
vプーリーの規格表で最も重要なのが溝の形状分類です。JIS B 1854-1987「一般用Vプーリ」に基づき、5つの基本形状(M型、A型、B型、C型、D型)が標準化されています。
各溝形状の特徴と適用範囲。
規格表における寸法公差は、ベルトとの適合性を保つために非常に厳格に定められています。特に重要な寸法公差:
溝角度(α)の公差管理。
溝深さ(k)の公差。
溝幅(e)の累積誤差。
全溝数での累積誤差が±0.8mm以下に規制されており、多溝プーリーでも精度を保持。
材質規格との関係。
JIS G 5501「ねずみ鋳鉄品」のFC200~250クラスが標準で、機械的性質と寸法精度のバランスを考慮した選定。
規格表では溝数によって詳細な種類コードが設定されています。標準的な溝数分類:
単溝プーリー(-1)。
複溝プーリー。
溝数選定の考慮事項。
意外に知られていない点として、溝数が増えても必ずしも伝達能力が比例増加しないことがあります。外側の溝ほど遠心力の影響を受けやすく、内側溝との負荷分散にばらつきが生じるためです。
建築設備の機械選定で見落としがちなのが、プーリーのバランス精度です。規格表には明記されていませんが、JIS規格プーリーは不釣合い質量の許容値が厳格に定められています。
標準バランス精度。
バランス不良の影響。
実測によるバランス確認方法。
高速回転機械では納入時にバランステストを実施し、vibration meterで0.5mm/s以下の振動レベルを確認することが推奨されます。
標準規格表以外の特殊仕様プーリーも、建築設備では重要な選定対象となります。
ローエッジコグベルト対応プーリー。
表面処理の種類。
軸穴加工の選定基準。
意外な選定ポイントとして、建築設備の空調機械では季節負荷変動を考慮した余裕率設定が重要です。夏季の冷房負荷ピーク時に20%程度の余裕を持たせた溝数選定を行うことで、設備の長寿命化が図れます。
省エネ法改正に伴う高効率機器の導入では、従来よりも高回転での運転が増加しており、プーリー選定時のバランス精度と溝角度の管理がより重要になっています。
参考リンク(JIS規格の詳細寸法表が確認できます)。
JISB1854:1987 一般用Vプーリ
参考リンク(NBK社の標準化機種一覧と選定ガイド)。
JIS Vプーリー商品規格 - NBK鍋屋バイテック会社