CBR試験の目的と建築現場での地盤評価の基本

CBR試験の目的と建築現場での地盤評価の基本

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CBR試験の目的と建築現場での地盤評価の正しい知識

CBR試験の結果が低くても、そのまま施工を進めた現場の8割以上で舗装破損が3年以内に発生しています。


📋 この記事の3ポイント要約
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CBR試験の目的とは?

CBR試験は地盤や路盤材料の支持力を数値化し、舗装厚さ設計の根拠データを得るために行う試験です。

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現場CBRと室内CBRの違いを知る

室内試験と現場試験では条件が異なり、設計に用いるCBR値を誤ると舗装厚の過小・過大設計につながります。

建築現場での正しい活用方法

CBR値の読み方と設計CBRへの変換方法を押さえることで、手戻りゼロ・コスト削減につながります。


CBR試験の目的:地盤の支持力を数値で把握する意味


CBR試験(California Bearing Ratio試験)は、地盤や路盤材料がどれだけの荷重に耐えられるかを数値で表すための試験です。正式名称は「カリフォルニア支持力比試験」といい、舗装設計において欠かせない基礎データとなります。


試験の仕組みはシンプルで、直径50mmの貫入ピストンを一定速度(1mm/min)で地盤または試料に押し込み、貫入量2.5mmおよび5.0mmのときに発生する荷重を測定します。この荷重を、あらかじめ定められた標準荷重値(2.5mm貫入時:13.34kN、5.0mm貫入時:20.01kN)で割った百分率がCBR値です。


つまり、CBRが高いほど地盤が硬く、荷重に対して強いということですね。


CBR試験の最大の目的は、舗装厚の設計根拠を得ることです。道路舗装や駐車場舗装の設計では、路床(舗装の直下にある自然地盤または盛土地盤)のCBR値に応じて、必要なアスファルト層・路盤層の厚さが変わります。CBR値が低ければ厚い舗装が必要になり、高ければ薄くできます。


この設計手法は「CBR法」と呼ばれており、日本では「舗装設計施工指針」(公益社団法人日本道路協会)に基づいて実施されます。


日本道路協会 – 舗装設計施工指針・舗装調査・試験法便覧などの基準文書を確認できます


建築現場では、駐車場・構内道路・仮設道路の設計に頻繁に使われます。試験なしで感覚的に舗装厚を決めると、後から補修費が発生するリスクがあります。CBR試験は面倒に見えて、実はコストを守る保険です。


CBR試験の種類:室内CBRと現場CBRの違いと選び方

CBR試験には大きく分けて「室内CBR試験」と「現場CBR試験」の2種類があります。どちらを使うかによって、得られる数値の意味と用途が変わります。これは意外と混乱しやすい部分です。


室内CBR試験は、現地から採取した土試料を室内で含水比・締固め度を調整してモールドに詰め、試験を行う方法です。JIS A 1211に規定されています。路床・路盤材料の品質評価や、設計CBRの算出に使われます。試料を持ち帰って実施するため、再現性が高く、設計図書に記載する公式な数値として採用されることが多いです。


現場CBR試験は、施工後の路盤や路床をそのまま現地で試験する方法です。仕上がり品質の確認(施工管理)を目的としており、設計段階ではなく「きちんと締め固まっているか」を確認するために使います。


室内CBRが「材料の潜在的な強度」を見るのに対し、現場CBRは「実際の施工状態の強度」を見るものです。


両者を混同したまま設計に使うと、路盤厚の算出が誤った前提で進んでしまいます。たとえば、現場CBRで得た高い数値を設計CBRとして流用すると、路盤を薄く設計しすぎて早期破損につながることがあります。これは実際の現場でも起きている事例です。


設計段階では室内CBR、完成検査では現場CBRが基本です。





























項目 室内CBR試験 現場CBR試験
目的 材料強度の評価・設計値算出 施工後の品質確認
実施場所 試験室(室内) 施工現場
規格 JIS A 1211 JIS A 1222
主な用途 舗装設計、路盤材の品質判定 施工管理、竣工検査


CBR試験の目的と設計CBRへの変換:正しい数値の使い方

試験で得たCBR値をそのまま設計に使うのは間違いです。これが多くの現場担当者が見落とすポイントです。


舗装設計に使う「設計CBR」は、複数地点で測定したCBR値の統計的処理によって求めます。具体的には、同一路線または同一区間内の複数箇所から採取した試料について室内CBR試験を実施し、その結果をランク分けして設計CBRを算出します。


日本道路協会の「舗装設計施工指針」では、設計CBRの求め方として「CBR値の昇順に並べた値の第3位の値を採用する」などの方法が示されています(試験地点数に応じて方法が異なります)。


設計CBRが低めに設定される理由は、「最も弱い箇所に合わせて設計する」という安全側の思想に基づいているためです。平均値を使うと、弱い地点で破損が生じてしまいます。



  • 📌 測定地点数が少ない(3点未満)と設計CBRが過大評価になりやすい

  • 📌 季節変動(凍上・融解)を考慮した修正CBRが必要な地域もある

  • 📌 設計CBRは路床と路盤で別々に算出するケースもある


設計CBRへの変換を省略した場合、舗装厚が5〜10cm以上薄くなる可能性があり、これが数年後の補修費(1㎡あたり数千円〜数万円規模)に直結します。CBR試験の目的は、単なる数値取得ではなく、正しい設計根拠を得ることです。


国土技術政策総合研究所(NILIM)– 道路・舗装に関する技術資料・設計基準の参考として活用できます


CBR試験の目的を現場作業に活かす:締固め管理との関係

CBR試験の結果は、舗装設計だけでなく締固め管理にも深く関わっています。意外と知られていない視点です。


路盤材や路床土を締め固める際、同じ材料でも含水比(水分量)によってCBR値は大きく変化します。含水比が最適含水比より高すぎても低すぎても、CBR値は低下します。これは「締固め試験(プロクター試験)」と合わせて理解すべき重要な関係です。


たとえば、ある関東ローム質の路床土では、最適含水比(約40%)付近でCBR値が最大(約3〜5%)となり、含水比が45%を超えるとCBR値が1%台まで落ちることがあります。CBR値が1%台では路床として使えず、路盤材の補強や置換が必要になります。


つまり、雨が続いた後の施工はCBR値が著しく低下するということですね。


現場では以下の点に注意が必要です。



  • 🌧️ 降雨後の路床含水比を確認してから施工を再開する

  • 🔧 締固め度(最大乾燥密度の何%か)を管理値として設定する

  • 📐 路床CBRが設計値を下回る場合は、材料置換または安定処理(石灰・セメント)を検討する


安定処理の代表例として、石灰安定処理では路床土に生石灰を2〜4%程度混合し、CBR値を数倍に改善できます。セメント安定処理では短期間で高い強度が得られる半面、施工コストが石灰より高くなる傾向があります。


締固め管理とCBR試験をセットで考えることが、品質の高い舗装を作る前提条件です。


地盤工学会 – CBR試験・締固め試験などの地盤調査手法に関する技術情報が掲載されています


CBR試験の目的をふまえた建築現場での見落とし防止チェック

CBR試験を実施しているのに、活用方法を誤って損をしているケースが現場では少なくありません。ここでは実務上の見落としポイントを整理します。


見落とし①:試験地点数が不足している


設計CBRを算出するには、区間あたり最低3〜5地点の試験データが必要です。1〜2地点だけの試験結果を設計CBRとして使うと、データのばらつきが反映されず、強度過大または過小評価のリスクが高まります。国土交通省の設計基準でも、地点数の確保が明記されています。


見落とし②:養生期間を無視して試験している


室内CBR試験では、試料をモールドに詰めた後、96時間(4日間)水浸させてから試験するのが標準です。この水浸工程を省略または短縮すると、実態より高いCBR値が出てしまいます。雨水や地下水の影響を受ける現場条件を模擬するための工程です。省略は厳禁です。


見落とし③:路盤材と路床土を同じ基準で評価している


路盤材(クラッシャーラン等)のCBR値は80以上が一般的な合格基準ですが、路床土の設計CBRは3〜20%程度が多く、求める数値のスケールがまったく異なります。同じ試験でも、判定基準を取り違えると設計ミスにつながります。



  • ✅ 路床土の設計CBR:3〜20%程度(低い値で設計するのが安全側)

  • ✅ 下層路盤材のCBR合格基準:20以上

  • ✅ 上層路盤材のCBR合格基準:80以上(粒度調整砕石の場合)


これらの数値は一度メモしておけばOKです。


見落とし④:試験結果の保管・提出が後回しになっている


CBR試験の結果は、竣工書類として発注者に提出が求められるケースがあります。試験を実施しても成績書を紛失・未提出のまま竣工を迎えると、手直し指示や検査不合格につながることがあります。試験実施と同時に成績書のデジタル保管を習慣にするとよいです。


試験の実施より、結果の記録と活用が現場の本当の課題です。


建築現場でCBR試験の書類管理に課題を感じているなら、施工管理アプリ(例:Photoruction、ANDPAD等)の電子帳票機能を活用すると、試験成績書をその場でスキャン・紐付けできるため、書類紛失リスクを大きく下げることができます。試験後にアプリで写真と一緒に登録する、という1アクションで管理を完結させることが可能です。


国土交通省 道路局 – 舗装に関する基準・通達・設計指針の公式情報が確認できます






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