vプーリー規格表でJIS適合溝寸法種類選定

vプーリー規格表でJIS適合溝寸法種類選定

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vプーリー規格表のJIS基準寸法

Vプーリー規格表の基本情報
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JIS B 1854-1987準拠

一般用Vプーリーの形状・寸法規格

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溝の形状分類

A型・B型・C型・D型・M型の5種類

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精密な寸法管理

溝角度・深さ・幅の厳格な公差設定

vプーリーJIS規格表の溝形状分類

vプーリーの規格表で最も重要なのが溝の形状分類です。JIS B 1854-1987「一般用Vプーリ」に基づき、5つの基本形状(M型、A型、B型、C型、D型)が標準化されています。
各溝形状の特徴と適用範囲。

  • M型:小径プーリー専用、呼び径50~90mm
  • 溝角度:34°~38°(径により変化)
  • 溝深さ(k):2.7mm
  • 主に軽負荷機械用
  • A型:中小径用途、呼び径71~200mm
  • 溝角度:34°~38°
  • 溝深さ(k):4.5mm
  • 標準的な機械設備に最適
  • B型:中径用途、呼び径118~450mm
  • 溝角度:34°~38°
  • 溝深さ(k):5.5mm
  • 産業機械の主力サイズ
  • C型:大径用途、呼び径180~800mm
  • 溝角度:34°~38°
  • 溝深さ(k):7.0mm
  • 重負荷設備向け
  • D型:超大径用途、呼び径355mm以上
  • 溝角度:36°~38°
  • 溝深さ(k):9.5mm
  • 大型産業設備専用

vプーリー規格表の精密寸法公差

規格表における寸法公差は、ベルトとの適合性を保つために非常に厳格に定められています。特に重要な寸法公差:
溝角度(α)の公差管理

  • 全形状共通:±0.5°
  • 呼び径によって基準角度が変化
  • 100mm以下:34°基準
  • 100~125mm:36°基準
  • 125mm超:38°基準

溝深さ(k)の公差

  • A型:+0.2/0mm(上限公差のみ)
  • B型:+0.2/0mm
  • C型:+0.3/0mm
  • D型:+0.4/0mm
  • 深い溝ほど公差が大きくなる傾向

溝幅(e)の累積誤差
全溝数での累積誤差が±0.8mm以下に規制されており、多溝プーリーでも精度を保持。
材質規格との関係
JIS G 5501「ねずみ鋳鉄品」のFC200~250クラスが標準で、機械的性質と寸法精度のバランスを考慮した選定。

vプーリー規格表の溝数による種類分類

規格表では溝数によって詳細な種類コードが設定されています。標準的な溝数分類:
単溝プーリー(-1)

  • 全形状で標準化
  • シンプルな動力伝達用
  • メンテナンス性に優れる

複溝プーリー

  • A型:1~3溝(A1、A2、A3)
  • B型:1~5溝(B1~B5)
  • C型:3~6溝(C3~C6)
  • D型:4~8溝が可能

溝数選定の考慮事項

  • 伝達動力に比例した溝数選定
  • ベルト張力の分散効果
  • プーリー幅の制約
  • コスト対効果の検討

意外に知られていない点として、溝数が増えても必ずしも伝達能力が比例増加しないことがあります。外側の溝ほど遠心力の影響を受けやすく、内側溝との負荷分散にばらつきが生じるためです。

 

vプーリー規格表のバランス精度基準

建築設備の機械選定で見落としがちなのが、プーリーのバランス精度です。規格表には明記されていませんが、JIS規格プーリーは不釣合い質量の許容値が厳格に定められています。
標準バランス精度

  • JIS準拠品:プーリー質量の0.2%または3gの大きい方
  • 高精度品:プーリー質量の0.1%を保証
  • 回転速度1000rpm以上では高精度品推奨

バランス不良の影響

  • 異音・振動の発生源となる
  • ベルト寿命の大幅短縮
  • 軸受の早期損傷
  • 機械全体の性能低下

実測によるバランス確認方法
高速回転機械では納入時にバランステストを実施し、vibration meterで0.5mm/s以下の振動レベルを確認することが推奨されます。

 

vプーリー規格表の特殊仕様と応用選定

標準規格表以外の特殊仕様プーリーも、建築設備では重要な選定対象となります。
ローエッジコグベルト対応プーリー

  • 通常より小径での使用が可能
  • 省スペース設計に有効
  • 標準規格表にない寸法も選択可能
  • NBK社では369機種を独自に標準化

表面処理の種類

  • 電着塗装:防錆性と美観を両立
  • 溶融亜鉛めっき:耐食性重視
  • 無処理:コスト優先の用途

軸穴加工の選定基準

  • 標準下穴:現場での軸穴加工対応
  • 完成穴:即座の取付可能
  • キー溝付:JIS B 1301準拠の平行キー対応
  • テーパー穴:高トルク伝達用

意外な選定ポイントとして、建築設備の空調機械では季節負荷変動を考慮した余裕率設定が重要です。夏季の冷房負荷ピーク時に20%程度の余裕を持たせた溝数選定を行うことで、設備の長寿命化が図れます。
省エネ法改正に伴う高効率機器の導入では、従来よりも高回転での運転が増加しており、プーリー選定時のバランス精度と溝角度の管理がより重要になっています。

 

参考リンク(JIS規格の詳細寸法表が確認できます)。
JISB1854:1987 一般用Vプーリ
参考リンク(NBK社の標準化機種一覧と選定ガイド)。
JIS Vプーリー商品規格 - NBK鍋屋バイテック会社