | - | - |
150A(6") | 165.2 | 160 | 175 | 186 | 202 | - | - |
200A(8") | 216.3 | 236 | 254 | 239 | 263 | - | - |
300A(12") | 318.5 | 341 | 368 | 344 | 371 | 346 | 383 |
500A(20") | 508.0 | 532 | 560 | 532 | 560 | 539 | 591 |
現場での選定時は、配管の材質や設置環境に応じて安全率を考慮し、一段階上のねじ径を選択することが推奨されています。
uボルトの長期的な性能を左右するのが材質と表面処理の選択です。建築現場では設置環境に応じた適切な選択が不可欠です。
主要材質の特性と適用場面
表面処理の効果と選択基準
屋外環境での使用が多い配管工事では、表面処理による防錆対策が重要です。
意外な事実として、同じメッキ処理でも施工環境の温度により密着性が大きく変わることがあります。冬季施工では特に注意が必要です。
uボルト施工における安全性確保は、配管システム全体の信頼性に直結します。適切な締結手順と緩み止め対策が重要です。
締結トルクの管理
ねじ径ごとの推奨締結トルクを遵守することで、過度な締付けによる破損や緩みを防止できます。
ダブルナット工法の効果
振動の多い環境では、ダブルナット工法による緩み止めが効果的です。1つ目のナットで本締めを行い、2つ目のナットで緩み止めの役割を果たします。
ワッシャーの適切な使用
施工時の安全確認項目
✓ 配管の真直性確認
✓ uボルトの変形・亀裂チェック
✓ ねじ部の清掃状態確認
✓ 締結後の配管固定状態確認
興味深いことに、uボルトの締結順序も重要で、対角線上のナットを交互に締めることで均等な締付け力が得られます。
建築プロジェクトにおけるuボルトの調達コストは、全体予算に意外な影響を与えることがあります。効率的な購入戦略で大幅なコスト削減が可能です。
サイズ別価格相場(2024年基準)
材質による価格差
ステンレス製は炭素鋼の2-3倍の価格ですが、屋外環境では交換コストを考慮すると長期的にはコストメリットがあります。
まとめ購入のメリット
購入先選定のポイント
意外な節約ポイントとして、異なるサイズでも同じねじ径であればナットは共通使用できるため、ナット単体での追加購入が効率的です。
宇都宮螺子など老舗メーカーの製品は品質安定性に優れており、重要な配管系統では信頼性を重視した選択が推奨されます。
建築現場でのuボルト活用は配管固定だけでなく、創意工夫により様々な用途に応用されています。ベテラン職人が実践する独自の活用法をご紹介します。
仮設構造物での応用
設備配管以外の構造用途
配管用として設計されたuボルトですが、その形状特性を活かして構造的な用途にも応用されています。
特殊環境での活用事例
海岸近接地域での対策
塩害環境では通常のメッキ処理では不十分なため、SUS316L材質のuボルトに樹脂コーティングを施した特殊仕様が使用されることがあります。
高温環境での選択
振動環境での工夫
工場設備や交通量の多い道路沿いでは、通常の緩み止めに加えて以下の対策が効果的です。
意外な品質管理ポイント
現場でよく見落とされがちですが、uボルトの保管方法も品質に大きく影響します。
トラブル事例から学ぶ教訓
実際の現場では、寸法選択ミスにより以下のような問題が発生することがあります。
これらを防ぐため、施工前の寸法確認と材質適性の再チェックが重要です。
富田螺子などの専門商社では、現場の特殊要求に対応したカスタム仕様の製作も可能で、標準品では対応できない特殊環境での活用が広がっています。
富田螺子の配管用・船舶用Uボルト規格と特殊仕様の詳細情報
現場での創意工夫により、uボルトは単なる固定金具を超えた多様な可能性を秘めた建築部材として活用されており、職人の経験と知識が品質向上に直結する重要な要素となっています。