10トントラック荷台寸法一覧とメーカー別仕様比較

10トントラック荷台寸法一覧

10トントラック荷台の基本寸法と規格

10トントラックの荷台寸法は、道路運送車両法によって厳格に規定されています。車両の全長は12メートル以内、全幅は2.5メートル以内、全高は3.8メートル以内という制限があり、この範囲内で各メーカーが最適な荷台設計を行っています。

 

10トントラックの正式な分類は「大型トラック」で、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上という基準を満たす車両を指します。「10トン」という名称は一般的な呼び方であり、実際の最大積載量は車種によって異なることに注意が必要です。

 

荷台の基本構造として、最も一般的な平ボディでは以下の特徴があります。

• 荷台長さ：6,500mm～10,030mm（車種により大幅に差がある）
• 荷台幅：2,340mm～2,490mm（比較的均一）
• あおり高さ：267mm～580mm（メーカーにより大きく異なる）

興味深いことに、荷台の幅については小型・中型トラックとの差がそれほど大きくなく、主な違いは長さと高さに現れています。これは道路幅の制約と積載効率のバランスを考慮した設計思想によるものです。

 

メーカー別10トントラック荷台寸法比較

主要4メーカーの10トントラック荷台寸法には、それぞれ特徴的な違いがあります。以下の詳細比較表をご覧ください。
日野プロフィア

• 荷台長：9,670mm
• 荷台幅：2,490mm
• 荷台高：267mm
• 特徴：荷台高が最も低く、重量物の積み降ろしに有利

三菱ふそうスーパーグレート

• ショートキャブ：荷台長10,030mm、荷台幅2,340mm、荷台高450mm
• フルキャブ：荷台長9,550mm、荷台幅2,340mm、荷台高450mm
• スーパーフルキャブ：荷台長9,600mm、荷台幅2,340mm、荷台高450mm
• 特徴：キャブ形状により荷台長が調整可能

UDトラックスクオン

• 荷台長：9,500mm
• 荷台幅：2,490mm
• 荷台高：450mm
• 特徴：バランスの取れた標準的な寸法

いすゞギガ

• 荷台長：5,100mm（一部車種）～9,200mm
• 荷台幅：2,350mm～2,490mm
• 荷台高：450mm～500mm
• 特徴：車種バリエーションが豊富

メーカー間で最も大きな差が生じるのは荷台長で、最短の5,100mmから最長の10,030mmまで約5メートルもの開きがあります。この差は、想定する積載物や運用形態の違いを反映しています。

 

平ボディとロングボディの寸法差

10トントラックには、荷台の長さによって複数のボディタイプが存在します。主要な分類として、標準ボディ、ロングボディ、ショートボディ、ワイドボディがあります。

 

標準ボディとロングボディの比較

ボディタイプ	全長	全高	全幅	用途
標準ボディ	11,900mm	2,860mm	2,300mm	一般的な物流業務
ロングボディ	12,000mm	3,800mm	2,300mm	長尺物の輸送
ショートボディ	10,010mm	2,470mm	2,410mm	市内配送・小回り重視
ワイドボディ	11,980mm	3,795mm	2,495mm	大容量輸送

ロングボディは全長が100mm長く、全高が940mm高くなっており、建設資材や長尺の建材輸送に特化した設計です。一方、ショートボディは全体的にコンパクトで、住宅街や狭い道路での機動性を重視した設計となっています。

 

積載容量の違い
平ボディの標準的な荷台では、長さ7,600mm、幅2,400mm、サイドあおり高さ600mmという寸法で、約10.9立方メートルの容積を確保できます。ロングボディでは容積がさらに増加し、大型家電や機械部品の輸送に威力を発揮します。

 

興味深い点として、ボディタイプの選択は燃費にも大きく影響します。ロングボディは風の抵抗が大きくなるため、標準ボディと比較して燃費が5-8%程度悪化する傾向があります。

 

10トントラック荷台の活用場面と積載計算

10トントラックの荷台は、その大容量を活かしてさまざまな業界で活用されています。不動産業界では特に以下の場面で重宝されています。
建設・解体現場での活用

• 建設資材（鉄骨、コンクリートブロック、建材パネル）の運搬
• 解体廃材の収集・運搬
• 重機（小型ショベルカー、発電機）の回送作業

積載量の計算方法
最大積載量の正確な計算は、安全運行の基本です。計算式は以下の通りです。
最大積載量 = 車両総重量 − 車両重量 − 乗車定員×55kg
例：車両総重量20トン、車両重量9トン、乗車定員2人の場合
最大積載量 = 20,000kg − 9,000kg − (2人×55kg) = 10,890kg
この計算により、実際に積み込める荷物の重量が算出できます。重要なのは、荷台の寸法だけでなく重量制限も同時に考慮することです。

 

容積重量の考慮
軽くてかさばる荷物の場合、重量よりも容積が制限要因となります。一般的に、1立方メートルあたり300-400kgを基準として容積重量を計算し、実重量と比較して少ない方を採用します。

 

不動産業における10トントラック活用のコスト効率分析

不動産業での10トントラック活用は、単なる運搬手段を超えた戦略的投資として位置づけられます。特に建売住宅開発や大型マンション建設において、その真価が発揮されます。

 

所有vs.レンタルの損益分岐点
新車購入価格1,800万円〜2,200万円に対し、レンタル費用は日額5-8万円程度です。年間稼働日数が250日を超える場合、購入の方が経済的になる計算です。しかし、メンテナンス費用（年間約200万円）と減価償却を考慮すると、実際の損益分岐点は年間稼働日数300日程度となります。

 

駐車場確保の隠れたコスト
10トントラック用駐車場は、最低でも長さ13m、幅3.5mのスペースが必要です。都市部では月額駐車料金が15-25万円となることも珍しくなく、年間コストとして180-300万円の追加負担が発生します。

 

燃費性能と環境対策
最新の10トントラックの燃費は、平均4-6km/L程度です。年間走行距離を8万kmとすると、軽油代だけで年間200万円以上の燃料費がかかります。環境規制の強化により、今後は電動化やハイブリッド化も選択肢となり、初期投資は高くなりますが運用コストの削減が期待できます。

 

保険・税金の年間負担
大型トラックの自動車税は年額16,000円、自動車重量税は車検時に49,200円（2年分）、自賠責保険は24ヶ月で38,620円となります。任意保険は使用目的により年額30-80万円と幅があり、事業用登録の場合はより高額になる傾向があります。

 

これらの総合的なコスト分析により、10トントラックの導入判断における重要な指標として、年間の運搬売上高が車両関連総コストの3倍以上あることが推奨されます。この基準を満たすことで、持続可能で収益性の高い運営が可能になります。